住野よる「また、同じ夢を見ていた」感想・ネタバレ 幸せについて考えたくなる素敵な物語

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最近ハマった住野よるさんの「また、同じ夢を見ていた」を読みました。

青くて痛くて脆い」を読んでからキミスイのイメージが一気に崩れて、この人の描いた物語をもっと知りたいなと思うようになったんですよね。

それでは感想とネタバレをどうぞ。

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住野よる「また、同じ夢を見ていた」

あらすじ

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。学校に友達がいない“私”が出会ったのは手首に傷がある“南さん”とても格好いい“アバズレさん”一人暮らしの“おばあちゃん”そして、尻尾の短い“彼女”だった―

感想 評価8/10

あらすじを見た時にちょっとファンタジー系のお話かなと思って予想していました。

なんかこの人の本は表紙のデザインが素敵なんですよね。

思わずジャケ買いしたくなる様な、物語を見据えた感じのデザイン。

辻村深月さんの本にも共通するこの感覚って、他の作家さんでは普段感じないんですけどね。

 

話が脱線しましたが物語の流れです。

主人公は小学生の少女。

普段から一人で本を読んで、同い年の子達に対して斜に構えてる感じのちょっと大人びた子。

両親も仕事が忙しいので、あまり相手をして貰えない家庭。

そんな感じなので、教室に友達と言える子が居なくて、いつも昼休みは図書室で過ごし、放課後は毛皮を被った猫の友達と一緒に大人の女性”アバズレさん”や”おばあちゃん”の所に遊びに行って話をするのが日常。

 

ある日出逢った手首に傷のある高校生の”南さん”とも仲良くなって、日常の相談を彼女達にして楽しく過ごしているんです。

ただその3人とも日常の生活の陰に何かしらの謎が隠れているんですね。

・南さんは喧嘩したままに親を亡くし、自分の人生に孤独を抱える。

・アバズレさんは、賢いのだけど周りと同調できず孤立してしまった。

・おばあちゃんも、大切な人に寄り添えなかった過去を抱える。

 

そして、自分の過去に犯してしまった小さな過ちのおかげで、一生後悔していることを告げ、彼女たちは泣いてしまう。

この悩みを打ち明けた時、この女性たちと少女がもう会えなくなるんですが、この展開って大体タイトルと合わせれば分かりますよねw

 

主人公は、未来の自分と夢の中で出逢ってしまったんです。

そこで、今自分の抱える悩みが引き起こす未来を、大きくなった自分に説得される訳なんですね。

誰にでもやり直したことは沢山あると思うのですが、その瞬間後悔しても、行動しなければ未来は変わらないと言う事を伝えてくれてるんです

幸せは、あっちからやっくるものではなく。
こっちから、選んで手にするものだから。

最後に書かれてたおばあちゃんの言葉が印象的でした。

 

お気に入りのフレーズ集

人生はリレーの第一走者みたいなものだもの。自分が動き出さなきゃ、何も始まらない。

人生は何があっても、自分から動かないとダメって事ですね。

人生とはプリンと一緒だ。

人生には苦いところがあるかもしれない。
でも、その器には甘い幸せな時間がいっぱい詰まってる。
人は、その部分を味わうために生きているんだ。

この言葉カッコよすぎました。

幸せとは、自分が嬉しく感じたり楽しく感じたり、大切な人を大事にしたり、自分のことを大事にしたり、そういった行動や言葉を、自分の意思で選べること。

この自分の意思で選べるってことが重要ですね。

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