最近ハマってる道尾秀介さんの作品「シャドウ」を読みました。
道尾さんは「向日葵の咲かない夏」を最初に読んでからあまり好きになれなくて遠ざかってたのですが、これを読んで素晴らしく感動しました。
これを最初に読んでたらめちゃくちゃハマったのにととても残念な思い。
最高の作品だったので感想をどうぞ。
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道尾秀介「シャドウ」
あらすじ
感想 評価8/10
非常に面白い作品でした。
何人かの視点で描かれていく展開なのですが、各所に伏線が描かれていて、かなり慎重に読んでいきました。
推測を重ねていくとある程度のラストに待ち受けるであろう謎の解明をしたつもりだったのですが、その更に斜め上を行くラストの展開が待っていた。
最後まで読んでネタバレした時に「そう言えばこの人の方がピッタリだ」とは思っていたのですが、人の描き方一つで騙された。
ちょっとした行動の理由やそのタイミングって非常に重要で、ここまで裏を考えて描かれてたんだと非常に驚きました。
ムンクの叫びの所や亜紀の家に行く父の辺り。
しかも、犯人を殺した後にまた更なる続報。
まさかのまさかじゃないですか…。
「精神状態もすべて演技だったのか…」
やられた感満載じゃないですか!めっちゃすごい。
それでも若干引っかかるのは、ちょっと最後の無理矢理感に詰め込みすぎかなと思いました。
映画じゃないんだから、最後だけそんな見せ場作らなくてもいいのにね。(大学の屋上のとこ)
この作品はあとがき読んでみると分かるのですが、「向日葵の咲かない夏」を読んでモヤモヤした読者のために書かれたもっと分かり易い「救いの物語」だそうです。
物語の感じは確かに凄く近いものがありました。
でも、明らかこちらの作品の方が暗闇の中にも救われた感があるんですね。
主人公の成長する姿と相談する同年代の存在。
その2人ともに闇はあるのだけど、最後にはどちらも多分救われた感覚があります。