
2025年に読んだ本を紹介するコーナーです。
今年読んだ本をリアルタイムに更新しますので、今読んでる本や気になる本などの感想を参考にしてください。
読書記録と感想をどうぞ。
2025年に読んだ本全て紹介[おすすめ読書・感想]
新川帆立「女の国会」
敵対関係にありつつも、ある法案については共闘関係にあった与党議員・朝沼侑子が自殺したのだ。
「自分の派閥のトップも説得できていなかったの? 法案を通すつもり、本当にあったの?」
死の前日の朝沼への叱責が彼女を追い詰めたのではないかと批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてしまう。
だが、長年ライバル関係を築いてきた高月には朝沼の死がどうも解せない。
朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し、共に死の真相を調べることに
評価 7/10
ある女性議員の死の謎を解くミステリー。
まだまだ男性が優位である政治の世界で生きる女性達の葛藤と、社会問題がテーマとなってます。
まだまだ男性優位な政治家の中で、女性達の立場って本当に厳しいと思わされる‥。
女性作家ならではの視点もあって、女性が生き抜くための生き様をより感じさせられる描き方でしたね。
エンタメ要素盛り盛りでドラマを観てる感じで脳内再生できるタイプの小説なんだけど、ミステリーの部分もしっかりとあって、ラストはあっと驚かされます‥。
瀬尾まいこ「そんなときは書店にどうぞ」
「こんなに魅力的で楽しい場所があったのか」と。
そんな書店さんとの思わず笑ってしまうエピソードの数々と、水鈴社創立第1作である『夜明けのすべて』が映画化された際の、出演者や監督との交流などの様々な思い出を、瀬尾さんらしい軽妙なエッセイにまとめました。
評価 7/10
大好きな瀬尾さんの新作は、本屋大賞を受賞したあとの書店回りの話を中心としたエッセイです。
もうめちゃくちゃ笑いました。
小説も意図せぬ会話の視点のツボがあるんだけど、エッセイだとより赤裸々に人間性が出ているので関西人パワー2割マシで笑いました。
出版社の営業さん、編集さんとエピソードとか、書店員さんとのエピソードの自虐と謙遜があり過ぎて人柄がめっちゃ出てるんですよね。
「夜明けのすべて」の映画化エピソードとか出てきて、映画観てないわたしとしては気になり過ぎております。
山口未桜「禁忌の子」
評価 8/10
医者が主人公で、ある日搬送された水死体の顔が自分と瓜二つだったという衝撃の始まり。
そんな気持ち悪いことあるのか?と思いながら、先の展開を予想していましたがやっぱり出生が絡んでくるとこういう展開だよな…と思っていたらラストの衝撃よ。
そこまで予想してなかった事実が明かされた時の驚き方は、久しぶりに心がザワついたね。
本格医療ミステリーとしてはかなり分かりやすいし、物語の読みやすさもデビュー作とは思えない感じでしたね。
物語の後半はかなり重いので、イヤミスが好きな人におすすめです。
今村翔吾「幸村を討て」
亡き昌幸とその次男幸村――何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される東西両軍。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫ぶ。「幸村を討て!」と……。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。
評価 7/10
歴史物なのにミステリーかと言う感じで、章を追うごとに謎を解いていく語りの構成が非常に面白い。
織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永など各武将たちの思惑が交差する感じは、歴史を知っていてもワクワクするし、己の野望のための腹黒い感じはなんともいえない現代にも通じる人間らしさが詰まってる。
最後に笑うのは家康なのか?って感じで、最後の最後まで目が離せないのは本当に見事です。
益田ミリ「近くも遠くもゆるり旅」
馴染みの旅先があるのはいいものだ。
行ったことのないところへ旅して見たいな。
と思ったときの、涼やかな気持ちもいいものだ。
つまらない旅はない。
たぶん、なにかはつまっている。
近くも、遠くもゆるゆると。
評価 6/10
今作もゆるくて発見の詰まった自分にはない感性の旅の目的。
中でもポーランドとスイスの旅は羨ましすぎる目的地です。
物価高くても、鉄道に乗って直で見てみたいものです。
日本だと私的泊まってみたい場所No.1の「沢田マンション」が出てきたことに驚きました。
他にも函館とか、軽井沢とか行きたいんだよね。
毎回読んでてツッコミどころの多い旅の目的や目的地なんだけど、今回も参考になりました。
夏川草介「スピノザの診療室」
評価 8/10
舞台が京都ということもあり、地理的にすごく身近な場所で起こる医療ドラマの数々がとても日常的で人の生を感じました。
命を助けるだけじゃなく、しっかりと患者の意思に従って措置をしていくだけでも葛藤ってあるでしょう。
マチ先生みたいな人の気持ちに寄り添って、ちゃんと人に向き合える姿勢はすごく安心できるだろうな。
甘党なマチ先生も含め、周りの先生たちまで人間味が溢れている作品でした。
これはアメリカの話や南先生とのこれからなど、シリーズが続いて欲しいポイントありすぎて絶対続きが読みたい作品でした。
アンソロジー「あえのがたり」
残念ながら、小説を読むだけでは暖を取ることも、おなかを満たすこともできません。
ですが、いつか、魂を励まし、心に寄り添える力が物語には宿っていると信じています。
奥能登地域の農家では、古くから稲作を守る“田の神様”を祀り、感謝をささげる「あえのこと」という儀礼が行われてきました。
「あえ=おもてなし」、「こと=祭り」をあらわします。
物語によるおもてなし「あえのがたり」のために集まったのは、今、もっとも新作を待たれている10人の小説家。
10人の作家による、1万字の物語によるおもてなしをご堪能下さいませ。
評価 6/10
10人の人気作家さんによるアンソロジー。
能登の震災への取り組みで書かれた短編集で、各25ページくらいの短い作品なのに流石のクオリティーでどれもこれも、泣かせたり、ほっこり気分にさせてくれる物語なのはプロの技。
荒木あかねさんの「天使の足跡」が切なすぎたのにすごく前に進む気持ちにさせてくれたエピソードでした。(これが読みたいが為にこの本残しておきたい気持ちです)
今村昌弘さんの「予約者のいないケーキ」や麻生競馬場さんのカレーの話もオチも含めて好きでした。
短編過ぎると記憶に残りにくいのであまり読まないんですが、時間ない時にサクッと読めて物語がしっかりしているのですごくいい作品でした。
このプロジェクトの在り方含めて応援したいので、ぜひ皆さん本屋で購入して読んでみてください。
湊かなえ「C線上のアリア」
評価 8/10
自分を育ててくれた叔母さんが要介護となり、施設に入るのをきっかけに久しぶりに育った家に戻る主人公。
ゴミ屋敷となった家を片付けをする中で見つけた開かない金庫。
その町で過ごした記憶と今が交差して、とてもミステリアスな展開に入り込んでいきます。
湊さんらしいどう転ぶかわからない謎の金庫の存在と、その行方は物語をとても面白くして、最後まで読むペースや期待値を下げない上手さがあります。
でも、ちょっと時代感が古いかな?
今とはかなりずれている印象もあり、昔の人は本当に苦労しただろうなと、親世代を思ってしまいます。
最近読んだ湊さんの作品では間違いなく一番面白かったです。
村山由佳「PRIZE」
――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。
過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの?
評価 8/10
数ある文学賞の中でも、世間の注目を浴びる直木賞、芥川賞。
その直木賞をどうしても獲りたい売れっ子作家が主人公。
この方承認欲求の欲がすごくて、傲慢で、自分勝手で、明らかに価値観が古い。
本屋大賞を受賞し、出版する本はベストセラーになる売れっ子なのに直木賞は2度ノミネートして落選。
いくら本が売れようが直木賞を受賞して、世間から認められたと喉から手が出るほどに賞を欲する。
任された担当編集者も、彼女と時間を共にする毎に侵食されていく様子が、欲深い愛が詰まっている感じがした。
作家が作家を描くので当然リアルなんだけど、周りにいる出版社の人達の言動とかも現場を感じてしまいます。
編集者も新人を扱うのと、大御所を扱うのでは大変さや心労が全然違うだろうな。
選考委員の先生とかもフラットな目線で推すんだろうけど、何度もノミネートされてたらそろそろ受賞させて楽にさせてあげようか‥と情が出そうだけどね。
毎回謎な受賞作品が多い直木賞だけに、きちんとした受賞の理由がわかると見方が変わって面白いなと思いました。
主人公の性格の悪さが目立つ作品だけど、行動に破壊力人があり人間の欲深さとか、欲で狂っていく様が上手く描かれているし、直木賞に対する理解が深くなるのでとても興味深く読めました。
染井為人「正体」
評価 8/10
映画化した話題作は、あらすじ見て確かに面白そう!ってことで読んだのだけど、非常にスリリングで最後の最後まで目の離せない作品でした。
登場人物一人一人の描き方がいいので主人公だけじゃなく、周りの人たちにも感情移入できるし、その中でも孤高の存在の主人公が光っているんですよね。
これは絶対映像の方でも楽しみたいなと思っています。
染井為人「悪い夏」
評価 6/10
映画化した「正体」が話題の作者の人気作品。
あらすじから重い系の作品かと思いきや、エンタメ寄りの非常に分かりやすい作品でした。
ごく普通の青年が負の連鎖により、取り返しのつかない悲劇を生むストーリー展開はお見事。
まさに喜劇だなって思うくらいにバッドエンドの結末までのスピード感があって、あっという間に読めました。
青山美智子「遊園地ぐるぐるめ」
評価 7/10
青山さんの遊園地を舞台にした作品。
今までの作品と違うのは、装丁を担当する田中達也さんのミニチュアアートを見て作品を作られたということ。
アートがアートを作り、更にそれを読んだ田中さんが本書に出てくるミニチュアを作られています
読み終わった後にその短編の印象的なシーンが再現されているので、ページを捲る楽しみが尽きなかったです。
小説って妄想の世界をより引き立ててくれる印象的な作品になってます。
こちらも連作短編でその場にいる人たちの人生がすれ違っているんだけど、多面的に物事を見ることができるので、自分視点と他人視点の見え方が違ってハッとさせられる瞬間がいっぱいあります。
前回の人魚もそうですが、悩んでいる人たちが読むと幸せになれる作品です。
町田そのこ「月とアマリリス」
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。
評価 8/10
今までの作風と異なるのかな?と思っていたけど、今までの延長に重厚なドラマと流石の心理描写があってどんどん引き込まれる展開は見事。
遺体の人物特定から、犯人探しまで目が離せなかったです。
取材の仕方や事件の全貌がかなりリアリティあるし、何よりも色んな歪みが切なすぎました。
毎日事件ばかりが報道されてすぐに記憶から消えていく日々を過ごしているけど、1つの事件の中にこんなにも深い闇が隠れているんだと思うと改めてゾッとしてしまいます。
原田ひ香「月収」
欲しいもの、不要なもの、そして、
お金では買えないもの――。
評価 6/10
今回は「月収」のタイトルの通りに月収〇〇万円の女性が主人公の連作短編。
起業家の女性を中心に稼ぎかたの学びがあったり、お金の使い方に学びがあったり人それぞれのお金に対する不安や悩みを目にすると自分毎に色々考えます。
特に月収300万円の起業家の悩みって、お金じゃないところにあるので悩みって尽きなくて、生きるって難しいよねって思ってしまう。
「自分のためだけに生きるには、一生は長すぎるってわかった」
この言葉はアラフォーのわたしもすごく共感できる域になりました。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。
評価 8/10
プロポーズを受けた翌日に彼が盗撮で捕まった。
彼は何故そんなことをしたのか。
彼の気持ちを知ろうとすればする程に彼や周りの人間の言葉で冷めていく。
彼を嫌いになったわけじゃないのに、大好きなのに。「生理的に無理」
彼の方は性犯罪者となった日から自分に対する見方が変わってしまう。
ただの出来心なのに、触ったわけじゃないのに…と自分の犯してしまった罪の重さを噛み締めていく。
女性側の視点では彼に対する愛の傾き度合いの心情がとても緻密に描かれていて、すごく細かいことなんだけど、他者の言葉に対して違和感を抱いてしまう様がリアルでした。
他者からすると「そんなこと?」って感情を大事にするんだけど、彼のことは最後まで泣くほどに好きだったという…。
今野敏「署長シンドローム」
そんな『隠蔽捜査』でおなじみの竜崎が大森署を去り、後任として、キャリアの藍本小百合がやってきた。
ある日、管轄内の羽田沖海上にて、武器と麻薬の密輸取引が行われるという知らせが入るーー新署長の手腕や、如何に?
評価 6/10
竜崎署長の去った大森署にへ新たに赴任した藍本小百合署長。
持ち前の美貌と少し天然なほんわかキャラで、捜査官たちを手玉に取る手腕は警察小説の中でも異質。
貝沼副署長目線で展開される今作は、隠蔽捜査シリーズの王道とはまた別の面白さを含んで何度か笑えるシーンもありましたね。
個人的には戸高が好きなので、どんな形でも大森署内がクローズアップされる作品が読みたかったし、今後またどこかで繋がる展開が期待できて面白いんじゃないかと思います。
メインキャラ一人が入れ替わるだけで、またこんな魅力が出るとは続きが楽しみです。
今野敏「署長サスピション」
するとそれを見越してか、怪盗フェイクがSNSで犯行予告!「大森署の署長室にあるお宝を頂く」なんと日時指定までしてきたのだった。
はたして藍本たちは、大胆不敵な謎の怪盗から、署長室の金庫に眠る大金と、警察の面子を守り切れるのかーー!?
評価 6/10
今回は、怪盗が犯行予告を出して署長室に盗みに入るという今までにない事件が起こります。前回の麻取や新キャラの登場でなかなか賑やかで、副所長の胃が痛い様なことの連続でしたが、流石に話の展開が上手い今野さん。
何度も勘違いさせるドラマ性の高い感じで、最後まで楽しませてくれました。
結論、期待値上げずにこのシリーズはエンタメとして読むのが一番かなと。
染井為人「正義の申し子」
評価 5/10
YouTuberと悪徳業者を題材にした今っぽい話。
染井さんなのでテンポ良くて非常に読みやすく、エンタメ度も高いんだけど、今まで読んだ作品よりも非常に内容が薄くて面白かったで終わる感じが残念でした。
山本ゆり「ひたひたまで注いでコトコト煮詰めた話」
評価 6/10
相変わらずに面白い、クスッと笑って、グフフと笑って、大爆笑のツボの多さ。
日常のエピソードってその時は覚えていても、いざ思い出すとこんなに細かく出てこなくてほんと尊敬します。
比喩も具体的で同い年にはとても刺さるし、毎回めっちゃ「わかる」「こんな人おるよね」の連続です。
いつも以上にレシピの紹介が多くて、読み応え抜群なエッセイ+レシピ集って感じで、非常にお買い得な1冊です。
今村翔吾「じんかん」
主人を殺し、将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くすーー。
悪名高き戦国武将・松永久秀の真実の顔とは。
評価 7/10
物語は、織田信長の語る悪名高き”松永久秀”の生涯。
信長が理解者として、謀反を起こされても許しを得たという男は、こんなにも世のため、人のために生きていたのかと思う描かれ方が印象的でした。
多聞丸との出会いがエピソードからグッと来るんだけど、多聞城を建て、日夏のその後の話に至るまで上手く繋がってますね。
今村さんの作品どれもにいえることだけど、圧倒的に面白くて読者をその時代に連れて行って楽しませてくれる没入感が凄まじいです。
まるで歴史上の人物を間近で見て、対話しているかの様な瞬間もあるんですよね。
物語を通じて人の生きる意味を考えさせられる作品です。
そう思うとタイトルが秀逸ですね。
新川帆立「目には目を」
評価 6/10
今までの新川さんを想像していたら、全く違う作風になっているんですよね。
淡々と描かれていることで、その事件の重さが伝わってくるのですが、結構ごちゃつく少年たちの名前と相関関係が頭の中で整理しにくくて、ちょっと分かりにくかったです。
それでも、ラストの展開は予想していたものの、一体どうなるの?と噛み締めながら読んでました。
加害者、被害者、その家族たちの話って、法律では語れても、いざ当事者になってしまうとそんな簡単な話ではないのでね…。
真面目な犯罪小説を改めて読ませて貰ったことで、苦しみしか残らずにすごくやりきれない気持ちになりました。
阿部暁子「カフネ」
実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。
評価 8/10
家事代行業者によるボランティア事業を通して、自分を取り戻していく主人公の再生の物語。
誘ってくれた弟の元恋人せつなの作る料理が非常に印象的で、頭もお腹も満たされる要素がたっぷりあります。
でも、そんな美味しい物語ではなく、登場人物全員が闇を抱えていて、そのどれもがずっしりと重いのです。
最初の1行から違和感なのだけど、その理由と弟の死の真相がまた辛いんだよね。
ボランティア事業でお手伝いしに行くどの家庭にも事情は沢山あるし、苦労している姿がとても痛々しく伝わるのです。
かなりの複雑な要素を詰め込みながらも、上手く300ページくらいにまとめてあるのが読みやすくもあり、感動させる要素なのかなと思いました。(個人的には詰め込みすぎ感は否めないけど…)
早見和真「アルプス席の母」
補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。
評価 7/10
高校野球が題材で、親目線の作品って初めて読んだ気がするので新鮮だったけど、親の苦悩、我が子を思う気持ちが結構細かに描かれていて丁寧で、感情移入する場面も多かったです。
特に中〜高校生って急激に成長するので、寮に入って年に2度しか帰省できないとかってなると、こんな空気を感じるんだろうなとリアルに思えますが、高校生の男の子と母親ってこんなに話をしない気がするよね。
野球もできて、素直でいい子すぎるだろうと思いながら読みました…。
理想と現実は違っても、物語自体は感動するシーンが多くて、素直にまた読みたいなと思う作品です。
染井 為人 「震える天秤」
アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は認知症を疑われている。
事故を取材するライターの俊藤律は、加害者が住んでいた奇妙な風習の残る村・埜ヶ谷村を訪ねるが……。
「この村はおかしい。皆で何かを隠している」。
関係者や村の過去を探る取材の末に、律は衝撃の真相に辿り着く――。
評価 6/10
高齢者ドライバーによる事故をテーマとした社会派作品かと思って読んだら、結構謎が多く、そちらに引っ張られる形で事件の捜査をするジャーナリスト。
小さな村社会の中にある以上な人間関係とその復讐劇が最後の最後まで分からずに焦ったかった。
最後の選択でようやくタイトルの意味がわかった時に震えました。
染井さんは、「正体」が頭一つ抜けて面白かった。
瀬尾まいこ「ありか」
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。
評価 8/10
人なので感情で助けたいって思う時あるんだよね。
優しくされることに慣れていないと、そんな時どうしたら良いかわからない場合もあるけど、「ありがとう」の一言でいいと思う。
そんな瞬間が沢山ある物語。きっと自分も困ってる誰かに手を差し伸べて、背中を押してあげたくなる作品。
島本理生「天使は見えないから、描かない」
しかし信じていた夫が浮気相手を妊娠させ離婚し、その後、惰性で付き合った若い恋人とも別れてしまう。
子供の頃から抱く自らの叔父への歪な欲望に向き合った永遠子が気付いた唯一無二の愛とは。
評価 5/10
18歳差の叔父との恋愛。
わたしにはリアルすぎて感情移入できずに終わったけども、島本さんの文章が上手すぎて人を好きになる気持ちって自由なんだよなと最後には思ってしまいます。
実際に18歳差の姪がいるわたしには受け付けなかった…。
西尾潤 「マルチの子」
それは地獄への扉だった――。
認めてほしい。ただその一心で始めただけなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。
マルチ商法にはまった女性の“乱高下人生”をリアルに描いたノンストップサスペンス!
評価 6/10
巷でよく聞くマルチ商法を題材にした小説。
これでだけ注意喚起されていてもなぜ人はハマってしまうのか?という心理状況までも描かれた作品で、主人公はじめ周りの人間がマルチに落ちていく様が非常にリアルです。
認められたい一心で借金をしてでも売り上げを無理やり達成して登っていく姿は、本当に周りが見えなくなってるんだなぁと思ってしまいます。
自分や周りへの注意喚起も含めて人にお勧めしたい作品です。
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