情熱大陸等でも取り上げられ、今注目の科学者であり、メディアアーティストの落合陽一さんの最新刊「日本再興戦略」を読みました。
現在30歳のこれから未来を背負う日本の最重要人物が何を語るのか?
感想をどうぞ。
[ad#co-1]
落合陽一「日本再興戦略」
内容
AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。
今後、世界の中で日本が再興するにはどんな戦略が必要なのか。
テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。「日本再興戦略」とは、改革や革命ではなく、アップデートです。
必要なことは、「過去において日本は何が機能したのか、何が時代と合わなくなったのか」を検証すること。
本書がポジションを取って未来を作る皆さんの一助となることを祈っています。
感想
落合陽一さんは、1987年生まれの日本の研究者。
筑波大学の大学教員であり、博士(学際情報学)、メディアアーティスト、実業家と言う多動力の持ち主。
今注目の人物であり、日本のメディアでも多数取り上げられていますね。
まず本書で定義されてたのは、過去の日本の良い所でもあり、今の日本の悪い所でもある部分の払拭。
高度経済成長の正体
高度経済成長の正体とは、「均一な教育」「住宅ローン」「マスメディアによる消費者購買行動」の3点セット
つまり、国民に均一な教育を与えた上で、住宅ローンにより家計のお金の自由を奪い、マスメデイアによる世論操作を行い、新しい需要を喚起していくという戦略。
色んな所で問題視されている部分でもあり、自分でも凄い感じている事ですね。
普通を生み出し、異端児を排除していく教育文化。
サラリーマンは家を買う。それが一人前の証等と称される高度成長期の名残。
そして、今は崩れかけてしまってるメディアにコントロールされた消費行動です。
日本人の大多数が当たり前になってるので、安心を植え付けられていますが、実際には全部弊害でしか無い訳ですよね。
時代が変わってるのに今だに考え方が昭和の生き残りって言う状態。
ワークライフバランスからワークアズライフへ
日本人は仕事と生活が一体化したワークアズライフの方が向いている。
「公平」と「平等」
公平にこだわり、平等にこだわらない日本人。センター試験でカンニングなどの不正が起きると怒るくせに、公教育に地域格差があったり、教育機会の差がある人が同じセンター試験を受けることに対しては無頓着です。ゲームがフェアであることは意識するけど、権利が平等である事はあまり意識しない。同じ仕事をしたなら、公平にお金を払う事には敏感。しかし、飲み会では男性が女性よりも多く払う。これは平等意識が低いから。
日本の歴史・文化を学ぶ必要性
日本人は憧れを外に持ちすぎていて、自国の良い所を知らなすぎる。
日本の歴史や文化をしって初めて他国との比較ができると言う事。
そして、日本再興戦略のカギとなるのは、
一周まわって士農工商の考え方が時代の最先端になってきているのです。
士は政策決定者・産業創造者、官僚、農は一般生産者・一般業務従事者、工がアーティストや専門家で、商が金融商品や会計を扱うビジネスパーソンです。
特にこれから重要になるのが「百姓的な」生き方です。
まさに「多動力こそ百姓」です。
これは目から鱗。
この人から百姓なんて言葉が出ると思ってませんでしたからね。
AIが仕事を自動化して、人間が不得意な部分を機械化する事で、人間にしか出来ない事に集中して、好きな事が出来ると言われるこれからの時代。
人間にしかない価値を生み出せるのが、「他には代替え出来ない価値を提供していく生産者」となる百姓と言う事。
言葉の使い方が上手いですね。
テクノロージーで置き換える
機械が進化していく事でテクノロージーは進化して、
自動翻訳が劇的に普及
自動運転タクシーを安く使えるようになる
ブロックチェーン技術の実用化
次世代通信システムの5G
これも良く言われている事ですが、いろんな視点からこの事例を出されると自分が生きている中で実際に実用化されてくれそうで安心できます。
特に田舎の過疎地域に住む人の強い味方となりそうなのが、自動運転技術ですね。
今の現状でも、バスなどの公共事業が赤字となり未来が不安視されていますが、こうやってテクノロジーの進化による機械に代替えされると良いですね。
仮想通貨がもっと安心して使える状態になれば、もっと外国人の方の消費も増えるでしょうから。
人口が減っても、それを逆手に取り、テクノロージーの進化でカバーすると言う発想は流石としか言いようがありませんね。
マイナス要素の考えが多い中で、専門家の意見は納得できます。
まとめ
この人の言ってる事の1/10もいつも理解できないし、書いてる事も難しい言葉が多すぎるので、かなりの時間を掛けて読みましたが、凄い30歳だよね。
生きてきた環境が違うにしても、同じ年数生きてここまでも考える頭が違うのかと思うと自分が情けないくらい勉強してないし、考えてないんだと思った。
発想の着眼点が面白すぎて、本当に読んで良かったですね。
考えるよりも、行動を起こして、自分に出来る事をどんどん達成していきたいと思います。
レビューはこちら
超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト