
2022年に読んだ本を紹介するコーナーです。
今年読んだ本をリアルタイムに更新しますので、今読んでる本や気になる本などの感想を参考にしてください。
読書記録と感想をどうぞ。
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2022年に読んだ本全て紹介[おすすめ読書・感想]
同志少女よ、敵を撃て
評価 9/10
第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。
全選考委員が5点満点をつけたってことで話題となってました。
戦争小説なんだけど、女性スナイパー セラフィマが主人公のエンタメ要素が強い物語。
「戦いたいか、死にたいか」
目の前で母を亡くし、村を燃やされ、仇を撃つために狂気の中に挑んでいく姿があまりにも印象深い序盤から、仲間と共に狙撃手として育てられ、戦場で戦い変貌していく過程が凄い臨場感と熱量で描かれてます。
これがデビュー作とは思えない濃密な物語の構成と完成度の高さは、本当にピカイチ。直木賞とっても納得の作品です。
フランス人は10着しか服を持たない
評価 10/10
年始なので人生をより良くしてくれる、わたしのバイブルを再読。
今の自分に抜け落ちている気持ちを補填して、新年の新たな生活を改善していこうと思います。
女性に限らず誰でも学びの多い1冊ですよ。
それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習
評価 6/10
解釈一つで物事が変わるという素敵な本。
正解を求めていくからこそ抜け落ちてる感情に沢山出会えます。
言い方一つで気持ちも変わるし、商品も売れる。
分解して考えるって、とにかく大事だなぁと思いました。
僕が考える投資について
評価 6/10
大好きな松浦弥太郎さんの新刊を発見したので、今年の1冊目に購入しました。
「どんな人間になりたいか?」「現在の自分の状態を把握すること」など、先の未来を見据えた上で、現在の自分を見つめ直す大事さ。
最近将来像がぼやけてたので、改めて5年後、10年後の自分に関して考える切っ掛けとなりました。
ビオレタ
評価 6/10
雑貨屋で棺桶?って思いながら読み始めたのですが、棺桶を求めやってくるお客も、主人公たちも、みんなどうしようもない感情を抱えている人たちばかりで、一部共感できて、一部クズぽっくて、人間らしいなと思いながら読めました。
モヤモヤと共感が上手く混じった主人公の成長具合が、同じような自分に自信のない人の背中を上手く押してくれそうな気がして心地よかったと思います。
エフォートレス思考
評価 7/10
「無駄な努力を0%にして成果を100%にする方法!」
前作のエッセンシャル思考が「何をやるか」にフォーカスしてたのですが、今回は「どのようにやるか」を考える本。
成果を出すにはやり方は一つじゃないので、常に疑問を持ってやり方を模索する大事さを改めて考えました。
アントワネット
病院で診察を受けるも原因は不明。時はいたずらに過ぎ、夫婦の間の亀裂は少しずつ広がっていく。
不妊治療に臨む夫婦を夫の視点から描く、オランダの実力派による文芸作品。
美しい過去への憧憬が、静かに、確かに、胸を打つ。
評価 8/10
オランダ人作家の翻訳本です。ジャンルとしては純文学。
不妊治療をしていく過程ですれ違っていく夫婦の気持ちが、切なくなるほどに美しく描かれてました。
自分たちは、病院に通い続けてもできないのに、周りの人たちには子どもが普通に生まれていく様が悲痛な位に突き刺さります。
淡々として美しい小説の中にリアルで、儚い男女の想いが詰まってて、読み終わった後の余韻が強いので、色々と思いを巡らせてしまいます。
自分の意見で生きていこう
評価 7/10
ちきりんさんの4部作の最後の1冊です。
正解のない問題に対して、自分の頭で考え、自分の意志を表明していくことって、当たり前のようだけど、多くの人が出来ていないことなんですね。
他人の意見に「反応」するのが簡単な時代だからこそ、日頃から考える力を鍛えておくことの大事さを痛感します。
都会のラクダ
評価 8/10
バンド SUPER BEAVERのボーカルである渋谷さんが描いたバンドを結成してからの自叙伝的な小説です。
そんなに期待してなかったのですが、ユーモアな文体で笑わせてくれるし、熱い思いが込められてるのでグッと来るし、普通に知らない人が読んでもすごく楽しく読めて、勇気を貰える1冊だと思います。
探花―隠蔽捜査9
神奈川県警刑事部長となった竜崎のもとに現れた、同期入庁試験トップの八島という男。福岡県警から赴任してきた彼には、黒い噂がつきまとっていた。さらに横須賀で殺人事件が発生、米海軍の犯罪捜査局から特別捜査官が派遣されることに――。次々と降りかかる外圧に、竜崎は警察官僚としての信念を貫けるのか。
評価 7/10
今作は、神奈川県警に同期トップの八島が福岡から異動してきます。
異動とほぼ同時に起こる殺人事件は、横須賀が舞台で米軍が絡んでくる要素もあり、まさかのネイビー”NCIS”の登場です。(個人的にドラマめっちゃ好き)
福岡県警、千葉県警、警視庁と連動しながら事件を追っていくのですが、テンポもめっちゃ良いし、新たなキャラも、神奈川県警の主要キャラも、一癖あって先が気になってしまいます。
最後の最後まで人を己の信じる道で、人の信用を勝ち取る竜崎の存在は素晴らしかったですね。
「ムダ」の省き方
評価 4/10
大好きなガジェット系You Tuber トーマスさんの書籍。
You Tubeの方にも同じ動画があるので、そっちを観ることをお勧めします。
我が友、スミス
神奈川県警刑事部長となった竜崎のもとに現れた、同期入庁試験トップの八島という男。福岡県警から赴任してきた彼には、黒い噂がつきまとっていた。さらに横須賀で殺人事件が発生、米海軍の犯罪捜査局から特別捜査官が派遣されることに――。次々と降りかかる外圧に、竜崎は警察官僚としての信念を貫けるのか。
評価 8/10
第166回芥川賞にもノミネートした筋肉小説。
「別の生き物になりたい」と筋トレを始めた彼女が、女らしさとの闘いの末に出した答え。
最後迎えた大会当日に彼女の起こした行動が、とても痛快でカッコよかったです。
パチンコ
評価 10/10
四世代にわたる在日コリアンの壮絶な人生を描く、国境を超えた大河ドラマの様な作品です。
読み始めたらあっという間に物語に入り込める文章の巧さと、人間味溢れる当時の人々の温かさ、強さに胸を打たれます。
こんなに貧しく、理不尽な運命を受け入れてるのにそれに耐え忍んで生きる希望を失わない姿。
親から子への愛が溢れていて、それが一貫して次の世代に繋がってるんですよね。
読みながら何度も涙する場面も多くて、とても余韻の残る傑作小説でした。
ミトン
代々受け継がれる糸紡ぎや手袋を編むのが大の苦手。
そんな彼女に、気になる男の子が現れて。
この国では「好き」という気持ちやプロポーズの返事を、手袋の色や模様で伝えます。
おばあさんに手ほどきを受け、想いを込めて編んでいきます。
昔ながらの暮らしを守るラトビア共和国をモデルにした心温まる物語。
評価 6/10
童話のような世界観で進んでいく物語は、とても幸せな家族の元に生まれた一人の女の子の一生を描きます。
自然を愛し、常に笑顔で生きていく二人の姿がとても微笑ましい物語。
自分のためじゃなくて、人のためにミトンを編んで、みんなの幸せを祈る。
些細な日常に幸せな時間があることを教えてくれました。
たゆたえども沈まず
評価 8/10
19世紀のパリを舞台に日本の画商 林忠正と加納重吉、パリの画商 テオドロス・ファン・ゴッホとその兄である「フィンセント・ファン・ゴッホ」の4人を描いた群像劇の様な作品。
パリの街の雰囲気はもちろんのこと、当時の文化の移り変わりと、その時代に奮闘していた日本人の関わり方が非常に物語を面白く仕上げていて、絵に興味がなくても先が気になって仕方がなかったです。
ゴッホという画家の生涯はこんなにも悲しく儚かったとは思いませんでした。
キネマの神様
評価 8/10
映画をテーマに描かれた家族の物語なんだけど、まるで名作映画を何本も観終わったかの様な気分にさせてくれる、胸踊る作品なんですよね。
映画好きには堪らない名作チョイスであり、父の描く映画の評論がなによりもみんなの心を動かせるほどの素晴らしさを持ってます。
傷を持った登場人物たちの再生であり、家族愛を親子の絆をとても熱く感じさせてくれる作品。
バナナの魅力を100文字で伝えてください
評価 7/10
「伝える」ではなく、相手主体の「伝わる」文章の手法を丁寧に教えてくれる本。
前作の「おにぎり」も分かりやすかったですが、今作もすぐに実践できるテクがまとまっていて何度も読み返したいと思いました。
誰かがこの町で
やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。
外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。
いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!
評価 7/10
これは一言で人間の怖さ、恐ろしさを感じる作品。
特に日本人ならあるあるの空気感を感じる群集心理が、度を超えてましたね。
安心安全な町づくりをしようという理想で団結して、声の大きい者に従い、空気の読めない者は排除される…。
本当にどこかの町で起きてそうな内容で、怖かったですね。
イクサガミ 天
「武技ニ優レタル者」に「金十万円ヲ得ル機会」を与えるとの怪文書によって、
腕に覚えがある292人が集められた。
告げられたのは、〈こどく〉という名の「遊び」の開始と、七つの奇妙な掟。
点数を集めながら、東海道を辿って東京を目指せという。
各自に配られた木札は、1枚につき1点を意味する。点数を稼ぐ手段は、ただ一つ――。
評価 7/10
時代モノの枠を超えた超エンタメ作品。
金、家族、誇りなどそれぞれ理由を持った参加者たちが京都から江戸へ、生き残りをかけた殺し合いから目が離せなくなります。
まるで少年ジャンプの漫画を読んでるような面白さで、バトルシーンがカッコよく、キャラも魅力的なんですよ。
るろ剣とか、ハンター×ハンターを読んでる人ならこれ絶対好きだよ。
ただ3部作なので、先が気になって仕方がないです。
もう別れてもいいですか
評価 8/10
人のブラックな感情が溢れていて息が詰まりそうでした。
女性の共感はもちろんだけど、男性に読んで欲しいなと思います。
「日本人は幸せかどうかよりも、人から幸せそうに見えることの方が大切なんだってさ」
この言葉が印象的でした。
1000円ごほうび
食費は1ヶ月2万円で過ごし、1000円の「ごほうび予算」で、なんでも好きなものを買っていいルールをもうけています。
1000円とじっくり向き合うと、自分が一番好きなことややりたいことが見えてくる。
生活がワクワクして、気持ちが満たされていくコミックエッセイです。
評価 6/10
「1000円ごほうび」っていい響きですよね。
いつも食べてる食事がちょっと豪華になったり、トッピングとか、おまけを追加したり、プチ贅沢な気分になります。
真似してみたいご褒美が沢山あってサクッと楽しめます。
僕の姉ちゃん
評価 8/10
今までほのぼのしたすーちゃんシリーズ好きでしたが、今回の姉ちゃんはかなり尖ったキャラで過去1番笑いましたね。
弟との不思議な2人暮らしの設定なんですが、経験豊富な姉ちゃんが毎回人生とか、恋愛に関して独自の感性でズバズバ説いていくんです。
とにかくツボな格言が多くて、笑いながらも「そうなんだ!」と納得してしまう自分もいました。
続・僕の姉ちゃん
評価 8/10
僕の姉ちゃんシリーズ2作目。
これも姉ちゃんの毒々しい意見がマシンガンのように炸裂して、めっちゃ笑えます。
「女性ってこんな事考えてるの?」とちょっと不思議になる場面も。
女性は共感度高いし、男性も勉強になります。
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。
評価 7/10
アパレルのセレクトショップを舞台にした、5人の恋する女性の物語です。
訪れる方がそれぞれに想いを抱いて服を買いに来るのですが、恋している女性ならではの言動や想いが詰まっていて、特に女性の方なら共感度が高いはず。
新しい服とか選んでいるだけで楽しいし、それを着て行く場所やそれを着て会いたい人を想像するだけで幸せになるんですよね。
そっと誰かの背中を押してくれる気持ちの描き方や描写、言葉選びが素敵な作品です。
ミシンと金魚
父から殴られ続け、カケイを産んですぐに死んだ母。お女郎だった継母からは毎日毎日薪で殴られた。兄の勧めで所帯を持つも、息子の健一郎が生まれてすぐに亭主は蒸発。カケイと健一郎、亭主の連れ子だったみのるは置き去りに。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続けるカケイの腹が、だんだん膨らみだす。
そして、ある夜明け。カケイは便所で女の赤ん坊を産み落とす。その子、みっちゃんと過ごす日々は、しあわせそのものだった。それなのに――。
暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟……絡まりあう記憶の中から語られる、凄絶な「女の一生」。
評価 8/10
この作品は、認知症を患ったカケイさんのかなり独特な語り口で描かれているのですが、壮絶な彼女の人生の一部をまるで目の前で聞いているような気分になって引き込まれます。
あっという間の138ページなんですが、カケイさんの人生あまりにも色々ありすぎて、それが認知症だったわたしの祖母との思い出と重なって、途中も、最後も涙がポタポタと止まらなかった…。
最期の手のひらの描写がとても印象的で美しかった。
永井みみさんは、素晴らしい文才で次作も期待が高まります。
リボルバー
高額の絵画取引に携わりたいと願っていた冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれる。
それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。
「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」 「――殺されたんじゃないのか? ……あのリボルバーで、撃ち抜かれて。」
ゴッホとゴーギャン。
生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの、真実の物語。
評価 7/10
原田マハさんによる、ゴッホとゴーギャンを題材にしたアートミステリー的な作品。
フィクションと分かっていても、めちゃくちゃ引き込まれる原田さんの巧さは今回もお見事。
知らなくても引き込まれるし、興味を持ったらぜひ他のアート作品も読んでみてください。
夏の体温
評価 7/10
瀬尾まいこさんの新刊は、2つの短編が入った少しビターで、心がじんわりと温かくなる作品でした。
大人になったら忘れてしまう、小さい頃の楽しかったあの時間。
こんなに楽しい時間が、いつまでも続いてくれたらなと思う様な素敵な物語と関係性が温かく描かれてました。
書店主フィクリーのものがたり
評価 6/10
血の繋がらない家族が本を通して通じ合い、本を通して成長する。
最終的に愛に溢れた作品で、家族愛というか、絆の強さを心で感じる素敵な物語でした。
とにかく最後まで一気読みして、じんわり温かい気分になりました。
オチまで含めて、とても綺麗な物語でしたね。
サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学
評価 6/10
図解が多くて、簡潔にまとめてあるので行動経済学を誰でも理解しやすい内容となってます。
ビジネスで物を売っている人には、目を通しておきたい1冊ですね。
プラナリア
評価 6/10
山本文緒さんの直木賞作品は、無職をテーマとした5つの短編集。
女性の心理がとても緻密に描かれていて、たまに理解できなくて、わたしには共感は難しいけど、なんだか腑に落ちる部分もある人間らしさが詰まっていました。
やっぱり、僕の姉ちゃん
評価 6/10
姉ちゃんどんだけ恋してんだってくらい恋バナ出てきますが、毎度毎度クスッと笑える内容だったり、「ほ〜!」っと思えるような言葉があって飽きずに楽しめるんですよね。
次作も読むの楽しみです。
拝啓、おふくろ
評価 7/10
母親との関係は、読んでてとても切なかった。
最後の言葉が印象的で、「生きてる間に言えたら良かった」という後悔は、ほんとにそうですよね。
同世代の方はもちろんですが、若者にもぜひおすすめの一冊です。
カメラはじめます
評価 6/10
カメラに興味を持った妻用に購入した漫画でわかりやすいカメラの入門書です。
重要な部分を的確にわかりやすく書いてあるので、無駄がなくて、写真が上達したい方にはピッタリな本でした。
植物図鑑
評価 7/10
これ植物図鑑のタイトルの通り、本当に図鑑です。
個人的に今まで見てた景色が変わる発見ってところが、とても面白かったですね。
いろんな娯楽がある中でも、身近にもこんなに素晴らしい世界が広がってるって教えてくれました。
胸キュン小説って方もいますが、そっちは好みが分かれそうです。
マスカレードゲーム
刑事・新田、再びホテル・コルテシアへ――。
累計470万部突破シリーズ最新作、発売決定!
評価 7/10
今作は、殺人事件の被害者の遺族が複雑に絡んだ事件が起こり、その重要人物たちがクリスマスイブに泊まるホテル・コルテシア東京にまた潜入するという不思議な展開になります。
ホテルの潜入捜査って…突っ込みたくなりますが、2度あることは3度ある。
そんな物語に過去の相棒である山岸尚美も加わり、新たな刺客?として捜査一課から女性刑事が入るんですね。(なんかこの展開は、某警察映画で見たことある記憶がw)
かなり強引すぎる展開と、捜査方法などは突っ込みどころ満載なんだけど、このシリーズはエンタメ作品としか見てないのでその辺りも楽しめます。
最後の展開は一番まさかでしたが、このシリーズはさてどうなるのかな?
一番そこが気になります。
図書室のはこぶね
10年前に貸し出されたままだったケストナーの『飛ぶ教室』は、 なぜいま野亜高校の図書室に戻ってきたのか。
体育祭を控え校内が沸き立つなか、1冊の本に秘められたドラマが動き出す。
未来はまだ見えなくても歩みを進める高校生たちと、
それぞれの人生を歩んできた卒業生たち――
海の見わたせる「はこぶね」のような図書室がつなぐ〈本と人〉の物語。
評価 8/10
10年ぶりに返却された1冊の本を巡る青春ミステリーってだけでワクワクするんですが、キャラも濃いし、しっかりと張り巡らされた伏線も見事で、1枚のメモから今と過去がつながって、謎が解けていく過程がすごく楽しめます。
ミステリーとしても、高校生たちの青春群像劇としても楽しめる作品で、高校時代の楽しい記憶と、苦い思い出が同時に蘇ってきました。
フーガはユーガ
双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、
そして、彼ら兄弟だけの、
誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。
ふたりは大切な人々と出会い、
特別な能力を武器に、
邪悪な存在に立ち向かおうとするが……。
評価 7/10
現在と過去を語りながら行き来する物語の展開は、伊坂さんらしい伏線の連続で、双子の持った特殊能力含めて、後半かなりの一気読みの展開は見事。
ハッピーエンドとは言えないラストだけど、物語的にはスッキリする展開で、重いテーマにしては後味はそんなに悪くないヒーロー物って感じです。
この作品は読む人によって、かなり評価が別れると思いますね。(やりすぎ感を感じたり、辛くて読めないって方も多いかも)
熱帯
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!
評価 8/10
幻の本「熱帯」を巡る不可解な物語。
「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」という、謎を追い、謎に追われて、大航海するもう壮大すぎるお話です。
もう夢の中で、夢の中を彷徨ってる感じで、無限ループに入り込んでしまった感覚になります。
熱帯の魔力というか、前半の伏線が効いてるので、後半の構成に持ち味が出てるのかと思います。
個人的に何回も読んで、この世界観に浸りたいなと思う作品でした。
だから書店員はやめられない
評価 8/10
書店員目線での仕事の楽しさや書店あるあるなどの日常を描いた4コマ漫画集。
書店員ならではのエピソードが散りばめられた作品なので、本屋が好きな人にはとても共感が多いと思います。
お仕事コミックエッセイとしても楽しめるので、職業擬似体験としてもおすすめです。
ホワイトカメリア
私たちは、それぞれに傷を負っている。
その傷を見せないよう、隠しながらもがいている。
誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる。
正論はときに暴力になる。
恋愛に、正しいも正しくないもないのだ。
これが、複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ。
評価 6/10
東京で生きる男女6人の恋愛模様を描いた物語は、キラキラしながらもちょっと儚げで、光と影が入り混じったような危ういお話でした。
棘のある言葉に胸に秘めた毒のある言葉、読んでて「あー嫌いだわ」と思いながら、この人たちはある意味人間らしいんですよね。
キャラへの共感度は低かったけど、言葉の節々が面白くて、この言葉を紡ぎ出せるのはすごい才能だなぁと思いました。
マイクロスパイ・アンサンブル
私たちは、それぞれに傷を負っている。
その傷を見せないよう、隠しながらもがいている。
誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる。
正論はときに暴力になる。
恋愛に、正しいも正しくないもないのだ。
これが、複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ。
評価 6/10
伊坂さんの新作は、音楽フェスのために書き下ろされた連作短編集。
2つのお話が並行して進んでいくのですが、徐々にその世界が交わっていって、伊坂さんらしいユーモア溢れる展開が待っていました。
世界の見方を改めて考えさせらる視点があって、住む世界によって見える物、感じることが変わるんだなと思わされます。
何気ない日常の中にある幸せを常に見つけて、1日1日楽しく生きたいです。
ラブカは静かに弓を持つ
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
評価 7/10
スパイ×音楽小説は初体験でしたね。
読み出したら止まらない先の気になるストーリー展開は、時間を忘れた楽しさでした。
読み終わった後に音楽の持つ力に胸打たれてしまう小説でした。
サスペンス的なスパイ小説としても面白いストーリーなんだけど、人と人との信頼関係をとても深く考えさせてくれる作品です。
さざなみの彼方
父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。
治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。
その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。
そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい……。
二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。
運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説。
評価 8/10
デビュー作「言の葉が残りて」がとても美しい描き方で、次作が読めるのを楽しみにしていた佐藤さん待望の2作目。
秀吉に対する仮説を大胆に取り入れた物語の描き方でしたが、この解釈で読むとこんなにも切ない物語が出来上がるんですね。
寧様の描き方も素敵でした。
歴史を知らなくても楽しめるけど、大河とか好きな方ならより一層楽しめると思います。
泣きたい夜の甘味処
提供するのは温かいお茶と、甘いもの一品だけ。今夜も、疲れて泣きたい人々がこの店に迷い込みます。
評価 7/10
生きていると本当に色んなことがあるけど、泣きたい時は優しい言葉と甘いものでも食べながら少しでも癒されたいですよね。
自分の記憶の中にある思い出がこの作品とリンクして、ジワーっと心の中で広がっていく。
ちょっと疲れた気分を楽にしてくれて、明日からまた頑張ろうと思わせてくれる素敵な作品です。
僕の姉ちゃん的生活
その一方で、女とか男という性差を超えて「人としていかに生きるか」「他人との比較ではなく自分としての軸を持つ」というような哲学的な話題が増量中。
評価 6/10
お気に入りのコミックエッセイ 僕の姉ちゃんシリーズ4作目。
姉ちゃんの日常と恋を漫画でコミカルに描いてるのですが、あるあるネタがクスッと笑えて、たまに深い言葉が刺さるんですよね。
人生の格言ばかりがあるかというと、ネタ的要素の方が強い場合もある。
落ち込んでる時や時間のある時にページを開いて見ると元気を貰えるコミカルな作品としておすすめ。
ひとりの双子
それは、許されない罪なのか。
アメリカ南部、肌の色の薄い黒人ばかりが住む小さな町。
自由をもとめて、16歳の双子は都会をめざした。
より多くを望んだ姉のデジレーは、失意のうちに都会を離れ、
みなが自分を知る故郷に帰った。
妹のステラは、その何年も前に、デジレーのもとから姿を消していた。
いまは、誰も自分を知らない場所で、裕福に暮らしているという。
白人になりすまして。
いつもいっしょだった、よく似た2人は、分断された世界に生きる。
だが、切れたように見えたつながりが、ふいに彼女たちの人生を揺さぶる。
人種、貧富、性差――社会の束縛のなかで懸命に生きる女性たちを描く感動⾧篇。
評価 8/10
時代は1960年代〜黒人差別が染み付いている、アメリカの南部の小さな色の薄い黒人たちが暮らす町で生まれた双子の少女。
白い肌をもつ黒人家系に生まれた双子は、やがて町を飛び出し姉は黒人として、妹は白人として、偽りの人生を選びます。
見た目が白人でも、一滴でも黒人の血が入っていると黒人と見なされる中で、偽りの白人として生きるには嘘を突き通すしかないんですね。
様々な場面での痛々しい嘘と偽りが痛々しくて、とても切ない物語。
生涯かけて受け入れた者の人生と、変わりたかった者の選んだ苦悩の人生。
親と娘の3世代に及んだ物語の描き方が本当に見事で、読み応えがありましたね。
お得に本を読むならこれがお勧め
オーディブル
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