荻原浩さんのミステリー「噂」を読了。
すごくテンポのいいサスペンス事件に不気味な噂話が一人歩きする街。
エンタメ度120%で楽しめる作品なんだけど、ラスト1行に度肝を抜かされる展開がお見事でした。
感想をどうぞ。
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荻原浩「噂」
あらすじ
感想 評価9/10
めちゃくちゃ面白くて、一気に引き込まれてしまった物語。
500P位ある分厚い話を一夜で読んでしまうほど没頭してしまった。
そう。レインマンに取り憑かれてしまいそうな位w
物語は殺人事件の捜査に駆り出された所轄の刑事 小暮と捜査一課から女性刑事 名島の二人がチームとなり謎に立ち向かう。
2人とも暗い過去を持ち、同じような境遇をもつ子持ちの刑事。
ある時渋谷で出会った女子高生たちに話を聞くと、一人歩きする噂話を耳にして物語の核心に迫っていく展開なんですね。
気味の悪い噂を流す教祖じみた女性の存在が物語を薄気味悪くさせるのですが、これはこれでミスリードだったんですよね。
犯人自体はしょうもないサイコパスで、途中にヒントはあるのだけどあっさりと流してましたねw
それにしても一件落着した犯人逮捕の後の女子高生の会話。
怖すぎるわ〜!と思ってたら、ラスト1行に襲ってくる恐怖…。
まさか。まさかの展開に大どんでん返しでした…。
これ読んでから人の信じる噂って怖いなぁと単純に思います。
人の記憶って思ってる以上に断片的で、一人歩きしてるうちに姿形を変えて、どんどん風のように流れて原型を変えていく。
今の時代ってこれを書かれた時よりも更に酷くなっていて、ネットなんかニュースなんかでも”釣り”みたいなタイトルで、内容とは関係ない様な連想をさせるものが沢山あります。
断片的な情報をそのまま受け取ってしまった人が、人に話してしまうとそのフィルターを通して聞いた人が信じてしまって、また形を変えていく。
情報を受け取る側のリテラシーの問題もあるのだろうが、話に対してもっと慎重にならないと怖いなぁと思いますよ。