東野圭吾さんの作品全部網羅した大ファンの私が紹介する2013年の作品の感想レビュー。
この年は久々の当たり年。「無幻花」「祈りの幕が下りるとき」「疾風ロンド」こんなにも短期間で名作が揃うのも凄いです。
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東野圭吾 2013年発売の作品の紹介
無幻花
あらすじ
花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。遺体の第一発見者である孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップする。
それを見て身分を隠して近づいてきたのが、警察庁に勤務するエリート・蒲生要介。ふとしたことから、その弟で大学院生の蒼太と知り合いになった梨乃は、二人で事件の真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた……。
レビュー 評価8/10
「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない――」と筆者が語る位にこの作品のプロットは考え込まれてます。
まず、タイトルからは内容が予想もつきませんからね。
購入してからのわくわく感が高いって事だけでも読者には嬉しいです。
読み始めても二転三転する話に先が全く読めない展開が待ってます。特にプロローグからの流れと意味深な時代の流れはね。
謎が謎を呼び、ラストに向かって久しぶりに予想もしないような展開で持って行かれました。
流石としか言いようの無い作り込まれた作品にめちゃくちゃ痺れます。
ラストのエピローグまでしっかりと読んで貰いたい作品です。
祈りの幕が下りる時
あらすじ
悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。
極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。
レビュー 評価9/10
帯に書かれた「東野圭吾という名の謎」「2013年エンターテイメント界最大のサプライズ」と言う言葉以外まともに宣伝が無く、読み始めるまでどんな話か分からなかった本書。
普通の殺人で始まり、捜査をしていく過程で出会った人物・・・そう「加賀恭一郎」なんですね。
本書では今まで語られてこなかった、彼の母親に関する謎が殺人の捜査と共に発覚していきます。
なぜ彼は本庁の一課から日本橋暑に移動になったのか。
母親はなぜ家を飛び出し、仙台で亡くなったのか。
今まで明かされなかった真実が知らされるわけです。
事件自体は平凡なのですがこの殺人の裏にある凄まじい親子の絆の真実やこの事件に絡ませた加賀恭一郎の物語がもう凄い。
「容疑者Xの献身」並みに驚きは無かったですが、今までの作品からここに繋げて来るのかと思わされると「新参者」辺りからの流れが納得できます。
でも、全10作の物語となった「加賀恭一郎」が遂に終わってしまいました。
物語の涙と共にシリーズの終わりに涙した事は間違いありません。
ファンとしては加賀刑事の今後のお話はぜひ書いて欲しいと願います。
疾風ロンド
あらすじ
『白銀ジャック』から3年。
拡散すれば人々を大量死に陥れる威力をもつ生物兵器K-55が盗まれた!
引き換えに3億円を要求する犯人からの手がかりは、スキー場らしき場所で撮られたテディベアの写真のみ。しかも犯人との交渉が突如不可能に!
圧倒的なスピード感で二転三転する事件のゆくえ、読者の予想を覆す衝撃の結末に酔いしれろ!
レビュー 5/10
いきなり文庫で登場した『白銀ジャック』の続編。
東野さん得意の雪山物語です。まさかこの設定を物語化するとは予想して無かったですね。
それなりの物語ではあるのですが、内容的には過去と比べても少し軽くて、薄いエンターテイメントって感じのライト向けの作品になってます。
現状映画にはなっていますが、映像化を狙って描いたんじゃないかと思う様な物語です。
2013年は当たり年
「祈りの幕が下りる時」と「夢幻花」は甲乙付け難い位の名作ですが、やはり10作の「加賀恭一郎シリーズ」を長年楽しんできたので加賀さんの生き様にポイントが高かったです。
終わってしまうのは悲しいのですが、また新たなキャラの誕生に期待したいです。
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