寺地はるな「やわらかい砂のうえ」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

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寺地はるなさんの「やわらかい砂のうえ」を読みました。

なかなか響く人の多い作品なんじゃないかと思う描写が見事な作品で、特に女性の想いはこんな風にって感じで共感度たかそうな小説。

感想や名言を紹介します。

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寺地はるな「やわらかい砂のうえ」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

寺地はるな「やわらかい砂のうえ」あらすじ

砂丘の町で育った万智子は大阪の税理士事務所で働く24歳。

顧客のウェディングドレスサロンのオーナー了さんに頼まれ、週末だけお手伝いのアルバイトをすることに。

了さんに連れていかれた「あつまり」で万智子は美しくてかっこいい年上の女ともだちに出会う。

そんなある日、サロンに早田さんという男性が現れ、人生はじめての「恋」のときめきを感じる万智子だったが…。

きれいになるのは誰のためかをぜったい間違えたらあかんで―自分を好きになりたい万智子の、小さな勇気を抱きしめたくなる成長物語。

感想 評価 7/10

先日「水を縫う」を読んだばかりの寺地さんの他の作品が読みたくて、最新の作品を読んでみました。

自分を好きになれなくて、自信がなくて、他人にも簡単に心が開けない主人公

俗に言うめんどくさい人って思われるタイプの人間なんだろうけど、めちゃくちゃ心の内面を描くのが上手くて、ハッとされる場面とか、描写が多かった。

これって価値観の違いだけじゃ解決できない、本人にしか無い違和感が沢山詰まってるんだよね。

分かって欲しいけど、無難を選んでしまう自分が嫌になる。

だからそんな自分が嫌いになる。 こんな想いをしてる沢山いるよね

 

お正月やお盆でさえ一年に一度しか来ないのに、早田さんの恋愛の機会は半年に一度でも少ないのだろうか。「そろそろ彼女が欲しい」と言う口調に「もうそろそろこの財布も買い替え時かなー」みたいな軽さを感じた。

彼の「半年彼女がいない」って一言に対しての心情を表した、この表現はお見事でしたね。

女性にはかなり共感する部分があると思うし、男性には過去に見過ごした過ちを反省する部分が沢山あるだろうと思う。

あの時の怒りの意味は、過去のあのワンシーンにありますって。 こうやって減点されていくんやと思うわ。

 

あんたが自分の思う「正しい生きかた」を実践するのは勝手やけどな。 それを盾に他人を裁くのはどうなん。ちょっと傲慢なんとちゃう?
その人の好きな部分だけじゃなく、嫌いな部分もすべて受け入れて許さないと、友だちにはなれへんのやろか

ほんと面倒くさいよなぁと最後の最後まで思うこの心情。

もっと素直になれたらいいのに、それって本当の自分じゃ無いんだろうね。

本音で言いたいけど、言えない自分が嫌いになる。

 

友達に力を貸すのに、理由なんかいらないだろ。

父の言った、とっても大切な一言。

ちょっとした事なんだけど、やっぱり言葉って人に勇気を与えたり、時には傷つけたりもする訳だからナイフと同じなんだよね。

でも、それだけ本音で語れる存在って大事なんだと思う。

 

「わたし、なにかが正しいとか、自分はこうする、とかっていう方針はぜったい持っておかないといけないものだと思ってた。今も思ってる」

「でも、それはただ自分が歩くための靴なんだよね。他人を殴るために使っちゃいけないんだって」

最後に大事なことに気づいた主人公。 自分の核となる部分に正直に生きるって大切ですね。

 

人はひとりでは生きていけない、なんて言うけど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。

ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣を歩いてる人を信じる。

自分の足でしっかり立つ。

自分を信じて、他人を信じれる人間になるって大人になっても難しいこと。

でも、この物語を読み終わる頃にはきっと、自然とそれができる自分がいると思う。

 

「自分に自信をもつ」ということは「わたしは美しい」と思えるという意味ではなかったと気づく。
わたしがわたしのまま世界と対峙する力を持つ、ということなのだ。

やわらかい砂のうえというタイトル。

鳥取砂丘をイメージして、主人公の心情を表した絶妙な作品。

 

「自信持つぞ、って自分で決めて持ったらええねん。わたしはそうしてるで。そうしてきた」

関西弁で描かれる世界は、ちょっと軽くて、受け入れやすい感覚で好きでした。

寺地さんの心情の細かな表現力と絶妙な言葉選びには本当にハッとさせられます。

次に読む作品も楽しみです。

 

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