宮下奈都「羊と鋼の森」感想 とても静かな音の森に感じる素晴らしき世界

 

宮下奈都さんの本屋大賞受賞作である「羊と鋼の森」を読みました。

ピアノの調律師と言うマニアックな題材でありながら、人の成長する姿と仕事への情熱や生き方など色んな素晴らしい世界を教えてもらえるとても素晴らしい作品でした。

あらすじや感想をどうぞ。

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宮下奈都「羊と鋼の森」

あらすじ

ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。

感想 評価8/10

ピアノと言えば昨年の本屋大賞受賞した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が思い浮かぶのですが、今回の話はピアノ二ストではなく、その裏側を支える調律師と言う職業。

ピアノは仕様環境や練習の頻度によって酷使されて、音がどんどんズレてしまう。

それを定期的に直すのが調律師と言う職業らしい。

直すと簡単に買いてしまったが演奏者のレベルに合わせたり、出したい音の希望を叶えて形にするのも調律師のレベルによっては可能で、その実力を認められた者はプロのピアニストの世界ツアーなんかにも呼ばれるらしい。(もちろん読み終えた後の知識である)

 

そんな調律師になる主人公の外村は、高校時代にふとしたきっかけでその現場に遭遇する。

そのふとした出会いのお陰で調律師を目指す事になるのだ。

人生というモノは運命の出会いによって、簡単に形を変えてしまうのだと思うのだけど、こんな素晴らしい出会いは嬉しいモノだと思う。

 

物語はあっという間に調律師となった姿を描くのだけど、そこからは苦悩の連続である。

非常に濃度が低く、日常的な物語が淡々と綴られていく起伏の少ない中盤。

そんな普通の日々なんだけど、特別なものを持ってない主人公は苦しむのです。

成長する姿、葛藤する姿を見守る先輩達や双子の姉妹なんかのお陰で自分の進むべき道がどんどん照らされていき圧巻のラストかな?と思ってたけど、そこも結構平坦な終わり方。

まぁスーパーヒーローでもなければ、天才でもないわけで、報われる人全てどんな規模の幸せがあるか分からないよねと納得。

盛り上がりは薄いけども、とても素晴らしい作品に魅力的な人物像だと思いました。

芯を持ったプロの職人に出会える人生はとても羨ましいですね。

本屋大賞はハズレがないです。

(MIYATAKE)
音の世界も素晴らしいけど、隠れた功績も見て欲しいと知るきっかけになった。作品は関わった人すべてに感謝したい

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