[2024年版] 原田マハ 全作品一覧を順番に紹介 読む順番・感想(新作随時更新)

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アートや旅の作品が人気の原田マハさん。

個人的にも大好きな作家さんで、定期的に作品を読んでるので、代表作から最新作までおすすめ作品や感想を交えて、全作品をご紹介します。

原田マハ 全作品一覧を順番に紹介 読む順番・感想(新作随時更新)

1.カフーを待ちわびて(2006年)

あらすじ
「嫁に来ないか。幸せにします」
「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」
から始まるスピリチュアルなほどピュアなラブストーリー。
ゆるやかな時間が流れる、沖縄の小さな島。一枚の絵馬と一通の手紙から始まる、明青(あきお)と幸(さち)の出会い。偶然に見えた二人の出会いは、思いも寄らない運命的な愛の結末へ。

評価 7/10

とてもミステリアスで、ドラマチックなお話でした。

ハッピーエンドかと言われると、ちょっと残念な終わり方でもあったのだけど、めちゃくちゃ愛おしいよね。

正直言ってネタは分かってた。

展開としてはそうなるよね!って感じの話の流れだったのだけど、やっぱり真実を告白されると泣いちゃうのだ

 

2.一分間だけ(2007年)

あらすじ
ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンリトリーバーのリラを飼うことになった。恋人と一緒に育てはじめたものの、仕事が生き甲斐の藍は、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを次第に見失っていく……。恋人が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで「本当に大切なもの」に気づきはじめる藍。働く女性と愛犬のリアル・ラブストーリー。

3.普通じゃない(2007年)

あらすじ
信じる力が強ければ、夢は叶う! SNS「mixi」公式企画「ミクドラ」として限定公開され、350万アクセスを突破した初の小説。超大手都市開発会社に入社、新たな一歩を踏み出したしいな(26歳・♀)。しかし、社長から下される“普通じゃない!!”ミッションに彼女の運命は大きな転機をむかえて……。コミカル★ジェットコースター★サクセス★ストーリー!

4.ランウェイ☆ビート(2008年)

あらすじ
突然やってきたオシャレ転校生・ビート。 彼が来てからファッションにもモードにも興味がなかったクラスメートが、すっかりビートの魔法にかかってしまった…。前代未聞の高校生ファッションブランドを立ち上げることにしたビートたち、はたして成功するのか?

5.ナンバーナイン(2008年)

あらすじ
東京でインテリア・アートの販売員をするOL、真紅。仕事に挫折し、母親の待つ故郷に帰るべきではないかと悩んでいたある日。ふと立ち寄った宝石店で出会った見知らぬ中国人紳士に運命的な恋をする。真紅は「また会いたい」という一心で、紳士に渡された電話番号を頼りに上海へ渡る。まるで見えない糸に導かれるように再会する二人。未来は幸せなものかと思われたが–。上海を舞台に繰り広げられる大人の恋愛物語。

6.ごめん(「夏を喪くす」に改題)(2008年)

あらすじ
範子―偶然目にした詩が、自分たちを捨てた父親の記憶を呼び起こす。陽菜子―意識不明の夫の口座に毎月お金を振りこみ続けていた人物と対面。咲子―不倫と新たな恋。病気を告知され自分の願いがわかる。麻理子―行方不明の親友と暮らしていたNYのアパートを、7年ぶりに訪れて。―その瞬間、4人の女性は何を決意したのか? 

7.さいはての彼女(2008年)

あらすじ
25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!? だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。

評価 8/10 

定期的に読みたい原田マハさん。こちらも例外なく面白い短編小説。

ふと旅をしたくなる素敵な物語です。

バイクに乗る人は、これを読んだら走り出したくなるはず。

仕事に躓いたら、旅に出ましょう。

 

8.おいしい水(2008年)

あらすじ
あの頃、誰かを好きになると、世界が、変わる。―若い恋の“決定的瞬間”をたどったラブストーリー。

9.キネマの神様(2008年)

あらすじ
無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた! 39歳独身の歩(あゆみ)は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに、歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、切なくも心温まる奇跡の物語。

評価9/10

原田マハさんは、読めば読むほど名作のオンパレードなのですがこの本もとても温かい気持ちを溢れさせてくれる至福の物語でした。

絵画の話も奥深さが素晴らしいのですが、映画の話も上手すぎでした。

名作映画を再び見たくなる事間違いなし。

映画も、小説も本当に素敵な旅に連れて行ってくれる事を再確認できました。

 

10.花々(2009年)

あらすじ
2012年度「第25回山本周五郎賞」受賞作家、原田マハのヒット作『カフーを待ちわびて』の舞台裏でくり広げられていた、もうひとつの感動ドラマ。島を愛する旅人・純子と、故郷の沖縄を捨て東京で生きる成子。ひょんなことから出会ったまるで正反対の二人は、ある共通の目的のために奄美群島の神秘の島々を旅することに。しかし二人が見つけたものは、当初探していたもの以上の大きなもの……それは二人の知られざる「宿命」だった。

11.ギフト(2009年)

あらすじ
忙しさの中で見落としている「贈り物」をあなたへ。たとえば海の明るさに、手の温もりに、なにげないひとことや一本道に、あの人のジャケットに、ときには助けられることがある。なんでもない日々の中、『ギフト』はいつも私たちのかたわらにある。第1回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞、『カフーを待ちわびて』の著者が贈る、珠玉のショートストーリー。

評価5/10

何気ない日常に見つけるささやかな幸せを感じるショートストーリーが積み重ねられていて、ホロリと感じさせられたり、温かな気持ちにさせられたり、なんだか小さな幸せに出逢えたような気分になります。

1話1話たった数ページの作品にこんなにも心を掴まれるのかと思うほどに、思いっきり感動させられましたね。

 

12.翼をください(2009年)

あらすじ
聞記者の翔子は、資料室で1939年に世界初の世界一周を成し遂げた「ニッポン号」の写真を見つけた。翔子はプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、カンザスへと飛ぶが……。

13.インディペンデンス・デイ(「独立記念日」に改題)(2010年)

あらすじ
恋愛や結婚、進路やキャリア、挫折や別れ、病気や大切な人の喪失……。
さまざまな年代の女性たちが、それぞれに迷い悩みを抱えながらも、誰かと出会うことで、何かを見つけることで、今までは「すべて」だと思っていた世界から、自分の殻を破り、人生の再スタートを切る――。
寄り道したり、つまずいたりしながらも、独立していく女性たちの姿を鮮やかに描いた、24の心温まる短篇集。

14.星がひとつほしいとの祈り(2010年)

あらすじ
時代がどんなに困難でもあなたという星は輝き続ける。売れっ子コピーライターの文香は、出張後に立ち寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め――「星がひとつほしいとの祈り」。このほか、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。

評価 6/10

7編も入ってるので、1話は50ページもなくてすごくあっさりしてるのだけど、描かれてる情景がとても味わい深い作品が多かった。

とても物静かで、その土地の情景と主人公の心が凄く繊細に感じ取れるんですよね。

何かに迷ったら、旅をするといいと思う。

思い出の地でも、全く知らない土地でも、そこに行くだけで感じることがきっとある。

各地の情景を感じながら、旅好きの原田さんだからこその描ける世界。

特に「長良川」のタイトルの作品が好きでした。

 

15.本日は、お日柄もよく(2010年)

あらすじ
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!

評価 8/10

「言葉」の魔法に酔いしれる素敵な1冊。

「言葉」は人の心を動かす事も出来るし、それによって時代を動かす事が出来る。

そんな事を改めて思いしらせてくれました。

スピーチをする機会のある方や言葉をもっと大事に扱いたい、人に伝わる言葉を話したいと思う方には凄くお勧めな1冊ですね。

 

16.風のマジム(2010年)

あらすじ
ほんとうにあった夢物語契約社員から女社長に――実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!風の酒を造りたい!まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として――。

17.いと 運命の子犬(2011年)

あらすじ
日本でもやっと認知度が高まってきた「介助犬」。その候補犬でありながらキャリアチェンジした「いと」のその後を描く、心温まる物語

18.小説 星守る犬(2011年)

あらすじ
仕事も、家も、家族も失った男が旅にでた。最後のパートナーに選んだのは愛犬・ハッピー。長い散歩を終えたときに交わされた、「ありがとう」の言葉がいつまでも胸に響く――日本中が涙した大ヒット漫画を、『楽園のカンヴァス』の著者が渾身の小説化。

19.まぐだら屋のマリア(2011年)

あらすじ
東京・神楽坂の老舗料亭「吟遊」で修業をしていた紫紋は、料亭で起こった偽装事件を機にすべてを失った。料理人としての夢、大切な仲間。そして、後輩・悠太の自殺。逃げ出した紫紋は、人生の終わりの地を求めて彷徨い、尽果というバス停に降り立った……。過去に傷がある優しい人々、心が喜ぶ料理に癒され、紫紋はどん底から生き直す勇気を得る。

20.でーれーガールズ(2011年)

あらすじ
1980年、岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかり。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされていた。ところが、恋人との恋愛を自ら描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、二人は急速に仲良しに。漫画に夢中になる武美に鮎子はどうしても言えないことがあって……。大切な友だちに会いたくなる、感涙の青春小説。

評価7/10 

岡山出身のマハさんが描いた郷土愛の詰まった青春小説。

個人的な話になるけど、岡山で高校までの18年過ごしたので読んでて本当に懐かしかった話。

岡山弁全開で殆どの人には理解できないかもしれないけど、岡山に少しでも馴染みがある人にはでーれーお勧めです。

 

21.永遠をさがしに(2011年)

あらすじ
世界的な指揮者の父とふたりで暮らす、和音十六歳。そこへ型破りな“新しい母”がやってきて――。親子の葛藤と和解、友情と愛情。そしてある奇跡が起こる……。音楽を通して描く感動物語。

評価 6/10

とても優しい青春映画みたいな小説でした。

 

22.楽園のカンヴァス(2012年)

あらすじ
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。

評価 7/10

とにかく構成が良く出来た話で、結構作品の時間軸がズレるのですが、これがとても巧妙で時折タイムスリップした気分で当時の様子を絵画と共に感じられるんです。

特に二人の読んでいる古書に描かれた物語全7章。

これを読んでいる時のタイムスリップ感が凄い

当時の様子や絵を描いてる苦労。楽しさ。など背景的なものが全て伝わって来て、一体どんな絵なのかが気になるんです。

でも、実際にどこまで実話なのか分からない位に謎に隠された物語。

特に「夢をみた」という作品には凄い魅力を感じました(この絵はフィクションらしいです。)

最後まで読むと間違いなく美術館でルソーやピカソの絵を見に行きたくなりますね。

ちなみに表紙の絵がルソーの「夢」だったみたいです

 

23.旅屋おかえり(2012年)

あらすじ
あなたの旅、代行します! 売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった――。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。

24.生きるぼくら(2012年)

あらすじ
いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた―。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく

評価 7/10

祖母を思い出してジーンと来るし、ラストまで非常に心温まる展開で読んで良かった。

ほんと人間模様を描くのが上手いです。

 

25.ジヴェルニーの食卓(2013年)

あらすじ
ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。

26.総理の夫(2013年)

あらすじ
待ったなしの日本にさっそうと現れた―史上初の女性総理、わが妻・凛子、君を守る!山本周五郎賞作家が贈る、政界エンターテインメント&夫婦愛の物語。

27.ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言(2013年)

あらすじ
ある一つの望みを未来に託し、ジョルジュ・サンドは永遠の眠りにつく。その昔、彼女は滞在していた古城で美しいタピスリーに魅入られた。そこに描かれた貴婦人が夜ごとサンドの夢に現れ、震える声で語りかける。「お願い、ここから出して」と──。「貴婦人と一角獣」に秘められた物語が今、幕を開ける。

28.翔ぶ少女(2014年)

あらすじ
1995年、神戸市長田区。震災で両親を失った少女・丹華は、兄妹とともに医師のゼロ先生に助けられる。復興へと歩む町で、少しずつ絆を育む一家を待ち受けていたのは、思いがけない出来事だった―。『楽園のカンヴァス』の著者が、絶望の先にある希望を温かく謳いあげる感動作。

29.太陽の棘(2014年)

あらすじ
私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―。終戦直後の沖縄。ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。

30.奇跡の人(2014年)

あらすじ
盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女が弘前の旧家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた去場安は、その少女、介良れんに出会った。大きな苦難を背負った少女と、人間の可能性を信じて彼女の教育に献身する女教師、ふたりの長い闘いがはじまった――。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者、渾身の感動傑作!

31.あなたは、誰かの大切な人(2014年)

あらすじ
勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独の内に他界した父。つまらない人間と妻には疎まれても、娘の進路を密かに理解していた父の最後のメッセージとは…(「無用の人」)。歳を重ねて寂しさと不安を感じる独身女性が、かけがえのない人の存在に気が付いた時の温かい気持ちを描く珠玉の六編。

評価 6/10

こちらは短編集ですが、人と命に迎えて情景を美しく感じられる素敵な作品。

もう少し歳を重ねたらもっと共感できるでしょう。

 

32.異邦人(2015年)

あらすじ
「美」は魔物―。たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗画廊で、一枚の絵に心を奪われる。強い磁力を放つその絵の作者は、まだ無名の若き女性画家だったのだが…。彼女の才能と「美」に翻弄される人々の隆盛と凋落を艶やかに描く、著者新境地の衝撃作。

33.モダン(2015年)

あらすじ
モダン・アートの聖地、ニューヨーク近代美術館――MoMA。ピカソ、マティス、ルソー、ワイエスなど20世紀絵画の巨匠たちの作品が綺羅星のごとく並ぶこの美術館を舞台に、アートを愛するさまざまな人の夢や苦悩、人生の決断を描く。アート小説の名手たる著者の真骨頂にして、もっとも都会的な短編集。

34.ロマンシエ(2015年)

あらすじ
有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生光晴という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが、ある大きな転機が訪れる。

評価 7/10

原田さんの描いた珍しいラブコメディ。

夢中になって読めて、最高に笑えて、愛が詰まった作品でした。

ラノベに近い感じなので、原田さんのアート作品が苦手でも読みやすいです。

個性豊かな登場人物たちと、夢物語の様なフィクションだけど、映画観ている様で心地のいいテンポで物語は進み、いろんな意味でドキドキさせられて感情を揺さぶられる展開は流石でしたね。

 

35.暗幕のゲルニカ(2016年)

あらすじ
ューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。

評価 7/10

ピカソの「ゲルニカ」を題材にした史実を元にした時空を超えた物語です。

まさか「ゲルニカ」という一枚の絵で、こんなにも壮大な物語が作られるとは原田さんならではの手腕。

無知なわたしはただの不気味な絵だと思ってたんだけど、これ読んで戦争に絵筆で対抗したピカソの反戦への想いがとても伝わりました。

見る人によって全然違う受け取り方になるアートだけど、その作品の生み出された背景を頭に入れてるだけで見方が変わるんですね。

また一つアートの奥深さが知れました。

 

36.モネのあしあと 私の印象派鑑賞術(2016年)

あらすじ
マネ、ドガ、ルノワール。誰もが知る「印象派」だが、モネの《印象―日の出》が「印象のままに描いた落書き」と酷評されたのがはじまりだ。風景の一部を切り取る構図、筆跡を残す絵筆の使い方、モチーフの極端な抽象化など、まったく新しい画法で美術界に旋風を巻き起こしたモネ。その波乱に満ちた人生を、アート小説の旗手が徹底解説。

37.デトロイト美術館の奇跡(2016年)

あらすじ
ピカソやゴッホ、マティスにモネ、そしてセザンヌ。市美術館の珠玉のコレクションに、売却の危機が訪れた。市の財政破綻のためだった。守るべきは市民の生活か、それとも市民の誇りか。全米で論争が過熱する中、一人の老人の情熱と一歩が大きなうねりを生み、世界の色を変えてゆく――。大切な友人や恋人、家族を想うように、アートを愛するすべての人へ贈る、実話を基に描かれた感動の物語。

38.リーチ先生(2016年)

あらすじ
1954年、大分の小鹿田を訪れたイギリス人陶芸家バーナード・リーチと出会った高市は、亡父・亀乃介がかつて彼に師事していたと知る。―時は遡り1909年、芸術に憧れる亀乃介は、日本の美を学ぼうと来日した青年リーチの助手になる。柳宗悦、濱田庄司ら若き芸術家と熱い友情を交わし、才能を開花させるリーチ。東洋と西洋の架け橋となったその生涯を、陶工父子の視点から描く感動のアート小説。

39.サロメ(2017年)

あらすじ
世紀末ヨーロッパで一世を風靡した作家オスカー・ワイルド、彼の戯曲『サロメ』に悪魔的挿画の数々を提供した夭折の画家オーブリー・ビアズリー、姉で女優のメイベル・ビアズリー。この三人の関係が、史実という大樹に絡みつく蔓草のようなフィクションに彩られる。

発端は現代のロンドン。ワイルド研究家がビアズリー研究家に、新発見の「サロメ」の絵を見せる。それは有名なクライマックスシーン、つまりサロメが預言者ヨハネの首に接吻する瞬間を描いた、紛れもないビアズリー真筆であったが、しかしその生首の顔はヨハネではなかった。

では一体誰なのか?

40.アノニム(2017年)

あらすじ
ジャクソン・ポロック幻の傑作「ナンバー・ゼロ」のオークション開催が迫る香港。建築家である真矢美里は7人の仲間とともに会場へ潜入した。一方、アーティストを夢見る高校生・張英才に“アノニム”と名乗る謎の窃盗団からメッセージが届く。「本物のポロック、見てみたくないか?」その言葉に誘われ、英才は取引に応じるが…。才能の出会いが“世界を変える”1枚の絵を生み出した。華麗なアート・エンタテインメント!

41.たゆたえども沈まず(2017年)

あらすじ
19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画
商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇跡の出会いが〝世界を変える一枚〟を生んだ。読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。

評価 8/10

パリの街の雰囲気はもちろんのこと、当時の文化の移り変わりと、その時代に奮闘していた日本人の関わり方が非常に物語を面白く仕上げていて、絵に興味がなくても先が気になって仕方がなかったです。

日本の浮世絵が海を超え、こんな形で影響を与えてたんですね。

驚きと発見の連続で、知識があると絵画を見る目が変わります。

生きてる間に絵が売れなかった作家。

ゴッホという画家の生涯はこんなにも悲しく儚かったとは思いませんでした。

 

42.いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画(2017年)

あらすじ
アート小説の旗手として圧倒的人気を誇る原田マハが、自身の作家人生に強い影響を与えた絵画はもちろん、美術史のなかで大きな転換となった絵画や後世の芸術家に影響を与えた革新的な絵画などを厳選。画家の思い、メッセージ、愛や苦脳を、作家ならではの視点で綴る。『楽園のカンヴァス』でモチーフとなったルソー、『ジヴェルニーの食卓』で描かれたモネ、『暗幕のゲルニカ』のピカソといった、原田作品ではおなじみの絵画はもちろん、古典、日本画、現代アートを含む全二六点を掲載。豪華カラー図版収録。

43.スイート・ホーム(2018年)

あらすじ
幸せのレシピ。
隠し味は、誰かを大切に想う気持ち――。
うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店で繰り広げられる、
愛に満ちた家族の物語。

44.常設展示室(2018年)

あらすじ
、いつでもあなたを待っている。人生の岐路に立つ人たちが辿り着いた世界各地の美術館。巡り会う、運命を変える一枚とは――。故郷から遠く離れたNYで憧れの職に就いた美青は、ピカソの画集に夢中になる弱視の少女と出会うが……(「群青 The Color of Life」)ほか。アート小説の第一人者が描く、極上の6篇。

45.ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯(2018年)

あらすじ
生前一枚しか絵が売れず、三七歳で自殺したフィンセント・ファン・ゴッホ。彼は本当に狂気の人だったのか? その死の真相は? アート小説の第一人者である著者が世界的謎を追う。フランス各地に残されたゴッホのあしあとを辿り、努力家でインテリ、日本に憧れ続けた「人間・ゴッホ」の魅力を再発見。旅のお供にも最適な名解説。

46.やっぱり食べに行こう(2018年)

あらすじ
小説、アートと同じくらい「おいしいもの」が大好き!な著者が 『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』『たゆたえども沈まず』などの取材先で食べた「思い出の一品」をつづる満腹エッセー集。

47.フーテンのマハ(2018年)

あらすじ
モネやピカソなど、美術にまつわる小説をはじめ、精力的に書籍を刊行する著者、その創作の源は旅にあった!? 世界各地を巡り、観る、食べる、買う。さあ、マハさんと一緒に取材(!?)の旅に出よう!

48.美しき愚かものたちのタブロー(2019年)

あらすじ
すべては一枚の絵画(タブロー)から始まった。あのモネが、ルノワールが、ゴッホが!国立西洋美術館の誕生に隠された奇跡の物語。

評価 8/10

今まで読んだアート小説は画家に焦点を当ててますが、今回は美術館を作る為に尽力した男達のお話。

アート寄りの歴史小説って感じで、ちょっと今まで読んだのとは方向性が違って最初は進まなかったですが、謎が繋がる後半は一気に読むスピードが加速しましたね。

あの有名な松方コレクションは、どのようにして集められたのかというのが史実に基づいて描かれてます。

史実としてこの話の内容を日本人なら知っておいて欲しいなと思うくらいに素晴らしい情熱の物語でした。

これ読んだら確実に国立西洋美術館に行きたくなりますよ。

 

49.原田マハの印象派物語(2019年)

あらすじ
愛すべき愚かものたちのセブン・ストーリーズ。モネ、マネ、ドガ、ルノワール、カイユボット、セザンヌ、そしてゴッホ。光満ちあふれ、幸福な色をたたえる名画誕生の陰には、画家たちの壮絶な闘いのドラマがあった。貧しくても、どん底に落ちても、志高く新しい道を切り拓いていったそのあしあとをたどって、アート小説の名手が紡ぐ、7つの物語。モネの愛したノルマンディーへの旅も。

50.20 CONTACTS 消えない星々との短い接触(2020年)

あらすじ
私はある日、私からの挑戦状を受け取った。―20名の巨星との“接触”を開始すべし。―アート、文学、映画、マンガ…巨匠たちの創作の秘密を解き明かす、書き下ろしアート短編集。

51.風神雷神(2020年)

あらすじ
20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画、天正遣欧使節団の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に書かれた「俵…屋…宗…達」の四文字だった―。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路…。天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!?アートに満ちた壮大な冒険物語。

評価 8/10

歴史を超え、大海原の大冒険を描いた原田マハさんのアート小説。

フィクションなのにノンフィクションかと思える様なリアルで、想像力を引き立てる世界は、本当に旅してる様な楽しさ。

俵屋宗達、織田信長、天正遣欧少年使節、ローマ教皇・・・時代設定を上手く絡ませた展開は、ワクワクが止まらない壮大さがあってページを捲る手が止まらなかったね。

絶対あり得ない話だけども、小説としてこんな事があったら面白いなと思わせる展開が見事でした。

 

52.〈あの絵〉のまえで(2020年)

あらすじ
どこかの街の美術館で小さな奇跡が今日も、きっと起こっている。人生の脇道に佇む人々が“あの絵”と出会い再び歩き出す姿を描く。アート小説の名手による極上の小説集。

53.現代アートをたのしむ 人生を豊かに変える5つの扉(2020年)

あらすじ
アンディ・ウォーホル、シンディ・シャーマン、エルネスト・ネト、ハンス・ハーケ、ビル・ヴィオラ、大竹伸朗、高嶺格など、著者がお薦めする作家の作品群をカラーで掲載するとともに、美術館や展覧会の楽しみ方を女子トークでご案内。
単行本『すべてのドアは、入り口である。』を大幅に加筆・修正。こんなときだからこそ、おうちでじっくり美術鑑賞をしてみては。

54.ハグとナガラ

あらすじ
恋も仕事も失い、絶望していたハグ。突然「一緒に旅に出よう」と大学時代の親友ナガラからメールが届いた。以来、ふたりは季節ごとに旅に出ることに。
人生の成功者になれなくても、自分らしく人生の寄り道を楽しむのもいい。心に灯がともる六つの旅物語。

評価 7/10

さいはての彼女から続くハグとナガラの旅物語をまとめた短編集。

歳を重ねる有り難みを感じる温かい絆を感じられる素敵な小説です。

 

55.キネマの神様 ディレクターズ・カット (2021年)

あらすじ
『キネマの神様』映画化に際し山田洋次監督は自身の若き日を重ねて脚色。そのシナリオから著者が新たに生み出すもうひとつの物語。

56. リボルバー

あらすじ
パリ大学で美術史の修士号を取得した高遠冴(たかとおさえ)は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務している。週一回のオークションで扱うのは、どこかのクローゼットに眠っていた誰かにとっての「お宝」ばかり。
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。

「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」 「――殺されたんじゃないのか? ……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」

ゴッホとゴーギャン。

生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。

評価 7/10

物語はゴッホが自殺に使ったと言われる拳銃がオークション会社に持ち込まれるのですが、その真相を突き止めるために調査を始め、ゴッホとゴーギャンの真相を追っていく展開。

フィクションと分かっていても、めちゃくちゃ引き込まれる原田さんの巧さはお見事。

天才たちの嫉妬と尊敬の入り混じる感情が、痛いほどに切ない物語を作っていくのですが、本当にそうであったかの様に思えてしまうからすごいです。

今作もアートを学びながら、歴史を紐解いて楽しませてくれて、どんどん絵に興味を持たせてくれました。

 

57.丘の上の賢人

あらすじ
売れないタレント・おかえりこと丘えりかは、依頼人に代わり旅をする「旅の代理人」。秋田での初仕事を終え、次なる旅先は北海道──ある動画に映っている人物が、かつての恋人か確かめてほしいという依頼だった。依頼人には、初恋を巡るほろ苦い過去があって……。『旅屋おかえり』未収録の、幻の札幌・小樽編が待望の書籍化。北海道旅エッセイ&おかえりデビュー前夜を描いた漫画も収録した特別編!

評価 6/10

旅屋おかえりの続編登場。

今回は、ある動画がきっかけとなり、かつての恋人を探す旅に出ます。

美味しいものを食べながら、依頼人の思い出の場所を巡る旅。

色々と北海道を想像しながら、ごちそうさまって気分にさせてくれます。

旅の結末は読んでのお楽しみですが、きっと期待を裏切らないでしょう。

 

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