東野圭吾さんの作品全部網羅した大ファンの私が紹介する2012年の作品。
「歪笑小説」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「虚像の道化師」「禁断の魔術―ガリレオ8」なんと1年に4本の作品をリリース。
短編作品が多いですが、どれも外れ無しの面白さと感動を与えてくれました。
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2012年発売の作品の紹介と感想
歪笑小説
あらすじ
新人編集者が目の当たりにした、常識破りのあの手この手を連発する伝説の編集者。自作のドラマ化話に舞い上がり、美人担当者に恋心を抱く、全く売れない若手作家。出版社のゴルフコンペに初参加して大物作家に翻弄されるヒット作症候群の新鋭…俳優、読者、書店、家族を巻き込んで作家の身近は事件がいっぱい。ブラックな笑い満載!小説業界の内幕を描く連続ドラマ。とっておきの文庫オリジナル。
評価 6/10
『怪笑』『毒笑』『黒笑』に次ぐブラックユーモアの詰まった短編集。
前作の『黒笑小説』からの繋がりがあったりするので、ぜひ先に読んで頂きたい。
本に携わる作家、編集者などの日常を面白おかしく描いてるので、リアルに見えてしまいます。
出版業界の裏側を感じられるので、本好きな方には堪りません。
東野さんクラスだからこんな事を書けるのでしょうが、そのギャップがとてもブラックです。
軽く笑いながら読むには最適な作品。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
あらすじ
夢をとるか、愛をとるか。現実をとるか、理想をとるか。人情をとるか、道理をとるか。家族をとるか、将来をとるか。野望をとるか、幸せをとるか。あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は…。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。
レビュー 評価8/10
東野さんの中では珍しいファンタジー小説。
『秘密』とか『時生』を髣髴させるような物語で心温まる結末が待っています。
ラストのナミヤ雑貨店店主のお話はなんとも言えませんね。
やっぱり何を書いても平均点以上の作品になりますが、これは素晴らしい話だと思います。
映画にもなるみたいなので、あまり期待しないで観たいものです。
虚像の道化師
あらすじ
<引用>
指一本触れずに転落死させる術、他人には聴こえない囁き、女優が仕組んだ罠…刑事はさらに不可解な謎を抱え、あの研究室のドアを叩く。
レビュー 評価6/10
『容疑者Xの献身』で社会現象並みに人気となった「ガリレオシリーズ」の続編短編集。(単行本では4話収録ですが、文庫は7話収録)
ドラマを見て以降は湯川=福山さんのイメージしか出てこなくなるのが怖い(笑)
初期から比べるとかなり科学から離れて行ってしまったなと思う本作。
悪くは無いんですが、湯川の人柄の変化やドラマに都合よく使い易く物語を形成してるのかなと思う部分が引っ掛かる。
初期の頃の方がトリックなど含めて面白かった。
禁断の魔術―ガリレオ8
あらすじ
高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古芝伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある“企み”に気づくが…。
レビュー 7/10
『禁断の魔術 ガリレオ8』のラストに書かれた小説に加筆し、長編化した作品です。
知らずに読んでたら、なぜか「めっちゃ読んだ事あるな」と思ってしまいました。
帯に当たり前のように「シリーズ最高傑作」と描かれていましたが、確かに湯川の人間味は最高だと思います。
でも、容疑者Xの衝撃は越えられない。それだけは言えます。
それでもシリーズの中では楽しめる作品である事は間違いないです。
2012年のお勧めは
ほぼ全部外れないと思います。
でも、1冊なら間違いなく「ナミヤ雑貨店の奇蹟」でしょうね。
近年珍しい心温まるファンタジーって事が、他の作品と比較しても特に強いと思います。
読者を飽きさせない試みと何を書いても名作を創れる能力は本当に素晴らしいです。
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