東野圭吾「マスカレードナイト」感想 2017年新作は待望の仮面ホテル

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東野圭吾さん待望の新刊が9/17に発売と言う事で早速読みました。

今年の新作第2弾となるのは「マスカレード・ナイト

「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」に続く3作目となります。

新田・山岸の名コンビが今回も大活躍。あらすじや感想レビューをどうぞ。

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あらすじ

累計250万部突破 「マスカレード」シリーズ最新作

若い女性が殺害された不可解な事件。警視庁に届いた一通の密告状。
犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!? あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。

 

感想 評価8/10

新刊が「マスカレード」シリーズって事を知ってから、正直「まだ続くのか?」思いとかなり無理矢理感を感じました。

だってホテルと警察ってそんなに繋がる??

 

お店で本を見た時に短編じゃないし、また同じホテルだし、1作目みたいな話になるのかな?と思いつつもやっぱり購入。

早速読み始めるとまた「この展開かよ」と思う位にお決まりの設定。

映画「有頂天ホテルと被るよ」なんて思いながらも、この物語はホテルの中じゃないと出来ないので、「物語の幅は広がらないんじゃない?」と思って読んでいた

 

だけどもやっぱり東野さん。本当に見事なストーリーの広がりを見せます。

事件の捜査で潜入しつつも、あれこれとホテルの方でも動き回る独創性のある物語

「本当にホテルマンってここまでやるの?」と思う様な事まで、対応していくので結構気になる事は沢山ありましたが、凄いと思う話の解決の仕方はお見事。

 

ホテルのお客様は皆仮面を被っているわけですが、これは1作目同様に本当に上手いです。

全く誰が怪しいのかも分からない。(怪しくても判断材料がちょっと少なくてアンフェアな感じもありますが。)

事件と共に色々な伏線がサイドストーリーと共に浮かび上がります。

中盤に至っても、事件はあまりに進展しないので、宿泊客の方にしか目が向かないんですよね。

でも、本当はそれで良かったんだと読み終わった後に知る事になるとは、思いも寄らない展開です

ラストは「これ確実に映画化あるだろう?」と思われるドキドキのシーンがいっぱい。

一気に動き出した物語は、最後の最後まで予想外の展開にしか転がりませんでした。

ただ本当の最後のネタばらしのシーンはなぜ供述と言う形にしたのだろうか?

一気にスピードが落ちてしまって、そこまで保ってた熱が冷めた感があります・・・。

 

しかし、これ犯人と動機とを当てられる人一体どれ位いるのでしょうか?

操られてる共犯者の部分は良いけども、そもそもの事件の背景の部分が薄すぎて結構後付の感じがしてしまいます。

不倫関係が実は知り合いで、脅していたって所までもね。

ちょっと日下部存在を大きく出してミスリードするのは良いけども、判断材料がちょっと少なかった気がしますね。(これが非常に残念)

もっと相棒刑事の能勢を活躍させてくれたら良かったのにと、その部分だけ残念に思います

エンタメ性をアップさせすぎて、肝心のミステリーの部分がちょっと抜け落ちてる感はありますが、それでも久しぶりに東野さんの作品で良かった長編じゃないでしょうか

山岸さんがロスに行ってしまうと言う事ですが、加賀さんの代わりになんとか上手く物語作って続いて欲しいですね。

 

最近の東野さんの中では長編で面白い作品だと思います

 

最近の東野さんと言えばガリレオシリーズと加賀恭一郎シリーズという人気シリーズがほぼ終わりを告げる様な形になり代表作が終わってしまいました。

現在シリーズ化して行ってるのが東野さん得意の雪山物語「白銀ジャック」からの派生モノと今回の「マスカレード」シリーズですよね。

雪山の方は個人的には魅力が弱いので、正直かなり評価低いんですよね。

かなりライトな映像化向け作品って感じ。

マスカレードの方は、設定がホテルという限られた空間なので、シリーズは難しいか?と思ってましたが、なんとか無理矢理にも詰め込んでまとめていってくれてます。

正直4作目はホテルと言うのが難しいんじゃないか?と言う気もしますが、新田のキャラを生かしつつ、上手く物語を作ってくれないかと期待しています。

久しぶりに本格ミステリーを読ませて欲しいですね。

 

Amazonのレビューもチェック

先に1作目の「マスカレードホテル」は読んだ方がいいですね。

2作目のマスカレード・イブの感想はこちら

 

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