2020年に一番ハマった作家 青山美智子さんの小説を全て紹介します。
日常に疲れたり、人と比べてしんどくなった心をそっと癒してくれる素敵な言葉をくれるとても温かい作風が特徴な作家さんです。
ぜひ読んで貰いたいので参考にして見てください。
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[2022年版]青山美智子の小説 全作品紹介 おすすめ・感想・新作随時更新
青山美智子さんとは
1970年生まれ、愛知県出身。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。(※Amazonより出典)
1.木曜日にはココアを(2017年)
川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。
わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。
小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集。
読み終わった後、あなたの心も救われるやさしい物語です。
評価 6/10
喫茶店「マーブル・カフェ」を起点に12編の短編が登場人物と共にバトンリレーしていく展開。
1話目を読んだ時点でオチがわかってしましましたが、それぞれの話に全てが上手くリンクしてる物語は読んでいて面白いです。
心温まるココアの様な優しいお話なんですが、ショートストーリーで、清々しい話の中に色があって上手い作家さんだなあと思います。
2.猫のお告げは樹の下で(2018年)
評価 7/10
短編仕立てで、登場人物が繋がる毎度の展開。
人生に思い悩む人達が受け取るお告げの葉っぱに書かれた言葉が導くって、ファンタージ仕立てな作品なんだけど、やっぱりこの人の綴る言葉がとても響くんですよね。
どの話も、年齢も、悩みも違うのに感情移入の度合いが強くて、なんだか真剣に考えてしまう。
2話目は、親子関係の悩みだったけど家族を電車に例えてた話が素敵だった。
最初は一緒に乗っていたって、いつか乗り継ぎ駅がきて、子どもは違う場所へと行ってしまう。
それまで隣に座っていたのに。同じ景色を見ていたのに。
揺られながらいろんな話をしたのに。
自分がどこに居るのか分からなくなったり、夢を諦めるのか迷ったり、色んな人の人生に介入してくるお告げの猫「ミクジ」と宮司さん。
とても心優しい物語で、きっとみんなの人生にも寄り添ってくれる素敵なお話。
毎回青山さんを読むと、突き刺さった言葉のフレーズをメモしまくる手が止まりません。
受け取ったモノが多すぎて、今日から凄く頑張れると思う気持ち良さがあります。
3.鎌倉うずまき案内所(2019年)
評価 8/10
令和から昭和の終わりまでを6年毎に遡る時代を跨いだファンタジー作品。
人生にはぐれた人達の背中を押してくれる「鎌倉うずまき案内所」
迷いとか、後悔とか、辛い深い傷を癒してくれる小説。
ただのファンタジーではなくて、張り巡らされた伏線が物語全体に仕掛けられてるので、何度も読んで、読む度にあの人を探してしまう。
伊坂さんの初期の作風が好きなら、これはハマると思います。
4.ただいま神様当番(2020年)
評価 7/10
毎朝バス停に並ぶ、5人の顔ぶれによる5話の短編。
OL、小学生、高校生、外国人教師、社長と全然違う境遇の人達の持ってる悩みを上手く表現して、解決していく姿が相変わらず見事です。
不思議と劣等感とか抱いてしまうのは、良くも悪くも、いい部分しか見えないSNSに慣れすぎてる今の時代。
勝手に劣等感抱いて、嫌悪感を持って、疲れてしまう若者たち。
何者かになろうともがいたり、苦しんだり大変だ。
みんな苦労知らずに見えても、絶対何かを乗り越えてるはずです。
それでも、日常も考え方も、見方次第で人生が変わるっていいよね。
青山さんの本を読むと、本当に前向きな気持ちになって楽しいです。
雰囲気的には、2作目の「猫のお告げは〜」みたいなテイスト。
前作みたいにリンクしながら他のキャラが出たり、前作のアイドルが出たりと、青山ワールドも読んでてワクワクします。
自分から世界に参加していこう。腕を伸ばして、この手でしっかりとつかんで。
青山さんの本を読むと、本当に前向きな気持ちになって楽しいです。
5.お探し物は図書室まで(2020年)
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
評価 9/10
大人になって人生に迷ったり、小さな頃からの夢を諦めたり、やりたかった事を忘れている人に読んで欲しいと思うそんな本。
迷ってる時って自分以外の周りが輝いて見えたり、嫉妬してしまったりするのですが、そんな時にちょっと冷静になって考え方を改めるのが大事だなぁと。
あの人も、この人も、みんな何か悩みを抱えながら生きてるわけだけど、こんな風に少しでも気づくだけで諦めてた何かに挑戦できるんだね。
見方ひとつで世界が変わる。なんて素敵なんだろう。
5つの短編の中での繋がりも良かった。
人ってどこかで、知らず知らずのうちに誰かに希望や夢を与えているんだよ。
無駄だと思ってたことも、失敗だと思ってたことも、巡り巡って誰かの背中を押してくれるかもしれない。
ぐるぐる回るメリーゴーランド。
この言葉とても好きでした。
6.月曜日の抹茶カフェ(2021年)
その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。
ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶屋問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。
この縁は、きっと宝物になる――。
人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、
一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。
『木曜日にはココアを』のおなじみのメンバーも登場するシリーズ続編です。
評価 6/10
青山さん6冊目となる最新作は、デビュー作「木曜日にはココアを」の続編となる作品。
お馴染みのマーブルカフェのマスターをはじめ、あの人たちにまた会いに行ってきました。
続編ですが、これ単体で読んでも大丈夫。
ココアも抹茶も、温かい人達と癒される言葉の数々で、しっかりと疲れた人達の心を癒してくれます。
人はこの瞬間にも出会って、すれ違い、また新しい人に出会ってるのだけど、そんな一人一人の縁には沢山の物語が詰まってます。
誰かの言葉に救われたり、背中を押してもらえたり、自分じゃ気づけなかったことに気づかせてくれる。
心の隙間をそっと埋めてくれる優しさに溢れた作品です。
京都は、糺の森や鴨川デルタなど、馴染み深い場所も出てきました。
世の中には縁が溢れてるなと、改めて思い返しました。
どのエピソード読んでも、共感度高いし、ほっこり気分になりました。
青山さんの作品って、知ってる人に何人会えるかな?って楽しくなりますね。
7.赤と青とエスキース(2021年)
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。
評価 7/10
タイトルにあるエスキースとは、下絵のことらしいです。(これ知ってるとめっちゃお洒落な気がします。)
メルボルンで描かれた1枚の絵が30年旅をする6篇の短編集。
ブーとレイから始まった物語は、様々な繋がりを経て、歳を重ねていくんですね。
最初は、「これ青山さんの本だよね?」と不思議に思ってましたが、章を重ねるごとに出てくる青山さんらしさ。
人生を後押ししてくれる感じ、居場所はここにあるってことを気づかせてくれます。
まさに新境地的な作品で、今までとは少しテイストが変わりましたが、読後感が素晴らしい余韻に包まれてます。
帯に余計なこと書いてあったので、読みながら予想はしてたけどいい物語の作り方でしたね。
8.マイ・プレゼント(2022年)
そんなときは、美しい絵画と言葉を味わいながら、ゆっくり自分と向き合ってみるのもいいかもしれません。
本書は、新進気鋭の水彩作家・U-ku(ゆーく)氏のアートから受けるインスピレーションをもとに、ハートフル小説の旗手・青山美智子氏が短い物語を綴った特別な作品集。
読む人によっても、読むタイミングによっても、まったく違う景色を見せてくれる本書の中には、今のあなただけが受けとれる、何かのヒントが詰まっているかも。
評価 6/10
青山さんの新作は、48篇収録のショート・ショート作品。
しかも、1話ごとに作品に合わせた水彩作家(赤と青とエスキースの表紙を描いた方)の絵が入ってる文章だけじゃなく、視覚的にも楽しめます。
どの詩もシンプルなんだけど、切なさや嬉しさなどの想いがしっかり詰まっていて、読んでてグッとくる言葉が多かったですね。
青色と混ざり合った水彩画が感情とリンクしたとても綺麗な作品で、優しさに包まれるような読後感が多かったです。
9.いつもの木曜日(2022年)
『木曜日にはココアを』に繋がる温かな物語。その12編の物語に登場したワタル、朝美、えな、泰子、理沙、美佐子、優、ラルフ、シンディ、アツコ、メアリー、そしてマコ。
これは彼、彼女たちがあの日に出会う前の物語。そんな前日譚を田中達也さんが作ったミニチュアとともに読む、
絵本のような小説です。カップにココアが注がれるその瞬間を味わってください。
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10.月の立つ林で(2022年)
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。
評価 8/10
今回も得意の連作短編集で、登場人物たちが同じポットキャスト聞いて見えない場所で影響し合って、繋がる素敵なストーリーです。
どの作品も自分の現状に満足いかなくて悩みを抱えて生きてる登場人物が多いのですが、気づいたら自分の行動とか言葉で、誰かの人生に影響を与えてるんですよね。
表からは見えなくても、誰かに視点が変わるとそれが分かるんですよ。
月がテーマとなって、それをポットキャストを通じてみんなが知って、月を見上げる場面を想像するだけで美しいです。
青山さんらしい、優しさに包まれる温かい作品で、他の話へのリンクの仕方と最後の章で全てが繋がった瞬間の素晴らしさに感動でしたね。
11.ユア・プレゼント(2022年)
美しい絵画と優しい言葉のコラボレーションが、あなたの心にそっと寄り添ってくれるはず。
日々を懸命に生きる自分へのご褒美にも、大切な人への贈り物にも最適な一冊です。
評価 6/10
マイ・プレゼントに続くU-kuさんとのコラボショート・ショート2作目。
前作が青で、今回は赤。まるであの作品のタイトルみたい。
印象が変わる赤い色の水墨画は、より一層力強く感じますね。
ポエムみたいな詩が癒しや気づきをくれて、何度も読み返したい素敵な言葉が詰まってます。
ちょっとの気持ちの変化で、簡単に今日も、未来も変わってしまうなぁとしみじみ感じてしまいました。
12.リカバリー・カバヒコ
評価 6/10
同じマンションに住む立場や年齢の違う住人が、公園の遊具「カバヒコ」に悩みを打ち明けて、身近な人達と共に悩みを解消していく連作短編。
誰もが自分に置き換えてもおかしくない様な内容だったので、結構万人に通じるお悩み解決になってると思います。
個人的に好きだったのは、小学生の駅伝の話。
幾つになっても「やってみないとわかんないじゃん」って精神は、常に持ち合わせておきたいね。
青山さんは、人の心に寄り添った優しい作品が多いけど、どれもこれも背中を押してくれて、疲れた現代人にはとてもいい薬になる物語ばかりですね。
ただ、作品が増えれば増えるほどに、展開が見えてくるので感動は薄れていくかなぁ…。
<アンソロジー>ほろよい読書(2023年)
麗しい女性バーテンダーと下戸の青年の想いを繫ぐカクテル、本音を隠した男女のオイスターバーでの飲み食い対決、父の死後に継母と飲み交わす香り高いジン、少女の高潔な恋と極上のテキーラ、不思議な赤提灯の店で味わう日本酒……。
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立ち読み感覚で雑誌の斜め読みしたり、好きじゃなかったら適当に止める事にも罪悪感ありません。
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