2024年に読んだ本を全て紹介[おすすめ読書・感想]7/25更新

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2024年に読んだ本を紹介するコーナーです。

今年読んだ本をリアルタイムに更新しますので、今読んでる本や気になる本などの感想を参考にしてください。

読書記録と感想をどうぞ。

2024年に読んだ本全て紹介[おすすめ読書・感想]

凪良ゆう「星を編む」

あらすじ
『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

評価 9/10

名作「汝、星の如く」の続編。

北原先生の過去、編集者の苦悩の裏側、暁海と北原先生のその後を描いた物語は「汝、星の如く」の前後の話で繋がります。

周りにどう思われようと自分の人生の幸せを掴もうとして足掻いていく姿にとても感銘を受けました。

色んなことがある中で受け入れられる器の大きさも、人間力だなぁと‥。

瀬戸内の情景含め、この愛の物語を描き切った凪良先生の筆力は本当に素晴らしいですね。

 

今野敏「一夜 隠蔽捜査」

あらすじ
神奈川県警刑事部長・竜崎伸也のもとに、著名な小説家・北上輝記が小田原で誘拐されたという報が舞い込む。
犯人も目的も安否もわからない中、竜崎はミステリ作家・梅林の助言も得ながら捜査に挑むことに。
劇場型犯罪の裏に隠された、悲劇の夜の真相とは――。

評価 6/10

大好きな隠蔽捜査シリーズ13作目が刊行されましたので早速購入して楽しみましたよ。

今回は、有名作家の誘拐事件。

犯人の要求がないまま時間だけが過ぎて、別の管轄では殺人事件が発生。

友人のミステリー作家がアドバイザーの立ち位置で竜崎に絡み、事件の行方はなかなか妙な方向に進んでいく…。

なんとなくわかりやすい真犯人と計画の内容でしたが、この作品の面白いところは事件の内容じゃなくて、事件を解決するまでの人間関係の絡み方ですよね。

多少のマンネリ感と顛末の分かりやすさはあれど、竜崎という人間を軸に展開していく過程に満足感があります。

次作では、そろそろ強烈なキャラの登場を願ってます。

 

町田そのこ「夜明けのはざま」

あらすじ
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦……。

評価 7/10

死がテーマの重い作品かと思って買ったのにずっと放置してましたが、読んでみると仕事とか、人間関係の悩みに葛藤しながらも答えを模索する様が描かれていました。

特に30代前後の女性に突き刺さるエピソードや言葉が多いので、共感される方は泣けてしまうかも…。

「昔こういう気持ちあったよなぁ…」なんて言葉にできなかった気持ちが表現されていてすごく突き刺さりました。

色んな人の悩みに対してじっくりと向き合える時間の作れる作品です。

 

田内学「きみのお金は誰のため」

あらすじ
ある大雨の日、中学2 年生の優斗は、
ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、
謎めいた屋敷へと入っていく。
そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでおり、
「この建物の本当の価値がわかる人に屋敷をわたす」と告げられる。
その日からボスによる「お金の正体」と「社会のしくみ」についての講義が始まる。

評価 7/10

この本とにかく例がわかりやすくて、身近な事柄からお金の本質が再認識できる内容です。

改めて社会ってどうやって出来ているのかを考えられるし、自分たちもどう未来に対して行動できるのかっていうのを考えさせてくれます。

身近なお店や人への感謝を忘れずに行動したくなると思います。

 

東野圭吾「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」

あらすじ
この人は人生をリノベーションするつもりだ――亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に絶縁したはずの兄が現れ、「あんたは偽者だ」といいだす。女性は一笑に付すが、一部始終を聞いていた元マジシャンのマスターは驚くべき謎解きを披露する。果たして嘘をついているのはどちらなのか――。謎に包まれたバー『トラップハンド』のマスターと、彼の華麗なる魔術によって変貌を遂げていく女性たちの物語。その”マジック”は謎解きのための華麗な武器。全貌を知る時、彼女たちは何を思うか。そして、どう生きていくのか。

評価 6/10

マジシャン×ミステリーの相性は抜群なものがあるのですが、東野さんの描くキャラってシリーズ化を望む物になると一気にぶっ飛んでいて面白くなるんですよね。

今回は短編ってことを知らずに買ったので若干残念な気持ちになりましたが、連作短編的な要素があって、最後に腑に落ちるトリックが仕掛けられてます。

相変わらずただのマジシャンだとは思えないほど鋭すぎる叔父さん。
姪との会話も面白いし、事件の内容も東野さんらしい展開ではないようなものもあって、意外性がありました。

 

宮島未奈「成瀬は信じた道をいく」

あらすじ
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。
「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくしてなった女子大生……。
個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?
面白さ、ますますパワーアップの全5篇!

評価 7/10

りに干渉されてもひたすらマイウェイを突っ走る成瀬は高校でも、大学でも変わらないスタンスで、成瀬に出会った人も惹かれていく様は読んでいて爽快です。
順調に知名度が上がっていく話の流れが非常に面白かったです。

大津市を舞台にこんなローカルで面白い作品を生み出せるキャラ設定と作者の地元愛の強さが素晴らしいです。
ぜひ大学生活を描いた続編から、社会人編など期待しています。

 

梶山三郎「トヨトミの野望」

あらすじ
愛知県豊臣市に本社を構える世界的自動車企業、トヨトミ自動車。フィリピンに左遷されていた武田剛平はどん底から這い上がり、社長に昇りつめた。創業家とはなんの関係もないサラリーマン社長はその豪腕で世界に先駆けてハイブリッドカーの量産に挑戦する。いっぽう、創業家出身の豊臣統一は入社以来、豊臣家の七光りと陰口を叩かれながらも、いつの日か武田剛平を越えてやろうと野心を抱いていた。自動車王国アメリカでのロビー活動、巨大市場中国の攻略、創業家との確執ー世界と戦う企業の経済戦争を描いた衝撃フィクション!

評価 8/10

誰もが知る世界のトヨタを題材にしたフィクション小説です。

8~90年台の企業としての成長の様子と、内部での覇権争いの様子があまりにも面白すぎて読む手が止まらなかったですね。

武田社長の剛腕ぷりが強烈で、特にアメリカで販路を広げるための政治的な戦略が非常に興味深かったです。

続編が三部作であるので、続きが気になって仕方がない作品。

 

梶山三郎「トヨトミの逆襲」

あらすじ
 EV、自動運転、ライドシェア、さらにカーボンニュートラル、地球温暖化。激震する自動車業界の巨大企業に、さらに世界的IT企業が襲いかかる。持ち株比率たった2%の創業家社長は、この難関を乗り切れるのかーー気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む「この国の危機」の真実。新聞が書けない極秘情報満載のビジネス小説登場!

評価 7/10

シリーズ2作目。

世の中のEVカーへのシフトでゲームチェンジを迎えようとする自動車業界の様子がめちゃくちゃリアルに描かれています。

IT系の企業の参入やバッテリー問題なども含め、未来の話がメインになっているので余計にこれからどうなるのかが世の中のインフラとして考えるのも非常に面白いビジネス小説です。

 

梶山三郎「トヨトミの世襲」

あらすじ
 世界中を襲った未曾有のパンデミックのなか、巨大自動車会社トヨトミも待ったなしのEV(電気自動車)シフト転換を迫られていた。しかし、販売ディーラーの相次ぐ「不正事件」や持ち株比率たった2%の創業家の「世襲問題」など暗雲が垂れ込める。カギを握るのは“トヨトミの母”と呼ばれる元女優の謎の老女。彼女がひた隠す「豊臣家の秘密」とは──。

評価 7/10

トヨトミシリーズ3部作の完結編。

このシリーズはフィクションのはずなんだけど、T社の情報を調べるほどにリアルな内情が暴露されているような作品です。

ただ1作目から話のスピード感は増しているのに、面白さは落ちていく感じは否めないかな。

エンタメ小説としても、ビジネス書としても学びのシリーズ作品でした。

 

瀬尾まいこ「ありがとう、さようなら」

あらすじ
本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。
給食で苦手な料理と格闘したり、生徒たちからの厳しいおしゃれチェックをなんとか切り抜けたと思えば、生徒会のやる気に感化されたり、合唱コンクールで胸がいっぱいになったり……。
奮闘する瀬尾せんせいと生徒たちのあたたかくてにぎやかな日常の合間に見える、それぞれの成長。「ありがとう」と「さようなら」がめまぐるしく襲ってくる学校という場所で過ごす日々は、瀬尾さんの作品世界すべてにつながる愛にあふれていた。

評価 6/10

中学校という現場ならではの子供達とのやりとりがあまりにも懐かしくて、自分の中学校時代の先生を思い出しながら読んでしまいました。

笑いもあれば、涙もあって、まさにタイトル通りの作品だと思います。

現実はこんなに温かい場面ばかりではないとも思うけど、大人になってからあの頃を振り返る作品としてもおすすめです。

 

柚木麻子「あいにくあんたのためじゃない」

あらすじ
過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

評価 6/10

どれもタイトルがユニークで、内容も出てくる人々も結構リアルに居そうなあるあるが入っていて、確かに誰もが傍観者じゃいられなくなる感じが読者をゾクゾクさせるね。

「こんな人おるわぁ〜」って誰もが周りの人を想像したくなる作品だし、自分も気をつけなきゃ思ってしまう場面も多々…。

「商店街マダムショップは潰れないのか?」「パティオ8」が特にツボ。

 

桐野夏生「燕は戻ってこない」

あらすじ
海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。

評価 8/10

弱者と強者の貧困と搾取の話だと思っていたけど、それぞれには理由があって、悪意がないからタチが悪いんですよね。

色んな面で危うい行動をする主人公と、自分勝手な夫婦たちの心情の変化がほんとにリアルでしたね。

決して気持ちのいい話じゃないんだけど、その分人間の自分勝手さが出ていて最後の行動に繋がるんだろうと、主人公の人生を応援したくなるラストの描き方の見事さでした。

 

恩田陸「spring」

あらすじ
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。
一人の天才をめぐる傑作長編小説。

評価 5/10

恩田さんの最新作は、バレエの天才を描いた長編小説。

序盤の春のエピソードはすごく興味深く読めて、バレエ観たことのない人でも踊りがイメージ出来るのは流石の筆力。

ただ3章の作曲家のところで一気に分からなくなって失速‥。

ちょっと前提知識はあった方がいいのかなと思ってしまいました。

春をめぐって友人や恩師の目線で語られる物語は良かったんだけど、読む側の興味がどれだけついていけるかが今作は大事でした。

 

多崎礼「レーエンデ国物語 夜明け前」

あらすじ
四大名家の嫡男・レオナルドは佳き少年だった。
生まれよく心根よく聡明な彼は旧市街の夏祭りに繰り出し、
街の熱気のなか劇場の少女と出会う。
――そして、真実を知り、一族が有する銀夢草の畑を焼き払った。

権力が生む欺瞞に失望した彼の前に現れたのは、片脚を無くした異母妹・ルクレツィアだった。

孤島城におわす不死の御子、一面に咲き誇る銀夢草、弾を込められた長銃。
夜明け前が一番暗い、だがそれは希望へと繋がる。

評価 8/10

本屋大賞24にもノミネートした大人向けのダークファンタジーの4作目。

やっと明かされるレーエンデの数々の謎や秘密が出てきます。

一番気になってたルーチェの言動の意味はやっぱり辛い…。

誰かが立ち上がって辛い思いを引き受けなきゃ動かないんだろうけど、今作のルクレツ

アとレオンの関係を見てるとほんとに悲しすぎましたね。

毎回何でこんなに痛々しいくらいに悲しい終末を迎えて終わるのか‥。

夜明け前が一番暗いにしても、救われないくらいに切ないです。

次作で完結なんだろうけど、そこまでに通じる伏線が今作にはいくつかあって読み応えがありそうです。

 

柚木麻子「BUTTER」

あらすじ
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ──。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。

評価 7/10

元ネタとなる事件をベースにした小説。

想像していたよりもずっと濃厚でこってりした作品で、とにかく五感が刺激されて、すんごい香ってくる感じ。

まさにタイトル通りにbutterなんですが、中に出てくる料理の描写が見事すぎて、どの時間に読んでもお腹が減るんだよ…。

人生観だったり、女性特有の社会的な見方ってのがとても考えさせる作品でした。

読むのに結構気力がいるので、元気のある時に読むのを勧めます。

 

池井戸潤「俺たちの箱根駅伝」

あらすじ
古豪・明誠学院大学陸上競技部。
箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。
本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。
隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?

一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。
プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。
「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。

評価 8/10

話の主役は予選を敗退してしまったチームから輩出された、学生連合のメンツにスポットが当てられています。

記録に残らないオープン参加なチームによる、もう一つの箱根駅伝物語。

選手側の視点と、テレビ局の撮る側からの視点も描かれていて、感動のドラマの裏側までしっかりと知れる場面もあったりします

特に中継の苦悩とか、報道に関わる人の数とか考えたことなかったので、驚きましたね。

文字読んでるのに走ってる姿を想像しながら楽しめました。

何かに頑張って努力した時間はきっどどこかで生きてくるし、人生においてかけがえの何かを手にできると思います。

 

東野圭吾「クスノキの女神」

あらすじ
神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。
一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。
玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。

評価 6/10

東野さんらしい、哀しくて切なくて温かいストーリーはじわじわきましたね。

ハンデを持った若い力が頑張って生きようとする姿は、明日への力になります。

中盤までそんなにピンと来なかったけど、ラストは切ない気持ちが染み渡る作品。

 

伊吹有喜「娘が巣立つ朝」

あらすじ
高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が嚙み合わない。
真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。
そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。
智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。

評価 6/10

結婚をきっかけに様々な問題が浮かび上がる2人とその家族の話。

そして、娘の結婚を機に夫への母親の溜まり溜まった不満の数々を吐き出していく母親の物語。

結婚って価値観とか、金銭感覚とか、育ってきた環境によって全然違うからこそ後回しにすると厄介な事もあるんだよね。

こんなに両家がぶつかっていって引かない展開も面白い。

これから結婚する子供と、30年連れ添ってきた夫婦の姿を同時に描くって、めちゃくちゃ興味深い関係性になってました。

しかも、子供の結婚を軸にした親達の関係性を見直していく結末になるとは、まさかの最後の展開でしたね・・・。

 

津村 記久子「水車小屋のネネ」

あらすじ
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉

ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

評価 8/10

姉妹二人の成長と自立、それを見守る人周りのたちと、喋るヨウム”ネネ”との40年間を描いたとても温かいエピソードの詰まった長編作品。

読んでいると長い間この姉妹を見守る感覚になって、すごく感情移入してしまいます。

ネネの存在が絶妙で、発する言葉が面白くて、鳥なのに物語の中心に際立つ存在でいてくれるのがとても印象的でした。

人との出会いや関わり方をすごく考えさせてくれる内容になっていて、誰かに助けられ

てことに関してポジティブに捉えさせてくれます。

人に親切にすることを改めて大事にしなきゃと思わされました。

 

岸田奈美「国道沿いで、だいじょうぶ100回」

あらすじ
大丈夫な家族と大丈夫じゃない日々を、
笑いと涙と他者への想像力とともに軽やかな筆致でつづる自伝エッセイシリーズ第3弾。

評価 7/10

お母さんは歩けなくて車椅子、弟さんは障害をもって大変なはずなんだけど優しさに溢れた感受性豊かなで度量がすごい。

弟さんの友達や馬の話でもあったけど、色んな人の特性を知っているからこそ、少し他と違う人への「なぜ?」の意味がわかるんだと思う。

自分のよく知らない日人に対して「なぜ?」と思うことが沢山あるけど、その人にしか分からない何かを持っていたりするんだろうなと、改めて視野の狭さを感じてしまいます。

 

今村翔吾「塞王の楯」

あらすじ
時は戦国。炎に包まれた一乗谷で、幼き匡介は家族を喪い、運命の師と出逢う。石垣職人”穴太衆”の頂点に君臨する塞王・飛田源斎。彼のように鉄壁の石垣を造れたら、いつか世の戦は途絶える。匡介はそう信じて、石工として腕を磨く。一方、鉄砲職人”国友衆”の若き鬼才・国友彦九郎は、誰もが恐れる脅威の鉄砲で戦なき世を目指す。相反する二つの信念。対決の時が迫る!

評価 8/10

大津城を舞台に最強の石垣を作る穴太衆と鉄砲職人・国友衆の戦いを描いた戦国小説。
今村さんなのでハズレなしだと思ってましたが、読み始めると止まらない面白さで乱世にタイムスリップ。

最強の縦となる石垣を作り出す穴太衆の見事な仕事ぶりや哲学を知ってしまうと、城廻をした時の石垣の見る目が変わって非常に面白いです。

熱き男たちの生き様と葛藤はまさに矛盾した部分もあって、戦いの先に何を見出して、世の中を変えようという想いがあるのかというのを追体験できます。

エンタメ度が高く読みやすいんだけど、筆者の熱量があって面白い作品でした。

 

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