本屋さんが「今、いちばん売りたい本!」を選ぶ本屋大賞は、2004年から始まりました。
毎年受賞作のノミネートから発表までは、書店やSNSで盛り上がる文学賞以外でのイベントとなってます。
今回はそんな本屋大賞を受賞した歴代作品の紹介とあらすじと感想を並べてみました。
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[2022年版]本屋大賞歴代受賞作のあらすじと感想をまとめて紹介
本屋大賞とは?
全国の書店員さんが「今、いちばん売りたい本!」を選ぶ本屋大賞。
2004年から始まった本屋独自の企画で、年を重ねる毎に認知度も広まってます。
ノミネート10作品を選ばれ、そこから大賞が発表される流れで、その年を代表する本が選ばれます。
どれもハズレのない名作ばかりで、本を読む時の参考にもなり本屋大賞作品を知っておくと話のネタにもなるのでお勧めです。
全作品とあらすじは、こちらで紹介して居ます。
本屋大賞の歴代作品
2021年(18回)町田その子「52ヘルツのクジラたち」
たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。
そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。
どんなクジラの話かと思って読み出したら、親に虐待を受ける子供の辛い話。
もう胸が苦しくなる様な辛すぎる展開の連続・・・。
途中で本を投げ出したくなる気分なんだけど、なんとか頑張って読みきった。
最後に確かに光はあった。
救いはあるけど、物語としては終始暗い気持ちにさせられる哀しさが詰まってる悲痛の人間ドラマでした。
いつまでも貰ってばかりじゃいかんのよ。親になれば、尚のこと。」
おばあさんの名言。
人として大事なものを忘れてはいけないと深く思いました。
2020年(17回)凪良ゆう「流浪の月」
評価 8/10
2020年の本屋大賞受賞作品です。
前年の「そして、バトンは渡された」に続いてまたとんでも無い物語が大賞となりましたね。
と言っても物語の切り口はとてもシリアスで、途中で何度も読むのを止めたくなる辛さ。
そして、めちゃくちゃ嫌な奴が出てくるのに何度も嫌気がさしてくる・・・。
普通って事に対して悩み、見放され、社会から突き放される虚しさがとにかく辛い。
何が普通なのか分からないけど、当人たちの強さが希望をくれる光である。
ラストの「たくさん幸せになってね」って言葉にボロボロ泣かされました。
2019年(16回)瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」
評価 9/10
母親2人、父親3人と言う想像も出来ない設定の物語ですが、巧みな会話と人間味溢れるキャラの持ち味がとても面白く描かれております。
親の離婚ってネガィブにしか思えないのにこんなにも明るく受け止められて、何に繋がりも無い人達から愛情を注がれる子供の存在が凄いです。
明日が二倍にできるなんて、すごいと思わない?」
森宮さん最高でした。梨花さんの想いにも泣かされるし、最後まで本当に温かいお話です。
2018年(第15回)辻村深月「かがみの孤城」
評価 10/10
辻村さんの最高傑作だと思う、様々な要素が詰め込まれた辻村ワールドが体験できます。
また子供の孤独で暗い話か…と読み始めた物語も、その孤独を超えて自分の世界を破れるきっかけを与えてくれるドラえもんの様な素晴らしい物語が出来上がってるんだなと感動してしまいましたね。
辻村ワールド独特の孤独感と、闇を心に抱えた子供たちが出会った孤城が舞台で、その中で起こる1年の中で明かされる衝撃の事実に泣かされます。
あまりにも世界に没頭できるので、あの分厚い本もあっという間に読めます。
2017年(第14回)恩田陸「蜜蜂と遠雷」
評価 8/10
大好きな恩田陸さんは、常に最高傑作の上をいく新刊が出てきます。
現時点での最高傑作は直木賞&本屋大賞を受賞したこちら。
もう、キラッキラの物語で、音楽が綺麗に溢れてる物語が文字だけで聴こえてくる様な内容です。
流石恩田さんと言える繊細で無駄のない文章は、疲れる事なく次々と読み進める事ができます。
読んだ後の余韻に浸りながら、彼らの音楽にまた触れたいなと思いました。
2016年(第13回)宮下 奈都「羊と鋼の森」
評価 7/10
ピアノの調律師を目指した男の成長と葛藤を描いた物語。
普段クローズアップされない調律師というアンダーグラウンドの話ですが、めっちゃ緻密に描かれていて世界観が凄い。
苦悩の中での成長過程だったり、自分の出来る事に一生懸命に打ち込むのっていつの時代もキラキラしてるよね。
芯を持ったプロの職人に出会える人生はとても羨ましいですよ。
2015年(第12回)上橋菜穂子「鹿の王 」
評価 8/10
本屋大賞としては今までで唯一のファンタジー作なんですね。
異世界の冒険ファンタジーなんだけど、医療を題材にしながら民族の対立を描く超大作。
コロナ渦の今の世界と重ねられるような謎の病気「黒狼病」が蔓延し、その原因の内側と外側にある人間の闇をとても丁寧に描かれています。
政治、文化、病理学などの話が異世界なのにとても現実的で、全く架空の話とは思えないような話でしたね。
登場人物の描き方もとても細かいので、それぞれの想いがとても伝わってくる熱さが凄いです。
夜更ししながら楽しんで、読んでない時も登場人物を浮かべながら次はどうなる?って想像しながらワクワクしていましたね。
もっと長くても楽しめるんだけど、最後はなんとも言えない儚い終わり方でしたね。
2014年(第11回)和田竜「村上海賊の娘」
評価 6/10
時代小説をエンターテイメントにして、没頭できる世界観が素晴らしいので長い作品も頭の中で映像化されて一気読みできる作品。
まるでパイレーツオブカリビアン的な面白さを堪能できるアクション映画級の小説です。
個性の強いキャラが一層際立ってるのがより面白く読ませてくれます。
ただ序盤は良かったけど、少し長すぎた感じもするので後半はダレてしまいました。
2013年(第10回)百田尚樹「海賊とよばれた男」
評価 10/10
「永遠の0」の作者である百田さんも名作を沢山ありすぎますが、個人的にはこれが一番感動しました。
出光の創設者 出光佐三の人生を描いたノンフィクションのドキュメンタリー的な大作です。
今の日本があるのは、こんな素晴らしい人達がこの国の為に生きてたんだと知れる素晴らしい筆力を持った情熱的な1冊。
歴史的な背景に魅力的な人物を沢山描き、誰もが感動する様な構成を見事に構築した物語。
映画だけじゃなくて、小説を読んでもっと深く知って欲しいと思える素晴らしい人物の成し遂げた功績をぜひ読んでみて下さい。
しかしわが社には、何よりも素晴らしい財産が残っている。一千名にものぼる店員たちだ。
彼らこそ、国岡商店の最高の資材であり財産である。
この素晴らしい考え方が好き。
2012年(第9回)三浦しをん 「舟を編む」
評価 8/10
辞書を作る淡々とした仕事の物語。
真面目な主人公が淡々と仕事に打ち込み、終わりのない辞書作りを全うする。
言葉を扱う仕事の難しさだったり、仕事への姿勢だったり、これを読んでから色々と考えさせられましたね。
映画も名作なので、どちらもお勧めです。
2011年(第8回)東川 篤哉 「謎解きはディナーのあとで 」
評価 4/10
この年になんでこれが選ばれたのか分からないエンタメ感の強い作品。
確かに面白いのだけど、本屋大賞の傾向の中で一番浮いてると思います。
2010年(第7回)冲方丁「天地明瞭」
評価 7/10
江戸時代に日本独自の暦を作った数学者のお話。
先に映画を観て素晴らしかったので、本を読んだらかなり緻密に描かれておりした。
何気なく毎日カレンダーをめくってるけど、暦ってこうやって考えられたのかと感動しましたね。
人によってはちょっと長すぎてリタイヤするかもしれないので、映画を先に見てストーリーを知っておくと良いです。
2009年(第6回)湊かなえ「告白」
評価 7/10
デビュー作にして、スマッシュヒットした大人気小説です。
こちらの小説で湊かなえさんを知り、初めて読みました。
最後の最後まで物語の展望が読めない所や著者独特のグロさが興味を惹くので、あっという間に読み終わります。
読後感はなんとも言えない後味の悪さですが、湊かなえと言えばイヤミスですw。
2008年(第5回)伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
評価6/10
伊坂さんらしいエンタメ感の強い物語なんですが、個人的には評価はあまり高くありません。
物語の規模がでかすぎるのに終わりが・・・って感じ。
なんだかラストにスカッとしない展開です。
伊坂幸太郎さんのファンですが、正直この作品で本屋大賞?って感じです。
もっと素晴らしい作品多いので、参考にしてください。
2007年(第4回)佐藤 多佳子「一瞬の風になれ」
2005年(第2回)恩田陸「夜のピクニック」
評価 8/10
夜のピクニックって不思議なタイトルだけど、読んでみると高校最後にこんなイベントがやりたかったなぁと青春時代を懐かしむ物語。
青春感が強くて、むちゃくちゃ感情が揺さぶられて心温かくなる物語です。
恩田陸さんは、本当に温かい作品ばかりでお勧めが多いです。
2004年(第1回)小川洋子 「博士の愛した数式 」
私の本屋大賞 おすすめベスト5
1.恩田陸「蜜蜂と遠雷」
2.瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」
3.辻村深月「かがみの孤城」
4.百田尚樹「海賊とよばれた男」
三浦しをん 「舟を編む」
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