2020年に読書ブロガーが読んだ160冊からおすすめ小説TOP20紹介

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2020年に読んだ本の中から、印象に残った作品TOP20作品を紹介します。

今年読んだ本の数は160冊オーバーですが、その中で特に面白かった作品や感動した作品をランキングにしましたのでどうぞ。

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2020年に読書ブロガーが読んだ160冊からおすすめ小説TOP20紹介

20.佐藤雫「言の葉は、残りて」

あらすじ
海沿いの地にある鎌倉幕府。美しい景色とうらはらに、そこには陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻いていた。そんな中、若き三代将軍・源実朝のもとに、摂関家の姫・信子が嫁いでくる。突然の縁談と異国の地に不安を覚える信子だったが、実朝の優しさと生まれて初めての海の匂いに包まれ、次第に心をゆるしていく。一方の実朝も、信子が教えてくれた和歌の魅力に触れ、武の力ではなく言の葉の力で世を治めたいと願うようになる。しかし、殺戮さえいとわない醜い権力争いが、ふたりを否応なく悲しみの渦に巻き込んでいく―。

評価 7/10

頼朝死去の後に3代目の将軍となった源実朝と摂関家の姫として嫁ぐ事になった信子の物語。ジャンルとしては歴史恋愛小説ですね。

時代が時代なので、家柄による権力争いが酷いのですが、その中で武力よりも言葉の力にどんどん魅了されていく実朝の姿がとても美しく想像出来ました。

作者の言葉のセンスとかも素晴らしいのだけど、多分この時代と実朝が好きなんでしょうね。 ラストはきっと涙無しではいられない切ない気持ちが溢れ出てきます。

佐藤雫「言の葉は、残りて」を読んだ感想 心に残った名言

19.伊坂幸太郎「逆ソクラテス」

あらすじ
逆境にもめげず簡単ではない現実に立ち向かい非日常的な出来事に巻き込まれながらもアンハッピーな展開を乗り越え僕たちは逆転する!無上の短編5編(書き下ろし3編)を収録。

評価 8/10

伊坂さんの作家生活20年目の短編集全5話。

珍しく小学生が主人公の物語ですが、どのお話も授業で教えてくれない大切な事をとても考えさせてくれます。

1話目だけでも元取れた気分になるので、これ超おすすめです。

18.市川憂人「ジェリーフィッシュは凍らない」

あらすじ
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者のファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場!

評価 8/10

インスタで見て気になった帯で買ってしまった、どんでん返しミステリー。

あの名作である「十角館の殺人」への挑戦って、読まないとダメでしょう

めちゃくちゃヒントが散りばめられたクローズドミステリーで、ほぼ犯人察してしまうはずなのにあの名前見て「やられたわ…」と一気にページを戻してしまう虚しさ。

展開的に分かった気になってたのにあの青年そこで出てくるんか…と思ってしまう絶妙な上手さがありましたね。

流石にこの展開にはお手上げです。見事なミステリーでした。

 

17.小川糸「ライオンのおやつ」

あらすじ
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた――食べて、生きて、この世から旅立つ。すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。

評価 8/10

余命を生きる人が入るホスピスを描いた作品。

2020年の本屋大賞2位となった作品です。

読む前から泣ける作品は避けて通りたかったのですが、あまりにも絶賛の嵐だったので読んで見たらやっぱり10回くらい泣いてしまいました。 余命1年とかって言われると命の儚さに失望してしまう立場なのに、今を生きることの大切さをこれだけ伝えられるとね。

自分一人で生きてるって思ってても、誰かに助けられ、自分も誰かにとっての光となる存在で居る事を忘れちゃいけない。

とても素敵な人生を大切にしたいと思える1冊です。

 

16.雫井脩介「望み」

あらすじ
東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登と校正者の妻・貴代美。二人は、高一の息子・規士と中三の娘・雅と共に、家族四人平和に暮らしていた。規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡する途絶えてしまった。心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも…。息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い―。

評価 8/10

映画化した話題作は、めちゃくちゃ面白くて一気読みでした。

生か死か?次に息子に会う時は、加害者か被害者かと言う究極の2択。

もう、300ページを一気に新幹線で読んでしまって、ラストは涙を止めるのが大変だった。(いきなりあの展開は焦ります)

ネタバレになるからあまり言えませんが、雫井さんの大当たりは、めっちゃ揺さぶられるね。

 

15.彩坂美月「向日葵を手折る」

あらすじ
父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。 分校の同級生と心を通わせはじめた夏、集落の行事「向日葵流し」のために 植えられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。 同級生たちは「あれは向日葵男のしわざだ」と噂するが、さらに不穏な出来事が続き……。 あざやかに季節がめぐる彼女の4年間と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、 烈しくも切ない青春ミステリ。

評価 8/10

450Pで見事に描かれた青春ミステリーです。

田舎の閉塞感と不穏な空気が重々しくて、ミステリアスで先が気になる展開の描き方が上手く、分厚いながらも前半から謎が謎を呼んでページをめくる止まらない。

後半に差し掛かると、一気に事件が動き出し、全体像が見えた頃には登場人物の印象がガラッと変わってしまいます。

事件の真相に儚さを感じながらも最後には、号泣させられた見事な終わり方でした。

 

14.天祢涼「希望が死んだ夜に」

あらすじ
神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって―。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。

評価 8/10

ミステリーであり、貧困家庭にある問題点を指摘した社会派小説です。

天祢さん初めて読みましたが、これはハマりそうな読みやすさと見事な物語の構成です。 2人の少女の気持ちにかなり入り込めて、涙流しながら読んでしまいました。

 

13.寺地はるな「水を縫う」

あらすじ
「男なのに」刺繍が好きな弟の清澄。「女なのに」かわいいものが苦手な姉の水青。「愛情豊かな母親」になれなかったさつ子。「まっとうな父親」になれなかった全と、その友人・黒田。「いいお嫁さん」になるよう育てられた祖母・文枝。普通の人なんていない。普通の家族なんてない。世の中の“普通”を踏み越えていく、6人の家族の物語。

評価 7/10

家族それぞれの視点で語られる短編でありながら、全ての話が繋がっていて各々の想いが詰まった物語になってます。

男の子が手芸をしたり、女の子がかわいい服を否定したり、母親らしい母親になれなかったり、自分のしたい事を我慢してきた祖母。

普通って言われると、普通って誰が決めたの?多数決?って聞き返したくなるんだけど、そんな言葉を噛み締めたくなる言葉が沢山詰まってます。

「明日、降水確率が50パーセントとするで。あんたはキヨが心配やから、傘を持っていきなさいって言う。

そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。

今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、結構気持ちええかもよ。 あんたの言うとおり傘持っていっても晴れる可能性もあるし。

あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。」

それぞれが、それぞれの視点で気づきを与えてくれる家族の物語でした。

寺地さんはお勧めだらけで本当にこれからもっと活躍しそうです。

寺地はるな「水を縫う」感想レビュー・心残った名言紹介

 

12.砥上 裕將「線は、僕を描く」

あらすじ
小説の向こうに絵が見える! 美しさに涙あふれる読書体験両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。

評価 9/10

水墨画を描く絵師を題材にした、壮大なヒューマンドラマ。

とてもライトなタッチで読みやすい小説なんだけど、描いてる命の様がとても力強い作品。

心の再生とか、救いとかってかなり重くなる話を水墨画と対峙する事で、絵と一緒に表現するのが凄く上手かったですね。

 

11.浜口倫太郎「お父さんはユーチューバー」

あらすじ
宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学五年生の海香は絵を描くことが大好き。将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。そんなある日、父親の勇吾が宣言した。 「俺はユーチューバーになる! 」 宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く、家族小説。

評価 8/10

馬鹿みたいに単純で、真っ直ぐで、熱い愛情のこもった親子と親友達の物語。

久しぶりにこんなに真っ直ぐな言葉で、熱い想いを感じる本に出逢いました。

号泣度高すぎて、タオル持ってないと読めないです。

浜口倫太郎「お父さんはユーチューバー」感想 レビュー 心に残った名言

10.ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

あらすじ
優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。落涙必至の等身大ノンフィクション。

評価  10/10

イギリスで国際結婚をした日本人女性ライターさんと、中学生の息子さんとの生活を綴った日々のエッセイです。(小説じゃないけどこれは本当に読んで欲しいから入れた)

イギリスという国に対する赤裸々な日常や問題点など、同じ島国でも移民の少ない日本に住んで居る私たちにはリアルに経験できない様な事が描かれています。

階級社会を見てると未来の日本は、もっとこうなってしまうのかな・・なんて思ってしますね。 宗教に政治になんでこんなに無関心なんだろうと恥ずかしくなる。

多様性を受け入れられる様に、もう少しモノの見方や考え方をフラットにならないとダメだよねって思う。

 

9.川越宗一「熱源」

あらすじ
故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。

評価 9/10

北海道、サハリンを舞台にアイヌ民族の史実を元に描いた壮大な物語です。

明治維新から昭和までの間にアイヌの地に起こった悲劇は、文明のもたらす人間の悲惨な現実。

平穏だった島に勝手に侵略して、誰かの国の民族に生まれ変わる運命って何だろう。

サハリンなんて北海道からすぐそこなのに、こんなにも近い存在の事まで知らないんだと思い知らされる内容でした。

圧倒的な熱量で描かれるので、最後まで本当に熱い熱がこもってました。 日本人なら知っておきたい過去の歴史なので、いつか北海道のウポポイも行ってみたいです。

2019年の直木賞受賞作です。

 

8.恩田陸「ドミノin上海」

あらすじ
上海のホテル「青龍飯店」で、25人(と3匹)の思惑が重なり合う――。 もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく。

評価 9/10 

恩田さんの隠れた名作「ドミノ」の続編。

偶然は必然である」と言うキャッチフレーズがバッチリ合う、ジェットコースターの様なエンタメ小説です。 上海を舞台にするものの、出て来るキャラは前回の延長線にあり懐かしい感じ。

今回の主役は表紙の通りパンダ。

厳厳と言うこの最高のパンダの描き方によって、この小説の価値がとても上がります。 色んな偶然が必然的に重なり、ドミノの様に倒れていく先にある物語はニヤリと笑えて、最高に楽しい時間でした。

 

7.小川糸ツバキ文具店」

あらすじ
鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

評価 9/10

鎌倉を舞台にした手紙を代筆する文具店での人と人を繋ぐ、とても優しく、少し不思議な物語です。

日本の四季と鎌倉の素敵な街の情景を思い浮かべながら読んでるだけでも、情緒溢れる良い作品なんだけど、出て来る人達がまた魅力的。

色んな形の手紙を介して想いを伝えるだけでは無く、その人その人の想いと、思い出に寄り添った文章や文字によって構成された手紙が見事なんです。

 

6.青山美智子「お探し物は図書館まで」

あらすじ
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

評価 9/10

大人になって人生に迷ったり、小さな頃からの夢を諦めたり、やりたかった事を忘れている人に読んで欲しいと思うそんな本。

迷ってる時って自分以外の周りが輝いて見えたり、嫉妬してしまったりするのですが、そんな時にちょっと冷静になって考え方を改めるのが大事だなぁと。

あの人も、この人も、みんな何か悩みを抱えながら生きてるわけだけど、こんな風に少しでも気づくだけで諦めてた何かに挑戦できるんだね。

見方ひとつで世界が変わる。なんて素敵なんだろう。

 

5.伊吹有喜「犬がいた季節」

あらすじ
ある日、高校に迷い込んだ子犬。生徒と学校生活を送ってゆくなかで、その瞳に映ったものとは―。最後の共通一次。自分の全力をぶつけようと決心する。18の本気。鈴鹿でアイルトン・セナの激走に心通わせる二人。18の友情。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件を通し、進路の舵を切る。18の決意。スピッツ「スカーレット」を胸に、新たな世界へ。18の出発。ノストラダムスの大予言。世界が滅亡するなら、先生はどうする?18の恋…12年間、高校で暮らした犬、コーシローが触れた18歳の想い―。昭和から平成、そして令和へ。いつの時代も変わらぬ青春のきらめきや切なさを描いた、著者最高傑作!

評価 9/10

18歳という人生の岐路。そんなタイミングれ生まれる恋や友情、決意や出発など、誰もが共感するかつての自分がそこに描かれています。

タイトルからして犬の一生を描いてるのかな?最期は悲しいのかな?って感じで読み始めたのですが、犬の物語というよりは、犬が見てきた生徒たちの3年間の物語が6つの短編となっています。

時代感を肌で感じて思い出しながら、とってもとっても愛おしい関係の生徒達の姿を想像して胸を締め付けられる想い。

青春の甘さ、ほろ苦さを感じながらも、大人への階段を登り、一人また一人と前に進んでいく生徒達の姿がとても輝いてましたね。

 

4.藤岡陽子「手のひらの音符」

あらすじ
デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語!

評価 10/10

序盤は結構辛い話の連続で、想像したく無い様なシーンもあるのですが、そんな逆境を乗り越えて行く強い絆を持った兄弟の姿が勇気をくれます。

人にはそれぞれ闘い方がある」という言葉に強く胸を打たれた。

純愛でありながらも、家族とか、仕事とか、バブル時代の裏にある光と闇を描いた作品

 

3.伊吹有喜「雲を紡ぐ」

あらすじ
壊れかけた家族は、もう一度、ひとつになれるのか?羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた「時を越える布」ホームスパンをめぐる親子三代の心の糸の物語。

評価 10/10

伝統、故郷、家族をめぐる3世代の心の糸の物語。 掛け違えてしまった家族の再生の物語と共にホームスパンを紡ぐ、岩手の美しき情景が浮かんでくるとても美しい小説です。

細かい工程と共に、モノ作りへの拘りがとても細かく描かれていて読んでて面白かった。 こう言ったモノ作りに込めた想いが小説になってまた違う世代、知らない人達に伝わっていくのはとても素晴らしいですね。

父の作る家電だって、故郷や家業を捨てても、心意気だけはそこに詰まってる。

それを黙って使い続ける祖父の姿も素敵です。

「必要なのは、美しいものを美しいと感じられる素直な心だ」

決して言葉の多くない祖父でしたが、一言一言に重みがありましたね

伊吹有喜「雲を紡ぐ」を読んだ感想レビュー 心に残る名言 [直木賞候補]

2.吉田修一「国宝」

あらすじ
1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」―侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?

評価 10/10

インスタでずっと気になってた吉田修一さんの記念作品は、事前情報を凌駕するくらいの過去最高の物語。

上下で700Pを超える大作ですが、あっという間に読み切れるノンストップの胸踊る熱い熱い情熱が篭ってましたね。

歌舞伎に興味が無くても、あっという間にこの世界に浸れてしまい、2人の男の生き様にとにかく感動させられました。

自分の中で傑作の最上位に居る「海賊とよばれた男」「容疑者Xの献身」「蜜蜂と遠雷」に並ぶ名作です。

 

1.ディーリア・オーエンズ「ザリガニの鳴くところ」

あらすじ
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。

評価 10/10

もう今年はこれを超える作品はないだろうと、読み終わった瞬間に思った最高の1冊

本当に出会えて良かった名作は、5月からずっと頭の中に残っていました。

2019年アメリカで一番売れた小説。

これはミステリーでもあり、少女の一生を描いた壮絶で、とても美しい文学でした。

親に捨てられて湿地で独りで生きる事になった少女の生き様を読者が共に生きていく、そんな錯覚を見せられる。

湿地に広がる原風景はとても雄大で、美しく、儚い動物たちの生命の現実を教えてくれた。

500Pを超える超大作なのに、読んだが最後の眠れない本となってしまい、最後の50P位はずっと涙が止まらない展開。

それなのにラスト2Pで衝撃の真実を知ると・・・。

ここ数年で一番の読書体験をさせてくれた名作です。

 

まとめ

今年は本当にコロナ渦で娯楽に飢える1年でしたが、お陰でいつも以上に読書は捗りましたね。

インスタの読書アカウントも1万人を超えるフォロワーさんに恵まれ、今まで以上に紹介するのが楽しくなりました。

来年がどうなるかわかりませんが、ゆっくりと100冊くらいは小説読みたいなと思ってますので、また良かったら見にきて下さいね。

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