河合雅司「未来の年表2」
内容
感想
ベストセラーとなった前作「未来の年表」の続編が登場しました。
前作はこれから日本の社会で起こる事が、年表になって非常に分かりやすくまとまってました。
人口減少や高齢化の具体的な予想やそれにそれに伴って起こっていく事を捉えた分かりやすい本でした。
今回は、それを踏まえた上で自分達の身の回りに起こる変化や実際に何を思って生きて行けば良いのかと言う解決策も載っております。
これから自分達に起こる事
ここをみるだけでなんだか色々とやばい事が起こる気がしますね。
冒頭からの掴みが非常に良い本です。
一人暮らしが増えて自宅が危ない
これは私の実家でも起こった事なのですが、祖母がお風呂で心筋梗塞を起こしました。
ヒートショックと言われる気温差による急な温度変化で、血圧が上下して起こるらしいんです。
これが高齢化の一人暮らしの家庭で起こると思ったら、もう助からないですよね。
他にも溺死や家庭内での転倒での死亡なども増えていくでしょうね。
一人暮らしの高齢化は危険なので、しっかりとしたライフプランを立てて将来的に老人ホームにお世話になれる様なお金を持っておく事ですね。
所有者不明の土地が増大
所有者不明の土地が増加してるんですね。
よく空き地の増加や空き家の増加という話を聞きますが、そもそもの相続をしなかったり、相続する人が居ない場合こういった所有者不明の土地が増えていくんですね。
すでに北海道や九州くらいの規模の面積でそんな土地があるらしい。
そうなっていくとどうなるかと言うのが、ゴミの不法投棄やスラム化といったヤバイ土地になり、スズメバチが巣を作ったりして周りに危険をもたらす場面も出てくると言う事。
空き家は過疎地だけじゃなく、都市部でも増加
上記に書かれた事は都市部でも当然起こっており、かつての若者が住むために作られたマンションもその一つ。
マンションって修繕費が15年位で必要になるらしく、ローン地獄の40代にはその金額が払えずにマンション住民の合意が取れずに修繕できないケースも増えてるとか。
こんなマンションを新築で買った30年後の高齢者はまだローン地獄。
中古で買った若者は、老朽化したマンションの修繕を求める。
でも、そこには全体の同意が得られずに修繕できずに老朽化していくと言う話。
正直なんでこんなに空き家が多いのにまだまだ建設ラッシュ何だろうか?と思う事があるのですが、結局お金が生まれるからなんですね。
目先の経済の動きによって、将来的に負の遺産を追うのは若い世代。
本当に今しか考えてないですよね。
農業も人手不足で、野菜が消える
将来的にはどの業種も人手が足りなくなるのは前作で書かれてましたが、その中でも家庭に大きく影響するのが農業です。
農家もかなりの非効率の割に自然の影響を受けて厳しい産業。
若者の農業に対する意識が薄く、後継者不足になっていくのは目に見えて居ますが、それが将来的に大きな野菜ショックとなるそうだ。
海外からの輸入にも色々と問題もあるので減少傾向。
野菜が将来的に高級品になってしまう日が来るのかもしれません。
高齢化する社会のトラブル
これは今でも目にする光景だけど、バス待ちの老人達のスローな乗り降り。
レジでの支払いの遅さにイライラ。
社会のあちこちでこんな現象が起こると色んな物が遅れてしまい、とても大変な状態になりますよね。
その高齢者を介護するのも高齢者よりも少し若い高齢者なので、余計に大変です。
文字は読めない、声は聞こえない、移動は遅い、ボケて忘れるなど当たり前の状態ですから、社会全体が衰退化していくでしょう。(これは自分達も同じ目に会うので文句は言えません)
貧乏定年が増える…
団塊世代と比べて、低収入な団塊ジュニア世代が定年する頃には元々の収入も低く、貯蓄も少ない世代なので、定年しても年金だけでは暮らせない状態になる。
これは今の段階でもわかっているけども、私たち30代位以下の子も同じ事。
今から将来起きる事を予想して、どう生きていくのか?を真剣に向き合わなければなりません。
過去の日本みたいに成長することはなくて、どんどん衰退する長寿先進国となる日本で生きていくには、過去に囚われないライフプランが必要です。
少子化は企業の跡継ぎ不足の問題も抱えています。
将来的に稼げる手段を持っていないとかなり大変だと思うので、しっかりと今できる事をやっていきましょう。
働く世代が高齢化すると
これも今の社会でも見えてきてますが、高齢化していく会社ではポストが空いてないんですよね。
年功序列が無くても、すでに埋まったポストを待つばかりと言った状況も少なくありません。
若手が減るってことは、ベテラン社員が若手の仕事をしないといけない場合もあったりと、働く人たちのモチベーションが下がる場合が多く見受けられます。
働き方改革って何?ってレベルの話ですね。
地方銀行は生き残れない
銀行自体、今のブロックチェーンの技術で人は減らされる運命にありますが、更に深刻なのが地方に人が居なくなると預金額が減り、地方銀行が生き残れないと言う事。
考えた事なかったけどこれは地方に残る親が死んでしまうと、お金は子供に相続されるんだけど、子供世代は都市部に移住してる事が多く、銀行も当然都市銀行となっています。
そのままお金が流れてしまうと、地方銀行は死活問題となるわけなんですね。
人手不足は色んな所で大ダメージに
生死に直結する救急車や救急隊員が不足してしまい、助かる命が助からない問題。
宅急便のドライバーが不足して、荷物が届かない問題。
特にネット世代が高齢化していくと、当たり前にネットで注文というものが増えてきます。
そうなって来るとドライバー不足は問題ですね。
もちろん宅急便だけじゃ無く、コンビニの配送だったり、自販機の追加だったり、色んな所に人手不足の影響が出るでしょう。
これを解決するのはドローンだったり、自動運転技術なんでしょうが、これもどれだけ実用化できる様になるかですね。
80歳でも生活の為に働く時代
人生100年時代になればなるほどに長生きして、お金が必要になります。
年金もきちんと出ればいいですが、負担してくれる子供も減って将来的に怪しいのも事実。
しかも、年金だけでは暮らせるわけもないので、しっかりとした老後のプランを考えていかなきゃなりません。
・できるだけ早い段階から将来の資金を運用していく
私はこの2つを実践しています。
未来ためにすべき事
働けるうちは働く
60歳になったから定年ではなく、元気なうちは出来るだけ仕事をして収入を得られる環境を持っておくことが大事。
高齢化する基準は時代と共に変化するので、100年時代には60歳だとまだ20~40年人によっては残っていますから、社会を動かす側になるのは必然なのかもしれません。
1人で2つ以上の仕事をする
働き手が少なくなるのなら、兼業・副業を行い収入のアップと人出の少ない所のカバーをしていく事で、少しでも多くの人の役に立てられるでしょう。
他の事業をしてみる事で、更なる知識やスキルを取得でき、本業に行かせる場面も出て来るメリットもあるのでとてもいい事ですね。
家の中をコンパクト化する
子供の居なくなった家の中は想像以上に広く、無駄な部分が多いですね。
そこに住み続けるのであれば、使う所と使わない所を決めて、コンパクトな住居を作る事が大事になります。
物に溢れて置き場が分からなくなったり、散らかって転倒してしまったら元も子もないので、しっかり子供さん達と整理するのは大事です。
ライフプランを描く
特に男性よりも長生きする率の高いとされる女性に必要なのが、自分の将来的なライフプランを描いておく事だそうです。
子供を作る年齢だったり、住居の問題だったり、親の介護の問題だったり、自分達の老後環境だったりと色々と考えなきゃ行けないことは多いと思います。
その中でも重要なのが、自分一人が残ったが最後生きていけるかと言う問題。
これを解決するには、収入を得られる手段を作っておく事ですね。
不動産収入だったり、証券だったり、ブログみたいな不労所得だったら尚更年老いても良いですよね。
まとめ:未来に起きる事を把握するのが自己防衛
長々と書いたけど要はこれから起きる事を予測できていれば良いって事です。
本書を読んで、「日本って最悪だなぁ…」と悲観しするだけじゃなく、どれだけ自己防衛する為にこれから動けるかと言うのがポイント。
親が高齢化する前にしっかりと対策を練って置いたり、相続する物の書類などの在処を知っておくのも大事。
負の遺産など持ってたら大変ですからね。
そして、やって来る未来に備えて自分に出来る事をしっかり実行しておく。
資産運用だったり、健康的な生活だったり、今の自分にできる事をやっておきましょう。
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