天祢涼「希望が死んだ夜に」感想 心に残った名言

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天祢涼さんの傑作ミステリー小説「希望が死んだ夜に」を読みました。

孤独な少女が殺したクラスメイトへの殺害動機を語らない本当の理由は・・。

これはとても切ないお話でした。

感想やレビューをどうぞ。

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天祢涼「希望が死んだ夜に」を読んだ感想 心に残った名言

天祢涼「希望が死んだ夜に」あらすじ

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。

少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって―。

現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。

感想 評価 8/10

この子は「別の世界」なんかじゃない、あたしと全く同じ世界に住んでいた。

初めましての天祢涼さん。

何人かの方にこの作品をおすすめされてから数ヶ月・・・ようやく読めました。

もうね、さっさと読んでおけばよかった、と思う面白さのミステリーでした。

 

なんだろうね、読んだ事ない作家さんのハードルの高さって。

結局いつも後回しにして、読んでみたら面白くてハマるパターン。

 

物語は、中学生の少女が同級生殺害の容疑で逮捕されるんだけど、取調べで語られない動機・・・。

刑事と容疑者の少女の過去の視点で描かれるミステリーなんだけど、読み始めたらもう止まらない展開でしたね。

2人の少女の接点と、真実が明らかにされていく過程と、タイトルの意味を知った時の絶望感と悲しみの深さときたら、ほんまに涙しかありません。

 

もう、ラストは本当に痛くて痛くて、辛すぎる。

貧困家庭を舞台にした社会派のミステリー。

読みやすくて、深く共感して、考えさせられるお話なので、多くの人に読んで貰いたいです。

畑野智美さんの「神さまを待っている」も良かったですが、ミステリーで描かれたこの作品はぐいぐい引き込まれて読みやすかったです。

努力せず夢だけ見ている少女だと思っていたが、物理的に努力する時間すら確保できなかったということか。

刑事の移り変わる心の印象と、少女達の想いが切なかった。

 

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