直木賞作家であり、本屋大賞も受賞したの辻村深月さんの作品を刊行順にご紹介。
作品ごとに共通するキャラも居るので読む順番にも注意して見てください。
おすすめ作品や感想を交えて、全作品をご紹介します。
辻村深月 全作品一覧[読む順番・おすすめ・感想]
1.冷たい校舎の時は止まる(2004年)
評価6/10
3冊目に読んだ作品。
個性豊かな8人が学校に閉じ込められて、ある人の事を思い出す話。
ちょっとホラーにも似た展開もあって、ミステリー作風の中でゾクゾクしますが、ラストのしてやられた感がやっぱり気持ちよかったw
こちらはデビュー作という事でかなり丁寧に描かれていますが、かなり長すぎたかな。
最初に読むのは辛いと思うので、慣れてからの方がいいと思います。
2.子どもたちは夜と遊ぶ(2005年)
評価6/10
サイコパスの出て来る殺人ゲーム。
怖さよりも心理的な話で展開していくのだけど、前半の伏線が見事に後半に効いて来て、最後が予想の上をいく展開。
そんなに好きじゃない話でしたが、流石の辻村ワールドでしたよ。
3.凍りのくじら(2005年)
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う1人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。
評価8/10
一番最初に読むのに適した話という事で、初めての辻村作品。
繊細でなんか懐かしい感覚を思い出しながらホッコリする話。
主人公は好きになれないけども、物語はとても好きになれた。
ドラえもんに会いたくなるそんな作品。
ただ最初に読むには、あんまりおすすめしません。
4.ぼくのメジャースプーン(2006年)
評価7/10
先日読んだばかりの作品ですが、かなりお勧めです。
復讐とか罰等の社会派の物語なんだけど、とても考えさせられる展開で最後の最後まで面白かったです。
5.ドラことば 心に響くドラえもん名言集(2006年)エッセイ
6.スロウハイツの神様(2007年)
評価 8/10
「かがみの孤城」も良いけど物語としては、こっちの方が泣けて好きな話。
物語の展開がジワジワ効いて来るので、ラストに一気にひっくり返されてからの勢いが止まらない。
まさかこんなに泣かされるとは思わなかったね。
とても暖かい良い話です。
7.名前探しの放課後(2007年)
評価8/10
物語の展開が凄い練られて、最初から最後まで普通に読めば「良い物語だね」で終わる話も、ラストの数十ページで大逆転。
もう一度読んで納得の読者をミスリードする青春小説。
見事すぎて脱帽です。
8.ロードムービー(2008年)短編
9.太陽の坐る場所(2008年)
10.ふちなしのかがみ(2009年)短編
11.ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(2009年)
評価 6/10
辻村さんって優しい作品もあれば、ダークな人間のめんどくさい部分を言葉にした作品も書くんだよね。
こちらは、後者であり、重々しくて目を逸らしたくなる感情とか人間関係を非常に上手く描いています。
最初の方は、「何を読まされてるんだろう?」と思ってたけど、途中からこれはミステリーで有りながら、一人の人間の人生を描いてたんだって分かった時にはゾクゾクしてしまいました。
驚きあり、涙ありのちょっとイヤなミステリーです。
12.V.T.R.(2010年)
13.光待つ場所へ(2010年)短編
14.ツナグ(2010年)
評価 8/10
死者と繋がるちょっと不思議なファンタジー。
最後の最後まで見逃せない展開で、ラストが泣けますね。
15.本日は大安なり(2011年)
16.オーダーメイド殺人クラブ(2011年)
評価 6/10
独特のネーミングセンスが放った痛々しいタイトルだったけど、内容もかなり痛々しくもあり、青春真っ盛りのお話です。
やっぱり最後は裏切られるのかと、いい意味で辻村節を魅せてくれて、やっぱりハッピーエンドかと思わされましたね。
暗いし、長いし、重いしで、ちょっと敬遠してしまう作品だけど、青春のほろ苦さをハッと感じさせてくれる物語は、大人になってこそ読んで欲しいです。
17.水底フェスタ(2011年)
評価 4/10
ロックフェスに怪しい村の姿が、ミステリー感を出してましたが、読んで見るとなんか微妙にらしくない展開で、ラストまでイマイチなオチでした。
18.ネオカル日和(2011年)エッセイ
19.サクラ咲く(2012年)
20.鍵のない夢を見る(2012年)短編
どこにでもある町に住む、盗癖のあるよそ者の女、婚期を逃した女の焦り、育児に悩む若い母親……彼女たちの疲れた心を待つ落とし穴。
評価6/10
直木賞作品という事でしたが、個人的にはそんなにはまらなかった。
女性に向けた感じの作品なので、ウケ方がまた違うのかなと。
短編なので読みやすいです。
21.島はぼくらと(2013年)
22.盲目的な恋と友情(2014年)
23.ハケンアニメ!(2014年)
24.家族シアター(2014年)短編
評価 7/10
家族って、時に面倒でありながらも、自分の帰る場所であり、特別な場所でもある。
逃げ場がないからこその感情をうまく表現された作品の中に、温もりがありますね。
辻村さんて本当に女の子のちょっとした気持ちを拾って、表現するのが上手いですよね。
普段当たり前に接する家族の物語だからこそ、日常にある想いが詰まってるんだと思います。
25.朝が来る(2015年)
26.きのうの影踏み(2015年)短編
27.図書室で暮らしたい(2015年)エッセイ
28.東京會舘とわたし(2016年)
29.クローバーナイト(2016年)
30.かがみの孤城(2017年)
評価10/10
最新刊にして最高傑作の辻村ワールド。
作者独特の孤独感と闇を心に抱えた子供たちが出会った孤城。
その中で起こる1年の中で明かされる衝撃の事実に泣かされます。
31.青空と逃げる(2018年)
評価 6/10
日本の情緒とか風情を感じられて、人の温かさを感じれる作品。
途中までは凄く好きだったのですが、ラストがちょっと方向性を失った…。
連載ものなので、こんな感じなのかなと思います。
32.傲慢と善良(2019年)
評価 8/10
いつもよりも大人な辻村ワールドを堪能できる作品でした。
家庭環境とか、生まれる順番や性別とかで不本意な我慢とか要求とか色々あるだろうし、境遇って人それぞれ。
とてもリアルに感じられる部分が多くて、最後のシーンで泣けてしまった作品。
読む人によっては、きっと気持ちが救われる作品だと思います。
33.ツナグ 想い人の心得(2019年)
34.琥珀の夏(2021年)
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。
評価 7/10
白骨化死体が発見されて、一見ミステリーかと思って読んでいたのですが、めちゃくちゃ暗い話の割にスラスラ読めてしまって、一気に読み終わってしまいました。
間延びして長かった〜と思う場面もあるんだけど、「辻村さんすごい」と思わされる視点と子供たちの心理描写、内面のリアルさですね。
それにしてもカルト集団の中で、偏った価値観を教えられることって危ないけども、分別のつかない幼年期からだとより怖いものですよね。
Jの事件の時も思ったけど、中にいると完全に感覚が麻痺してしまうんだろう。
決して万人には面白くはない話だけど、伝えたい想いと描き方が見事な作品でした。
35.闇祓(2022年)
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!
36.噓つきジェンガ(2022年)
評価 6/10
出会い系アプリを使った詐欺、お受験詐欺、オンラインサロン詐欺と3編共通して今っぽいテーマでした。
どの話も不安な心と、拠り所を探したい気持ちに寄り添った見事な展開と、1と3話目なんかは主人公の心情の描き方が流石でしたね。
37.Another side of 辻村深月(2023年)
38.この夏の星を見る(2023年6月)
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
読む順番
辻村ワールドは作品の中でリンクしてるキャラが現れます。
そんな楽しみを逃さない為にも、出版社の方でお勧めの読書順です。
ただ初期の頃の作品はとても暗くて、長くて、非常に取っつきにくさもあるのであるので、最近の作品から読まれて面白かったら、後ほどこの辺の作品を読まれる方がいいと思います。
「かがみの孤城」は特にお勧めなので、一番に読んでほしい作品です。
個人的に読むべきおすすめは、
①かがみの孤城
②ツナグ
③スロウハイツの神様
この辺り気に入れば、初期の方の作品も読めるかと思います。
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