直木賞候補の中で一番表紙が印象的だった遠田潤子さんの「銀花の蔵」を読み終わりました。
醤油蔵での親子5世代に渡った壮大なヒューマンドラマは、まるでNHKの朝ドラを見ているかの様な圧巻の作品でした。
かわいそうな少女がしっかり生きていく覚悟を持って、成長していく姿がとても印象的だった素晴らしい作品です。
感想や心に残った名言をどうぞ。
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遠田潤子「銀花の蔵」を読んだ感想レビュー 心に残る名言[直木賞候補]
遠田潤子「銀花の蔵」あらすじ
絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住むことになる。
そこは、座敷童が出るという言い伝えの残る由緒ある醬油蔵の家だった。
家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく――。
圧倒的筆力で描き出す、感動の大河小説。
感想 評価 7/10
直木賞候補の中で、一番気になった作品をタイトル買い。
表紙の絵柄もなんか切なそうな感じで、想像力を引き立てられます。
内容としては、醤油蔵を舞台にした5世代に渡る壮大な家族の話。
NHKのドラマを観てる様な感じの読みやすい物語なんだけど、とても苦しい展開の連続。
あまりにも負の連鎖すぎて、呪われすぎだろうとも思いましたがそこの描き方もうまい。
子供ながらにして親のある病気と闘い、自分を犠牲にしながらも懸命に生きる姿が本当に痛々しいのだけど、常に前を向いて生きる姿がまたひたむきなんですね。
「なんで、私だけいつも‥‥」と口にする姿が胸を痛ませます・・・。
運命を共にする家族と、醤油蔵の情景がまた昭和の歪んだ空気を感じさせ、変化の時代と闘いながら、自分の家族を作り、また前に進もうとする決意。
もう最後は涙なしでは読めない展開です。
運命に翻弄されながら、一人の少女の人生を描いた壮大なヒューマンドラマでした。
座敷童子と家族の秘密の行方がまたミステリアスでしたね。
もう少し長かったらって願望が残る読後感。
もっと濃密に感じたかったこの時代の情景。
あまりにもギシギシと辛い展開が続くのが解せないけども、この小説は結構刺さると思う。
NKHの朝ドラでぜひこの作品をドラマ化して欲しいですね。
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