インスタでよくポストされた表紙が気になっていた、長江俊和さんの「出版禁止」を読みました。
意味深な表紙からして上質なミステリーを匂わせる感じでしたが、読んでみると非常に面白い叙述トリックを含んだかなり巧みな物語。
読後感が凄くやられた感が強くて、2度も3度もページを確認したくなる内容です。
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長江俊和「出版禁止」
あらすじ
感想 評価9/10
300Pほどのとても読みやすいミステリー小説。
冒頭から7年前のある事件についての謎が語られて、その謎多き事件の真相を探ろうとライターの□□さんが取材を始めるのである。
テンポよく進む物語と、非常に怪しい対象の人物達の証言を挟みながら進んでいく物語。
ライターと共に真相を解明に試行錯誤を繰り返しながら読んでいると、見えてくる真実。
怪しいのは2人だけど、やっぱり嘘をついてるだろうこの女はと思った矢先に魔性の女は正体を見せ、話はまさかの堕ちていく展開に?
これはサイコパスの話なのか?と思ってたが、ライターが自殺をはかった後になんとありえない展開が待っていた。
彼女はもう死んでいるのだ…??
意味不明な事態に先行き不安になっていたが、明かされた真実はあの違和感の正体を教えてくれた。
なぜ消臭スプレーを使ったり、違和感のある描写ばかりが増えてきたのか??
ヤバイわこの真相は。怖すぎるし、見事すぎる描写の数々に「ハサミ男」や「殺戮にいたる病」を思い出した。
でも、伏線はこんなレベルじゃなかった事が最後の最後に語られるのに吹き出してしまう。
ん?彼事態がまさかの□だったのだ。
もうこの小説はパズルでしかないわ。
どこからどこまでのピースを当てはめれば解読できるのかと、読み当ててみるのに時間を使うのが面白かった。
こんな感覚久しぶりだ。
そして、ネタバレを丁寧に解説してくれる人たちのブログを見てると、なかなか鋭い事を書かれてた。
名前すらも、ヒントになっていたとはね。
なかなか深読みしても、最後には読者に真相を掴む心理を委ねられてる気がしてモヤモヤですよ。
それでも、見事な構成術で最後まで楽しませて頂いた。
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