[2024年版] 西加奈子 全作品一覧を順番にご紹介(新作・おすすめ・感想随時更新)

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直木賞作家であり、大阪弁を放つ特徴的なお話で人気の西加奈子さん。

そんな彼女のビュー作「あおい」から最新作までのの全作品を刊行順に紹介します。

これから読む人もファンの人も、読んでない作品のチェックや発見に使って見てください。

西加奈子 全作品一覧を順番にご紹介(新作・おすすめ・感想随時更新)

1.あおい(2004年)

あらすじ
二七才、スナック勤務のあたしは、おなかに「俺の国」と称した変な地図を彫っている三才年下のダメ学生・カザマ君と四か月前から同棲している。ある日、あたしは妊娠していることに気付き、なぜか長野のペンションで泊り込みバイトを始めることに。しかし、バイト初日、早くも脱走を図り、深夜、山の中で途方に暮れて道の真ん中で寝転んでしまう。その時、あたしの目に途方もなく美しい、あるものが飛び込んでくる―。

<感想>

評価6/10

一番最初に読んだ物語がこれでした。

日常に落ちているキラキラやしたモノだったりを言語化してるのがなんか突き刺さった。

「あんたのことが、すきすぎるのよ」とストレートに言い放つ場面も好き。

なんだか癒しとは違うピュアな感情を頂けました。

 

2.さくら(2005年)

あらすじ
両親、三兄弟の家族に、見つけてきたときに尻尾に桜の花びらを
つけていたことから「サクラ」となづけられた犬が一匹。どこにでもいそうな家族に、
大きな出来事が起こる。そして一家の愛犬・サクラが倒れた–。

3.きいろいゾウ(2006年) 評価7/10

あらすじ
夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった―。

<感想>

評価6/10

むこさんとツマ。とても素敵な話。

こんな表現方法もあるんだなあと、読む人は選ぶだろうけどこの人の描く話は人を虜にさせる能力があると思いました。

見えてる世界、感じてるものをどうやったらここまで素敵に表現できるのだろうかな。

 

4.通天閣(2007年)

あらすじ
冬の大阪ミナミの町を舞台にして、若々しく勢いのある文体で、人情の機微がていねいに描かれていく。天性の物語作者ならではの語り口に、最初から最後までグイグイと引き込まれるように読み進み、クライマックスでは深い感動が訪れる。このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ささやかだけど暖かい灯をともす絶望と再生の物語。

5.しずく(2007年)

あらすじ
恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔とご機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり…。ふたりのやり取りを、可笑しく、そして切なさをこめて描く「木蓮」。恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った二匹の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。ほか、日だまりのように温かい「女ふたり」の六つの物語。

6.こうふく みどりの(2008年)

あらすじ
[「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」そう言った転校生のコジマケンが気になる緑は、まだ初恋を知らない十四歳。夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん、バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん、藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは―。二ヵ月連続リリース第一弾。大阪のとある街を舞台に、さまざまな形の“女のこうふく”を描いた、著者渾身の一作。

7.こうふく あかの(2008年)

あらすじ
結婚して十二年、三十九歳の調査会社中間管理職の俺の妻が、ある日、他の男の子を宿す話。二〇三九年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。この二つのストーリーが交互に描かれる。三十九歳の俺は、しだいに腹が膨れていく妻に激しい憤りを覚える。やがてすべてに嫌気がさした俺は、逃避先のバリ島で溺れかけ、ある光景を目にする。帰国後、出産に立ち会った妻の腹から出てきた子の肌は、黒く輝いていた。負けることなど考えられない王者、アムンゼン・スコットは、物語の最後、全くの新人レスラーの挑戦を受ける

8.窓の魚(2008年)

あらすじ
温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される―恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。

<感想>

評価6/10

いつもの西さんの調子とは違う作風で戸惑う一面もあるんだけど、とても繊細に描かれた物語の行方はある結末が待ってました。

あまりにも純文学寄りでしたが、相変わらずの空気感が素敵です。

 

9.うつくしい人(2009年)

あらすじ
他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書室で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた―。

<感想>

評価7/10

どこでも居そうな主人公の自意識過剰な女子の物語。

綺麗な情景で読んでてとても清々しいのだけど、閉ざされた心の内が開いていくとなんだかこの先どうなるのだろうと気になる物語。

とても日常の延長にありそうな痛い人の人生の1ページなんだけど、これ描く時の感情辛かったんだろうねと思ってしまう考えさせられた1冊。

10.きりこについて(2009年)

あらすじ
小学校の体育館裏で、きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。両親の愛情を浴びて育ったきりこだったけれど、5年生の時、好きな男の子に「ぶす」と言われ、強いショックを受ける。悩んで引きこもる日々。やがて、きりこはラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。きりこが見つけた世の中でいちばん大切なこととは?読者からの熱烈な支持を受け、ついに文庫化。

11.炎上する君(2010年)

あらすじ
散歩中に拾った、自分と同じ機種の携帯電話。その携帯に届いたメールに何の気なしに返信した私は、返ってきた温かいメールに励まされ、やがて毎日やりとりを始める―(「空を待つ」)。我々は足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて―(「炎上する君」)。何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす愛らしい物語

12.白いしるし(2010年)

あらすじ
女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった―。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか?ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。

13.円卓(2011年)

あらすじ
公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。

14.漁港の肉子ちゃん(2011年)

あらすじ
男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい―キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。

<感想>

評価9/10

今の所、西さんの最高の1冊。

非常に評価高い本なのですが、実際これ見て泣けない人なんて居ないと思う。

笑えない人なんていないと思う。

それ位肉子ちゃんを好きになるし、もっと人を好きになると思う1冊です。

 

15.地下の鳩(2011年)

あらすじ
大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く「吉田」は、素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく(「地下の鳩」)。オカマバーを営む「ミミィ」はミナミの人々に慕われている。そのミミィがある夜、客に殴り掛かる(「タイムカプセル」)。賑やかな大阪を描いて人気の著者が、街の「夜の顔」に挑んだ異色作。

16.ふくわらい(2012年)

あらすじ
暗闇での福笑いを唯一の趣味とする編集者の鳴木戸定。愛情も友情も知らず不器用に生きる彼女は、愛を語る盲目の男性や、必死に自分を表現するレスラーとの触れ合いの中で、自分を包み込む愛すべき世界に気づいていく。

17.ふる(2012年)

あらすじ
池井戸花しす、二十八歳。職業はアダルトビデオへのモザイクがけ、趣味はICレコーダーでの隠し録り。「いつだってオチでいたい」と望み、過去を愛おしみ、誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日だった。だがそんな彼女に訪れた変化とは―。過去、現在、そして未来が、新しい「今」とつながる、奇跡の物語。

<感想>

評価6/10

今と「新たな人生」を巡る、なんか面白いテイストの作品。

ふわふわしながら、色んな言葉や感情がふってくる。

派手さはないけど、何だか大切なことを思い出させてくれる様な小説です。

 

18.舞台(2014年)

あらすじ
太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまで平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に―。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編。

<感想>

評価6/10

これもう最高の話ですよね。

人間のプライドと若者の生き方に共感できるのであれば、恥ずかしくもあり、強く生きようと思うきっかけを与えてくれる話です。

 

19.サラバ!(2014年) 評価7/10

あらすじ
僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。

<感想>

評価8/10

己の世界の自分探しの旅。

「あなたが信じるものを誰かに決めさせてはいけないわ」

主人公の決めた道の行方にあまりにも途方のない道のりを感じつつも、そこに戻ることでの自分の人生を取り戻せる覚悟を持った行動。

長々と描かれている話だけど、人間らしくて自由でいいなぁと思いました。

20.まく子(2016年)

あらすじ
小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。

21.i(2016年)

あらすじ
この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!

22.おまじない(2018年)

あらすじ
大人になって、大丈夫なふりをしていても、
ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。
それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。
悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編

23.夜が明ける(2021年)

あらすじ
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった……。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。

評価 9/10

貧困、虐待に過酷な労働環境や人間関係での苦しみまで、現代社会が抱える問題がテーマ。

ページをめくればめくるほど落ちていく暗い夜の闇の中。

途中何度も辛くなってしまう場面もあり、読み手もこの作品と向き合う勇気を試されてるかのような気分になります。

ラストの展開は見事で、救いの言葉に感情を持っていかれたし、読んだあとはざわつきが止まらなくて、心穏やかじゃない気分になったけど、この本に出逢えてよかったと思える素晴らしさがありました。

24.わたしに会いたい(2023年)

あらすじ
『くもをさがす』の西加奈子が贈る、8つのラブレター。
この本を読んだあと、あなたは、きっと、自分の体を愛おしいと思う。
「わたし」の体と生きづらさを見つめる珠玉の短編小説集。

エッセイ作品

ミッキーかしまし(2007年)

あらすじ
テヘラン生まれ、エジプト・大阪育ちの「ミッキー」。その波瀾万丈、驚天動地、抱腹絶倒の日々。自由奔放なイラストも楽しい脳みそつるつるエッセイ。

ミッキーたくまし(2009年)

あらすじ
奇人変人になごみ、バリの海で溺れ、愛猫モチにメロメロ、世の中はあんびりばぶるなことばかり。それでもミッキーは、かしましく、たくましく生きてます。

 

この話、続けてもいいですか。

あらすじ
テヘランで生まれカイロと大阪で育った著者が、小説の舞台となった大阪のこと、いろんな人との関わり、日々の生活で思ったこと、こだわること、などを縦横無尽に語る。『ミッキーかしまし』『ミッキーたくまし』をテーマ別に整理しなおし1冊にまとめた、著者唯一のエッセイ集。世界とのかかわり方、楽しみ方、その存在の強度が圧巻。小説の根っこが顔を覗かせる。

ごはんぐるり(2013年)

あらすじ
カイロの卵かけごはんの記憶、「アメちゃん選び?」は大阪の遺伝子、ひとり寿司に挑戦、夢は男子校寮母…美味しオカしい食エッセイ。

まにまに(2015年)

あらすじ
私って、生きてきたんだなぁ。嬉しくても悲しくても感動しても頭にきても泣けてくるという、喜怒哀楽に満ちた日常、愛する音楽・本への尽きない思い…。『サラバ!』で多くの人に「信じる勇気」を与えた西加奈子の6年分のエッセイがギュッと詰まった一冊。

くもをさがす(2023年)

あらすじ
『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。

絵本

絵本 きいろいゾウ(2006年)

めだまとやぎ(2012年)

きみはうみ(2015年)

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