青山美智子「ただいま神様当番」を読んだ感想レビュー 心に残った名言紹介

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青山美智子「ただいま神様当番」を読んだ感想レビュー 心に残った名言紹介

青山美智子「ただいま神様当番」あらすじ

ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!

突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?

「お当番さん、わしを楽しませて?」

幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。

奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。笑えて泣けるエンタメ小説です。

感想 評価 7/10

毎朝バス停に並ぶ、5人の顔ぶれによる5話の短編。

OL、小学生、高校生、外国人教師、社長と全然違う境遇の人達の持ってる悩みをおちゃめでかわいい神様が、上手く解決していく姿が相変わらず見事です。

こんなかわいい神様ならぜひ出て来て欲しいです。

 

青山さんの小説のテーマでよく出てくるのは、現代的な悩みが多いです。

不思議と劣等感とか抱いてしまうのは、良くも悪くも、いい部分しか見えないSNSに慣れすぎてる今の時代だからこそでしょう。

勝手に他人に劣等感を抱いて、自分に嫌悪感を持って、疲れてしまう若者たち。

何者かになろうともがいたり、苦しんだり大変です。

それでも、みんな苦労知らずに見えても、絶対何かを乗り越えてるんですよね。

「大げさかもしれないけど、人生って、単に楽しいからやるって、それが一番の決め手だよ。

意味があるとか、お金になるとかはその次でさ。自分自身に何かの取柄や才能があるかどうかもあんまり関係なくて、この世をおもしろがれる力のほうがうんと大事だと思う。

そんなふうに過ごしてるうち、本当にやりたいことがわかってくるんじゃないかな。」

毎回一番最初の話が一番グッと来ます。

 

「愛されているからでしょう。

みんなが彼女を愛して、彼女はそれ以上にみんなを愛するんです。

そのエネルギーが循環している。ネネさんは応援の持つ莫大な力をしっているんです。

ひとりで叶えられる夢など、何ひとつないことも」

日常も考え方も、見方次第で人生が変わるっていいよね。

毎日バスに乗ってるおじさんが、実は友達の会社の社長だったら笑えるわ。

 

「あこがれて真似して学んで、自分を生きながら自分だけのものにしていくんじゃ。

だけど、そのうち自分も誰かの前になにかを落としていることを知る者は、ほとんどいないかもしれんの」

青山さんの本を読むと、本当に前向きな気持ちになって楽しいです。

雰囲気的には、2作目の「猫のお告げは〜」みたいなテイスト。

前作みたいにリンクしながら他のキャラが出たり、前作のアイドルが出たりと、青山ワールドも読んでてワクワクします。

 

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