西加奈子「うつくしい人」感想 自分で不幸になれる人は、自分で幸せになれる

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西加奈子さんの小説「うつくしい人」を読み終わりました。

分かるよね。この悲しい気持ちを誰にも話せないままに生きてるんだって言う人は多いと思うけど、人によってはこの物語の最後に救われてしまうんじゃないかな?

「自分で不幸になれる人は、自分で幸せになれる」ってあとがきが印象的な物語。

感想をどうぞ。

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西加奈子「うつくしい人」

あらすじ

他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書室で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた―。

感想 評価7/10

西さんと言えば結構色んなタイプの話を描かれてるのだけど、多いのは心に闇を抱えたどこか不安定な人達。

今作も他人の目にいちいち気を使ってしまい、本心とは別の生き方をしてしまってる女の子が主人公。

誰かに憧れたり、人に対する負い目とか虚しさを感じる事があると思いますが、今回の主人公もコンプレックスを持ってずっと生きていた。

 

その彼女が旅に出て、うつくしい景色の見える素晴らしいホテルの中で出会う人達。

自分とはかけ離れてはいるが、どこかに負い目を感じで必死で生きる姿や言葉を自分の中の変化を起こすきっかけにしていた。

どこか直接的に素晴らしい言葉や行動を与える事はないんだけど、主人公自身で変わっていく物語。

 

綺麗事言えば小説なんていくらでも美化出来る訳なんだけど、この話って結構難しい展開を用いて変えるきっかけを与えていた。

歪んだ感情ってなかなか表にも出すことできないし、本心を貫ける人間ってそう簡単にいないと思う。

そんな中でもキーパーソンである姉の存在が、あまりにも辛かったです。

 

今の時代はSNSがあって、キラキラ系の人達を見ていると自己嫌悪に陥る方も多いと思う。

そんな時に素直に生きていこうと思うきっかけを与えて貰うにはオススメの1冊です。

 

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