[2024年版] 辻村深月 全作品一覧を順番に紹介 読む順番・感想(新作随時更新)

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直木賞作家であり、本屋大賞も受賞したの辻村深月さんの作品を刊行順にご紹介。

作品ごとに共通するキャラも居るので読む順番にも注意して見てください。

おすすめ作品や感想を交えて、全作品をご紹介します。

辻村深月 全作品一覧[読む順番・おすすめ・感想]

1.冷たい校舎の時は止まる(2004年)

あらすじ
ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友(クラスメート)の名前が思い出せない。死んだのは誰!? 誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作!

評価6/10

3冊目に読んだ作品。

個性豊かな8人が学校に閉じ込められて、ある人の事を思い出す話。

ちょっとホラーにも似た展開もあって、ミステリー作風の中でゾクゾクしますが、ラストのしてやられた感がやっぱり気持ちよかったw

こちらはデビュー作という事でかなり丁寧に描かれていますが、かなり長すぎたかな。

最初に読むのは辛いと思うので、慣れてからの方がいいと思います。

 

2.子どもたちは夜と遊ぶ(2005年)

あらすじ
大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

評価6/10

サイコパスの出て来る殺人ゲーム。

怖さよりも心理的な話で展開していくのだけど、前半の伏線が見事に後半に効いて来て、最後が予想の上をいく展開。

そんなに好きじゃない話でしたが、流石の辻村ワールドでしたよ。

 

3.凍りのくじら(2005年)

あらすじ
高校2年、芦沢理帆子――。「家に帰れば、本が読めるから」誰と話しても、本気で楽しいと思
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。

評価8/10

一番最初に読むのに適した話という事で、初めての辻村作品。

繊細でなんか懐かしい感覚を思い出しながらホッコリする話。

主人公は好きになれないけども、物語はとても好きになれた。

ドラえもんに会いたくなるそんな作品。

ただ最初に読むには、あんまりおすすめしません。

 

4.ぼくのメジャースプーン(2006年)

あらすじ
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった――。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。彼女のため、犯人に対してぼくだけにできることがある。チャンスは本当に1度だけ。これはぼくの闘いだ。

評価7/10

先日読んだばかりの作品ですが、かなりお勧めです。

復讐とか罰等の社会派の物語なんだけど、とても考えさせられる展開で最後の最後まで面白かったです。

 

5.ドラことば 心に響くドラえもん名言集(2006年)エッセイ

あらすじ
専門誌『ぼく、ドラえもん。』の人気企画の単行本化。まんが・ドラえもんの感動のセリフを、声優、作家、読者、編集部が厳選。あなたが覚えていることばはありますか。

6.スロウハイツの神様(2007年)

あらすじ
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。

評価 8/10

「かがみの孤城」も良いけど物語としては、こっちの方が泣けて好きな話。

物語の展開がジワジワ効いて来るので、ラストに一気にひっくり返されてからの勢いが止まらない。

まさかこんなに泣かされるとは思わなかったね。

とても暖かい良い話です。

 

7.名前探しの放課後(2007年)

あらすじ
依田いつかが最初に感じた違和感は撤去されたはずの看板だった。「俺、もしかして過去に戻された?」動揺する中で浮かぶ一つの記憶。いつかは高校のクラスメートの坂崎あすなに相談を持ちかける。「今から俺たちの同級生が自殺する。でもそれが誰なのか思い出せないんだ」二人はその「誰か」を探し始める。

評価8/10

物語の展開が凄い練られて、最初から最後まで普通に読めば「良い物語だね」で終わる話も、ラストの数十ページで大逆転。

もう一度読んで納得の読者をミスリードする青春小説。

見事すぎて脱帽です。

 

8.ロードムービー(2008年)短編

あらすじ
運動神経抜群で学校の人気者のトシと気弱で友達の少ないワタル。小学五年生の彼らはある日、家出を決意する。きっかけは新学期。組替えで親しくなった二人がクラスから孤立し始めたことだった。「大丈夫、きっとうまくいく」(「ロードムービー」)。いつか見たあの校舎へ、懐かしさを刺激する表題作他、4編

9.太陽の坐る場所(2008年)

あらすじ
今年もあの子はクラス会に来なかった――。高校卒業から十年。元同級生たちの話題は、人気女優となったキョウコのこと。クラス会に欠席を続ける彼女を呼び出そうと、それぞれの思惑を胸に画策する男女たちだが、一人また一人と連絡を絶ってゆく。キョウコがかたくなに来ないのはあの頃の出来事が原因なのか……? 思い当たるのは、幼くも残酷だった日々の出来事。謎に迫るうちに、えぐりだされる過去の傷。教室内の悪意や痛み、十年後の葛藤、挫折そして希望を鮮やかに描く。

10.ふちなしのかがみ(2009年)短編

あらすじ
この学校の花子さんは、音楽室から飛び降り自殺した少女の霊です。花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。でも、彼女がくれる食べ物や飲み物を口にしてはいけません。嘘をついてもいけません。さもないと―。おまじないや占い、夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。青春ミステリの旗手・辻村深月の新境地。

11.ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(2009年)

あらすじ
地元を飛び出した娘と、残った娘。幼馴染みの二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。あの事件が起こるまでは。チエミが母親を殺し、失踪してから半年。みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、全ての娘は救われる。著者の新たな代表作。

評価 6/10

辻村さんって優しい作品もあれば、ダークな人間のめんどくさい部分を言葉にした作品も書くんだよね。

こちらは、後者であり、重々しくて目を逸らしたくなる感情とか人間関係を非常に上手く描いています。

最初の方は、「何を読まされてるんだろう?」と思ってたけど、途中からこれはミステリーで有りながら、一人の人間の人生を描いてたんだって分かった時にはゾクゾクしてしまいました。

驚きあり、涙ありのちょっとイヤなミステリーです。

 

12.V.T.R.(2010年)

あらすじ
辻村深月の長編ミステリーから物語が飛び出した。「スロウハイツ」の住人を受け止め、支えたあの作家。物語に生きる彼らと同じ視線で、チヨダ・コーキのデビュー作を味わおう。『スロウハイツの神様』の世界へようこそ。

13.光待つ場所へ(2010年)短編

あらすじ
大学二年の春。清水あやめには自信があった。世界を見るには感性という武器がいる。自分にはそれがある。最初の課題で描いた燃えるような桜並木も自分以上に表現できる学生はいないと思っていた。彼の作品を見るまでは(「しあわせのこみち」)。文庫書下ろし一編を含む扉の開く瞬間を描いた、五編の短編集。

14.ツナグ(2010年)

あらすじ
一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員…ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

評価 8/10

死者と繋がるちょっと不思議なファンタジー。

最後の最後まで見逃せない展開で、ラストが泣けますね。

 

15.本日は大安なり(2011年)

あらすじ
11月22日、大安。県下有数の高級結婚式場では、4月の結婚式が行われることになっていた。だが、プランナーの多香子は、クレーマー新婦の式がつつがなく進むか気が気ではない。白須家の控え室からは大切な物がなくなり、朝から式場をうろつくあやしい男が1人。美人双子姉妹はそれぞれ、何やらたくらみを秘めているようで―。思惑を胸に、華燭の典に臨む彼らの未来は?

16.オーダーメイド殺人クラブ(2011年)

あらすじ
クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末は―。

評価 6/10 

独特のネーミングセンスが放った痛々しいタイトルだったけど、内容もかなり痛々しくもあり、青春真っ盛りのお話です。

やっぱり最後は裏切られるのかと、いい意味で辻村節を魅せてくれて、やっぱりハッピーエンドかと思わされましたね。

暗いし、長いし、重いしで、ちょっと敬遠してしまう作品だけど、青春のほろ苦さをハッと感じさせてくれる物語は、大人になってこそ読んで欲しいです。

 

17.水底フェスタ(2011年)

あらすじ
湖畔の村に彼女が帰ってきた。東京に出て芸能界で成功した由貴美。ロックフェスの夜に彼女と出会った高校生・広海はその謎めいた魅力に囚われ、恋に落ちた。だが、ある夜、彼女は言う、自分はこの村に復讐するために帰ってきたのだと。村の秘密と美しい女の嘘が引き起こす悲劇。あまりに脆く切ない、恋の物語。

評価 4/10

ロックフェスに怪しい村の姿が、ミステリー感を出してましたが、読んで見るとなんか微妙にらしくない展開で、ラストまでイマイチなオチでした。

 

18.ネオカル日和(2011年)エッセイ

あらすじ
小学生の頃、図書館で出会った本の記憶。夏休み、訪れた田舎で出会った古い土蔵。放課後、友達と買い食いした駄菓子屋。すべてはこの世の物語を紡ぐために。日本の新文化を徹底取材したルポを中心に著者が本当に好きな物だけを詰め込んだエッセイ集。掌編&短編小説4本も特別収録する贅沢すぎる玉手箱。

19.サクラ咲く(2012年)

あらすじ
塚原マチは本好きで気弱な中学一年生。ある日、図書館で本をめくっていると一枚の便せんが落ちた。そこには『サクラチル』という文字が。一体誰がこれを?やがて始まった顔の見えない相手との便せん越しの交流は、二人の距離を近付けていく。(「サクラ咲く」)輝きに満ちた喜びや、声にならない叫びが織りなす青春のシーンをみずみずしく描き出す。表題作含む三編の傑作集。

20.鍵のない夢を見る(2012年)短編

あらすじ
直木賞受賞! 私たちの心の奥底を静かに覗く傑作集

どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。

評価6/10

直木賞作品という事でしたが、個人的にはそんなにはまらなかった。

女性に向けた感じの作品なので、ウケ方がまた違うのかなと。

短編なので読みやすいです。

 

21.島はぼくらと(2013年)

あらすじ
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。

22.盲目的な恋と友情(2014年)

あらすじ
タカラジェンヌの母をもつ一瀬蘭花は自身の美貌に無自覚で、恋もまだ知らなかった。だが、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた茂実星近が、彼女の人生を一変させる。茂実との恋愛に溺れる蘭花だったが、やがて彼の裏切りを知る。五年間の激しい恋の衝撃的な終焉。蘭花の友人・留利絵の目からその歳月を見つめたとき、また別の真実が―。男女の、そして女友達の妄執を描き切る長編。

23.ハケンアニメ!(2014年)

あらすじ
1クールごとに組む相手を変え、新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。ファンの心を掴むのはどの作品か。声優、アニメーターから物語の舞台まで巻き込んで、熱いドラマが舞台裏でも繰り広げられる―。

24.家族シアター(2014年)短編

あらすじ
お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だって―。ぶつかり合うのは、近いから。ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。

評価 7/10

家族って、時に面倒でありながらも、自分の帰る場所であり、特別な場所でもある。

逃げ場がないからこその感情をうまく表現された作品の中に、温もりがありますね。

辻村さんて本当に女の子のちょっとした気持ちを拾って、表現するのが上手いですよね。

普段当たり前に接する家族の物語だからこそ、日常にある想いが詰まってるんだと思います。

 

25.朝が来る(2015年)

あらすじ
「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。

26.きのうの影踏み(2015年)短編

あらすじ
怪談には死者の“思い”が込められている。人の喪失に寄り添ってきた文学に、辻村深月が心血を注ぎ込んだ。失った“大切な誰か”を思い出して読んでほしいと願いながら。辻村深月の新境地!絆を感じる傑作短篇集。

27.図書室で暮らしたい(2015年)エッセイ

あらすじ
作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの…etc.すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集!

 

28.東京會舘とわたし(2016年)

あらすじ
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!

29.クローバーナイト(2016年)

あらすじ
何が“普通”になるのかは、誰にもわからないのだ。ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そして―。保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家。家族の幸せを守るべく、新米騎士が右往左往しながら奮闘中!

30.かがみの孤城(2017年)

あらすじ
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。

評価10/10

最新刊にして最高傑作の辻村ワールド。

作者独特の孤独感と闇を心に抱えた子供たちが出会った孤城。

その中で起こる1年の中で明かされる衝撃の事実に泣かされます。

 

31.青空と逃げる(2018年)

あらすじ
深夜の電話が、母と息子の日常を奪い去った。疑心、恐怖、そして怒り。壊れてしまった家族が、たどり着く場所は―。母の覚悟と、息子の決意。

評価 6/10

日本の情緒とか風情を感じられて、人の温かさを感じれる作品。

途中までは凄く好きだったのですが、ラストがちょっと方向性を失った…。

連載ものなので、こんな感じなのかなと思います。

 

32.傲慢と善良(2019年)

あらすじ
婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。2018年本屋大賞『かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な恋愛小説。

評価 8/10

いつもよりも大人な辻村ワールドを堪能できる作品でした。

家庭環境とか、生まれる順番や性別とかで不本意な我慢とか要求とか色々あるだろうし、境遇って人それぞれ。

とてもリアルに感じられる部分が多くて、最後のシーンで泣けてしまった作品。

読む人によっては、きっと気持ちが救われる作品だと思います。

 

33.ツナグ 想い人の心得(2019年)

あらすじ
顔も知らない父親に、事故死した幼い娘に、片思いしていたあの人に、もしも会えるなら。一生に一度だけの死者との再会を叶える使者「ツナグ」。長年に亘って務めを果たした最愛の祖母から歩美は使者としての役目を引き継いだ。7年経ち、会社員として働きながら依頼を受ける彼の元に、亡き人との面会を望む人々が訪れる。依頼者たちは、誰にも言えぬ想いを胸に秘めていて―。

34.琥珀の夏(2021年)

あらすじ
かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。

評価 7/10

白骨化死体が発見されて、一見ミステリーかと思って読んでいたのですが、めちゃくちゃ暗い話の割にスラスラ読めてしまって、一気に読み終わってしまいました。

間延びして長かった〜と思う場面もあるんだけど、「辻村さんすごい」と思わされる視点と子供たちの心理描写、内面のリアルさですね。

それにしてもカルト集団の中で、偏った価値観を教えられることって危ないけども、分別のつかない幼年期からだとより怖いものですよね。

Jの事件の時も思ったけど、中にいると完全に感覚が麻痺してしまうんだろう。

決して万人には面白くはない話だけど、伝えたい想いと描き方が見事な作品でした。

 

35.闇祓(2022年)

あらすじ
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!

36.噓つきジェンガ(2022年)

あらすじ
『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。

評価 6/10

出会い系アプリを使った詐欺、お受験詐欺、オンラインサロン詐欺と3編共通して今っぽいテーマでした。

どの話も不安な心と、拠り所を探したい気持ちに寄り添った見事な展開と、1と3話目なんかは主人公の心情の描き方が流石でしたね。

 

37.Another side of 辻村深月(2023年)

あらすじ
書き下ろし短編、宮部みゆき・伊坂幸太郎との特別対談、全作品解説インタビュー――唯一無二の小説を生み出し続ける辻村深月の裏側を徹底解剖。ファン必読の1冊、誕生!

38.この夏の星を見る(2023年6月)

あらすじ
『鍵のない夢を見る』から10年、辻村深月が詐欺を描く。幸せが欲しくて嘘にすがりついてしまう人間の哀しみが、心に迫る3篇。亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。コロナ禍で部活動が次々と制限され、楽しみにしていた合宿も中止になる中、望遠鏡で星を捉えるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」も今年は開催できないだろうと悩んでいた。真宙(まひろ)は渋谷区立ひばり森中学の一年生。27人しかいない新入生のうち、唯一の男子であることにショックを受け、「長引け、コロナ」と日々念じている。円華(まどか)は長崎県五島列島の旅館の娘。高校三年生で、吹奏楽部。旅館に他県からのお客が泊っていることで親友から距離を置かれ、やりきれない思いを抱えている時に、クラスメイトに天文台に誘われる――。
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。

読む順番

 

辻村ワールドは作品の中でリンクしてるキャラが現れます

そんな楽しみを逃さない為にも、出版社の方でお勧めの読書順です。

ただ初期の頃の作品はとても暗くて、長くて、非常に取っつきにくさもあるのであるので、最近の作品から読まれて面白かったら、後ほどこの辺の作品を読まれる方がいいと思います。

「かがみの孤城」は特にお勧めなので、一番に読んでほしい作品です。

個人的に読むべきおすすめは、

①かがみの孤城

②ツナグ

③スロウハイツの神様

この辺り気に入れば、初期の方の作品も読めるかと思います。

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