若き天才直木賞作家「朝井リョウ」先生の作品を年代順にまとめてみました。
ゆとり世代独特の感性で描かれる物語は、今の時代を象徴する様な鋭い観点や男なのに女性目線の気持ちを上手く描いた繊細な物語があってとても多彩な表現力を思っています。
朝井リョウ 全作品一覧・感想を刊行順にご紹介(新作・おすすめ)
1.桐島、部活やめるってよ(2010年)
評価7/10
名前に騙されず読んで欲しい作品。
霧島を取り巻く人達が霧島について語りながら、リアルな感情、葛藤を吐き出して行く青春小説。
本当に見事な短編で描かれているので、あっという間に読めるて感慨深い作品。
「すごいこの嫌な感覚わかる」とか共感できる部分も多いし、「やっぱあの時こうしとくべきだった」とか反省してしまいました。
とにかく人間の繊細な感情を言葉にして表現するのが上手い方なので、面白いです。
2.チア男子!!(2010年)
3.星やどりの声(2011年)
評価 6/10
朝井リョウの描く家族の物語です。
子供の持つ悩みだったり、学校の空気感だったりを描いてるのは相変わらず上手い。
音や情景がとても繊細に描き出されていて、見えてる世界の感じ方の違いに嫉妬したくなる作品です。
ただそこに家族が絡んでくると、ちょっと綺麗事だけでは済まないなぁって感じの終わり方がモヤモヤでした。
4.もういちど生まれる(2011年)
評価7/10
大学生を描いた短編集。
これも霧島に近い感じで、短編がちょっとずつ繋がっていて、人によって思っている感情の違いが露骨に出ていて人間の心理深さを感じさせます。
キラキラよりもドロドロだけど、そこがリアルで良いよね。
5.少女は卒業しない(2012年)
評価8/10
卒業式という特別な日を描いた何気ない日常の話。
これも短編で描かれているのですが、凄い繊細な感情を露わにしてるので凄いなぁと思いました。
出て来るのは全部少女なんだけど、少女漫画みたいなドラマはありません。
ある意味日常の延長にあって面白いです。
6.時をかけるゆとり(学生時代にやらなくてもいい20のこと) (2012年)
7.何者(2012年)
評価9/10
最年少で直木賞を受賞した記念すべき作品。
就活をする大学生のグループの表と裏の姿を描いた現代のリアルを映し出した物語。
ラストにあっと驚く展開もありながら、人間ってやっぱりこうなのねと思わせる繊細さが見事。
ぜひこれは多くの人に読んで欲しい作品です。
8.世界地図の下書き(2013年)
9.スペードの3(2014年)
評価7/10
宝塚みたいな劇団を舞台に女だけの世界を描く朝井ワールド。
学生から大人になった物語はもっとドロドロだったけど、なんでこんな感情がわかるのかなと思う位に感受性豊かなひとです。
読んでてほんとにドキッとするので、他の人にない感情が広がります。
10.武道館(2015年)
評価6/10
朝井リョウの描くアイドル物語。
アイドルの輝かしい表舞台と悩める少女達の本質が痛々しい現実を見せる物語。
本当に朝井さんは、女性の世界が分かりすぎて怖い。
11.世にも奇妙な君物語(2015年)
12.ままならないから私とあなた(2016年)
13.何様(2016年)
理香と隆良はどんなふうに出会って暮らし始めたのか。
瑞月の両親には何があったのか。拓人を落とした面接官の今は。
立場の違うそれぞれの人物が織り成す、`就活’の枠を超えた人生の現実。
直木賞受賞作『何者』から3年。いま、朝井リョウのまなざしの先に見えているものは――。
14.風と共にゆとりぬ発売(2017年)
計500枚の大ボリュームでおくる傑作エッセイ集!
読んで得るもの特にナシ!! 立派な感想文なんて書けっこない、
ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。
15.死にがいを求めて生きているの(2019年)
死にがいを求めて生きているの (単行本) [ 朝井 リョウ ]
16.どうしても生きてる(2019年)
17.発注いただきました
普段は明かされることのない原稿依頼内容と、書き終えての自作解説も収録された一冊。十周年に合わせて依頼された新作小説も収録。
18.スター(2020年)
評価 8/10
朝井リョウさんの新刊は、まさに今の時代の人の心を切り取った彼しか描けない作品でした。
言語化できない気持ちや空気感を上手く表現するのは本当にデビュー当時から変わらないけど、今回の題材は色々と思うことがあったので余計に面白かった。
今の時代に感じる違和感は、これを読めばめっちゃ理解できると思う。
You Tubeと映画、そしてオンラインサロンまで出てくるんですが、本当にそこにいる人たちの心の声を切り取った様な葛藤や本音がセリフに詰まっていて、読んでてあるある過ぎましたね。
情報の溢れ出た現代だと、SNSもYou Tubeも刹那的に消費されてしまうので、なにが良いのか、悪いのか、人の意見に左右されて、自分の価値観さえも危ぶまれてしまう人も多いと思う。
答えの無い問いに対して、どう向き合うかを著者から投げかけられてる様な作品なんですが、やっぱり最後の終わり方よ。
19.正欲(2021年)
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、
ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。
評価 9/10
テーマは作中何度も出てくる、多様性と言う言葉に込められてます。
分かったつもりでいたはずの言葉も、この作品を読むと何も知らない自分が恥ずかしくなった。
どれだけ俯瞰して見ていたつもりでも、狭い視野しか持ってなかったと。
誰にも言えない苦しみは、時にして色んな問題を生み出してくる。
だけどそれを理解してくれる人が居たのなら‥。
人間の本当の心の底は見えないし、全てを受け入れることは出来ないからこそみんな我慢して生きているよね。
理解できる世界、受け入れる度量、読みながらすごい考えさせられましたね。
20.誰もゆとらなくなった(2022年)
怒涛の500枚書き下ろし! 頭空っぽで楽しめる本の決定版!
修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
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