2025年3月に買った本、読んだ本

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2025年3月に買った本、読んだ本、行った本屋さんのまとめ。

2025年3月に買った本、読んだ本

3月に行った本屋さん

  • ブックファースト エミル高槻店(大阪)

  • BOOKOFF 3号バイパス新宮店(福岡)

  • 三洋堂書店 市橋店(岐阜)

  • 柳正堂書店 甲府昭和イトーヨーカドー店(山梨)

  • 相模原のローソン(神奈川)

今月は出張ついでに立ち寄る程度の本屋さんしか行けなかったですね。

相模原のローソンは、入ってみると半分が書店になっていてコンビニ入ったのに本がめっちゃ売っててビックリしました。

月に1度は梅田の紀伊国屋書店本店に行きたいんだけど、買い物行く用事も時間も作れなかったので非常に残念。

購入した本

  • 町田そのこ「月とアマリリス」

  • 青山美智子「遊園地ぐるぐるめ」

  • 原田ひ香「月収」

  • おづまりこ「ゆるり 愛しのひとり旅」

  • 魚豊「ようこそ!FACT」1~4巻

  • 原泰久「キングダム 75」

  • 三浦糀「アオのハコ 19」

  • 遠藤達哉「SPY×FAMILY 15」

 

新刊の情報を追えていないので、本屋に寄ったタイミングで好きな作家さんの新作をチェックして購入しています。

小説は月5冊くらいしか読めていないので、極力5冊以内の買い物で我慢。

読めない本が溜まるのは嫌なので、極力積読は減らしたいです。

 

読んだ本

村山由佳「PRIZE」

あらすじ
​ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。
――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。
過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの?

今月のイチオシの1冊。

直木賞がどうしても欲しい作家のエゴが詰まっていて、編集者と共に狂ってイカれてた。

主人公の性格は難ありだし、時代感も古いけど、狂気じみた感じに清々しさもありました。

まとめた感想は下記

数ある文学賞の中でも、世間の注目を浴びる直木賞、芥川賞。

その直木賞をどうしても獲りたい売れっ子作家が主人公。

この方承認欲求の欲がすごくて、傲慢で、自分勝手で、明らかに価値観が古い。

本屋大賞を受賞し、出版する本はベストセラーになる売れっ子なのに直木賞は2度ノミネートして落選。

いくら本が売れようが直木賞を受賞して、世間から認められたと喉から手が出るほどに賞を欲する。

任された担当編集者も、彼女と時間を共にする毎に侵食されていく様子が、欲深い愛が詰まっている感じがした。

作家が作家を描くので当然リアルなんだけど、周りにいる出版社の人達の言動とかも現場を感じてしまいます。

編集者も新人を扱うのと、大御所を扱うのでは大変さや心労が全然違うだろうな。
選考委員の先生とかもフラットな目線で推すんだろうけど、何度もノミネートされてたらそろそろ受賞させて楽にさせてあげようか‥と情が出そうだけどね。

毎回謎な受賞作品が多い直木賞だけに、きちんとした受賞の理由がわかると見方が変わって面白いなと思いました。

主人公の性格の悪さが目立つ作品だけど、行動に破壊力人があり人間の欲深さとか、欲で狂っていく様が上手く描かれているし、直木賞に対する理解が深くなるのでとても興味深く読めました。

月とアマリリス

あらすじ
​北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。

町田さんらしい現代社会の問題を詰め込んだ様なサスペンス小説でした。

一人暮らしのボケてきた老人たちが狙われている詐欺の様子を見ていると、後期高齢者となった親たちとのコミュニケーションの大事さを感じてしまいます。

まとめた感想は下記

記者人生で深い傷を負った主人公が地元に帰っていた際に起きた遺体遺棄事件。
自分と同じ名前の「みちる」の文字が書かれたメモが残されていたのをきっかけに遺体の身元を探っていく。

今までの作風と異なるのかな?と思っていたけど、今までの延長に重厚なドラマと流石の心理描写があってどんどん引き込まれる展開は見事。
遺体の人物特定から、犯人探しまで目が離せなかったです。
取材の仕方や事件の全貌がかなりリアリティあるし、何よりも色んな歪みが切なすぎました。

毎日事件ばかりが報道されてすぐに記憶から消えていく日々を過ごしているけど、1つの事件の中にこんなにも深い闇が隠れているんだと思うと改めてゾッとしてしまいます。

 

青山美智子「遊園地ぐるぐるめ」

あらすじ
​青山美智子さん作品の装丁を数多く手掛けている田中達也さんのアート作品。今回は「田中さんの作品を見て青山さんが物語を執筆し、その物語を読んで田中さんがさらにアートを作成する」という、楽しさに満ちた小説です。

青山さんの作品は毎回クサいなぁ〜と思う台詞はいっぱいあっても、読んで良かったと思う気持ちで溢れてしまいます。ほんと前向きな気持ちになれます。

遊園地で思い出すのは、寺地さんの「ほたるいしマジカルランド」なんだけど、あれも群像劇として印象的でした。

まとめた感想

今までの作品と違うのは、装丁を担当する田中達也さんのミニチュアアートを見て作品を作られたということ。
アートがアートを作り、更にそれを読んだ田中さんが本書に出てくるミニチュアを作られています。
読み終わった後にその短編の印象的なシーンが再現されているので、ページを捲る楽しみが尽きなかったです。
小説って妄想の世界をより引き立ててくれる印象的な作品になってます。

こちらも連作短編でその場にいる人たちの人生がすれ違っているんだけど、多面的に物事を見ることができるので、自分視点と他人視点の見え方が違ってハッとさせられる瞬間がいっぱいあります。
前回の人魚もそうですが、悩んでいる人たちが読むと幸せになれる作品です。

染井為人「悪い夏」

あらすじ
​26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす! 

「正体」がスリリングで面白かったので、社会派ぽいこちらも読んでみたけど、予想していたよりもドラマみたいなエンタメ寄りの作品でした。

ただストーリーの結末までのスピード感と、転落劇の悲壮感はお見事でした。

 

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