辻村深月さんのデビュー作「冷たい校舎の時は止まる 」を読みました。
先月読んだ「凍りのくじら」「スロウハイツの神様」に続き3冊目の辻村作品。
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辻村深月『冷たい校舎の時は止まる 』
あらすじ
第31回メフィスト賞受賞!感動の長編傑作!
ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生。どうしても開かない玄関の扉、そして他には誰も登校してこない、時が止まった校舎。不可解な現象の謎を追ううちに彼らは2ヵ月前に起きた学園祭での自殺事件を思い出す。しかし8人は死んだ級友(クラスメート)の名前が思い出せない。死んだのは誰!? 誰もが過ぎる青春という一時代をリアルに切なく描いた長編傑作!
感想 評価 6/10
うーん。長かった。本当に超長かった。
上巻読み終えるのに1週間半。下巻読むのに2日も掛かりました。
序章の掴みは良かったものの、上巻のラストまでがダレてしまう話の展開。
ここまで繊細な表現必要か?と思う位に事細かく伝えてくれるます。
それでも物語は上巻のラストから一気に動き出し、ホラー小説だったのか?と思うほどにゾクゾク感のある恐怖心が襲ってきて眠気が吹っ飛びました。
下巻に入ってからは一気に読めます。
止まる暇がないくらいに超猛スピードで、犯人と事件の真相を知りたくなる展開。
そして、犯人は意外とあっさり知らされる事になるのですが、なんとも予想が出来るであろう展開ですね。
ただ重要度はそこに無くて、その後にやってくる驚愕の事実。
読んでて感じた違和感の正体はこう言う事だったのか!と納得。
名前とか年齢とか風貌とかのアレは全部伏線だったんですよ。
なんとも拍子抜けする展開の後にもう一つの重要ピースが明かされて、2度目の驚きが起こりました。
そういえばコイツそんな名前だったんだと。
流石にラストへの展開はお見事すぎるんだけど、デビュー作だけに無駄も多かったなと。
ストーリーだけではなく、読んでる側を納得させるにはもう少し必要でしたね。
それでも全編通して結局楽しめたので、辻村ワールドを味わった事のある方にはお勧めです。(最初の1冊は絶対止めた方が良いと思います)
レビューもチェック
その他の辻村ワールドはこちらを参照
最新作にして、2017年最高傑作。ドラえもんが読みたくなる素敵物語
とても素敵な作家達の淡い物語
少し読むのが辛くなるような物語だけど、ラストに救われました。
これも辛い話になるのだけど、多くの人に読んで欲しい名作です。
一件落着かと思ったラストに待ってる大どんでん返しがお見事
短編なので読みやすい直木賞受賞作。