今野敏「隠蔽捜査」シリーズのおすすめ 青島刑事もビックリの警察小説!

ドロドロとした組織で描く人間模様や男らしさ全開の刑事など、色んなタイプが見受けられる警察小説の中でもかなり異質な物語。

今野敏「隠蔽捜査シリーズ」のご紹介です。

隠蔽捜査シリーズ

・隠蔽捜査(2005年)

・果断 隠蔽捜査2(2007年)

・疑心 隠蔽捜査3(2009年)

・初陣 隠蔽捜査3.5(2010年)スピンオフ短編集

・転迷 隠蔽捜査4(2011年)

宰領 隠蔽捜査5(2013年)

・自覚 隠蔽捜査5.5(2014年)スピンオフ短編集

・去就 隠蔽捜査6(2016年)

作者 今野 敏(こんの さとし)

1955年、北海道生まれ。

1978年にデビュー。

2006年に「隠蔽捜査」で第27回吉川英治文学新人賞受賞

2008年に『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞受賞、第61回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。

ジャンルとしては警察小説・SF・アクションなど。

隠蔽捜査の魅力

元々警察庁の官僚であった主人公の竜崎がある降格人事を喰らい、2作目以降警察署の署長となります。

竜崎の正しい事を当たり前にやると言う信念と縦社会の警察組織の絡みがとても面白い。

2作目からは、降格人事がもたらす階級のズレとキャリアである事の立場が他の人間と絡まって非常に面白い働きをします。

主人公を取り巻く環境のサブキャラ達の存在がまた光っているんですね。

警察の内部の人間ドラマを描いた一級のエンターテイメント作品です。

作品紹介

隠蔽捜査

あらすじ

(竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく

レビュー 評価7/10

物語の始まりは警察庁の官僚。竜崎はもちろん東大卒のエリート官僚。

珍しく現場寄りではないキャリアのお話です。

エリートらしく正論並べて全然面白くないキャラかと思いきや、物語が進むうちにその正義感の魅力が真っ直ぐすぎて素敵に思えてきます。(だから変人扱いされます)

こんな人が日本を守ってくれてたらと思う様なカッコいい主人公。

不祥事の件でもほんとに不器用だとしか思えないけど、そこがまたいいんです。

次巻への物語の展開が早くも望まれる名作でした。

読まれる方は必ずここから読みましょう。

・果断 隠蔽捜査2

あらすじ

長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立する。異例ながら、彼は自ら指揮を執った。そして、この事案は解決したはずだったが――。警視庁第二方面大森署署長・竜崎の新たな闘いが始まる。

レビュー 評価7/10

前回からの続きで、降格人事を喰らい大森署の警察署長となった竜崎。

いきなりの強盗事件発生で、方面本部長や刑事部長などとの絡み・人間模様がとてもギスギスして面白い。

特に幼馴染で同期の伊丹刑事部長の存在は、このシリーズ通して大きなポイントです。

正しい事をすれば必ず正義は勝つんだなと思うラストにもとても救われます。

続編としても、1冊の本としてもとてもお勧めの1冊です。

疑心 隠蔽捜査3

あらすじ

アメリカ大統領の訪日が決定。大森署署長・竜崎伸也警視長は、羽田空港を含む第二方面警備本部本部長に抜擢された。やがて日本人がテロを企図しているという情報が入り、その双肩にさらなる重責がのしかかる。米シークレットサービスとの摩擦。そして、臨時に補佐を務める美しい女性キャリア・畠山美奈子へ抱いてしまった狂おしい恋心。竜崎は、この難局をいかにして乗り切るのか?―。

レビュー 評価5/10

大統領訪日と言う特別警戒の大事な任務を任された竜崎署長。

その秘書に就いた女性キャリアに惚れてしまう。

竜崎も男だったんだと思える葛藤が描かれているが、全体的にはシリーズの中で一番面白くなかったかな。

事件以上に竜崎の恋が事件の中心となっている物語。

転迷 隠蔽捜査4

あらすじ

大森署署長・竜崎伸也の身辺は、にわかに慌しくなった。外務省職員の他殺体が隣接署管内で見つかり、担当区域では悪質なひき逃げ事件が発生したのだ。さらには海外で娘の恋人の安否が気遣われる航空事故が起き、覚醒剤捜査をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んでくる。次々と襲いかかる難題と試練――闘う警察官僚竜崎は持ち前の頭脳と決断力を武器に、敢然と立ち向かう。

レビュー 評価8/10

外務省職員の殺人・航空機の墜落・麻取りとの対立。

2転3転するテンポのいい話が、ラストに向かって解決する様はとても気持ちがよい。

前半の謎が、後半一気に解決に向かう流れはミステリーとしても楽しめます。

常に上の者と正しい意見交換をする竜崎の有り方が見ててスッキリします。

流石は隠蔽捜査シリーズと言うべき完成度の高さを持った良作です。

宰領 隠蔽捜査5

あらすじ

<引用>

衆議院議員が行方不明になっている。伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと本庁に入電が。発信地が横須賀市付近という理由で、警視庁・神奈川県警の合同捜査が決定。指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。反目する二つの組織、難航する筋読み。解決の成否は竜崎に委ねられた!

レビュー 評価7/10

国会議員の誘拐に始まり、犯人の逃走で分かった神奈川県への潜伏。

警視庁vs神奈川県警の確執を如何にして上手く無くし、事件を挙げる事が出来るのか?が非常に面白かった。

展開的にはもう既にシリーズ特異の物が出来上がってしまっているが、物語の広げ方や人間模様の有り方は毎回楽しませて貰えます。

去就 隠蔽捜査6

あらすじ

続発するストーカー殺傷事件を防ぐべく、大森署にも対策チームが新設された。だがその矢先に管内で女性連れ去り事件、さらに殺人が勃発。ストーカーによる犯行が濃厚になる中、捜査の過程で署長・竜崎は新任の上役と対立してしまう。家庭でも娘にストーカー騒動が発生、公私で勇断を迫られた竜崎の去就は……激震走る第八弾。

レビュー 評価6/10

期待通りの作品である事は間違いなく、いつもの竜崎節全開のストーリー。

物語はマンネリ化してるのだけど、そこに期待している自分がいます。

ある程度予想の範囲内での言動や事件の起こり方なのですが、今回はなんか刺激が足りなかった。

大森署と言う中では、そろそろ限界かなと感じる部分もあり、タイトルやラストの感じからそろそろ異動もあって欲しいなと願います。

2冊のスピンオフ物語

初陣―隠蔽捜査3.5」と「自覚: 隠蔽捜査5.5」に関しては完全に物語の流れを知った上で順番に読むのがお勧めです。

初陣―隠蔽捜査3.5」の方は伊丹刑事部長の物語で、時折竜崎が登場しアドバイスや叱りつけたりする様なお話。伊丹の弱い部分が書かれています。

自覚: 隠蔽捜査5.5」はサブで登場してるキャラがメインのお話。

大森署のメンツや野間崎や畠山などのサイドストーリーで、もっとこの話が好きになる事間違い無しの作品になってます。

ドラマ化もしています

隠蔽捜査シリーズは、なんとドラマ化もしています。

こちらは常に「隠蔽」をテーマに作られてしまい、変な物語の展開の仕方で本作品の面白みや魅力が抜けてしまってる気がします。

常に伊丹刑事部長といる姿も不自然過ぎてかなりおかしくしていますね。

どうせ観るのなら、小説から読まれるのをお勧めします。

他にも警察小説シリーズが

今野さんは警察小説のシリーズ物がとても充実しています。

短編集で楽しめる物や本格的な長編シリーズもあるので、またご紹介します。

読書するならKindleお勧めです。

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