藤岡陽子「手のひらの音符」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

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藤岡陽子「手のひらの音符」を読みました。

昔を少し懐かしみながら、少年期を過ごした人達を思い浮かべたくなる作品。

とても辛い時期を乗り越えた少女達は、大人になってから一体どんな気持ちでいるのかと、考えさせられる感動作。

感想やレビューをどうぞ。

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藤岡陽子「手のひらの音符」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

藤岡陽子「手のひらの音符」あらすじ

あらすじ
デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。

途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。

お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。

〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物

感想 評価 8/10

独りで生きるのは平気だけど、時々はだれかと触れ合いたいと思った。

会社の事業撤退で人生の岐路にたたされた45歳の水樹。

そんなタイミングで中学時代の先生の入院を知らされ、地元に帰省する事になる。

幼少時代に過ごした家族、幼馴染、友人達の記憶が蘇っていく…。

 

最近色んな形の家族や誰かを想う愛おしい物語を読んでましたが、今回はまた素晴らしい作品に出逢えました。

昔を振り返り、学生時代の先生達の顔を思い出しながら、「あの頃何してたかな?あの子何してるのかな?」と急に懐かしい気分にさせてくれる物語。

地元にある幼い頃からの思い出。

いい思い出も、嫌な思い出も、時間が経つとどんどん忘れてしまう。

それでも、一番楽しかったあの時の記憶って、どれだけ年を重ねても忘れられないものになってると思います。

それが、どれだけ悲しく、辛い思い出になっていても。

 

人はいつだって、知らない間に一生のさよならをしてる。

毎日毎日、朝から夕方まで、ウンザリするくらい同じ時間を過ごしていたこの旧友たちとだって、もう二度と会うことはないのかもしれない。

この頃は一生会わなくなる日がくるなんて考えもしなかったのに。

大切な人たちだったのに、誰ともきちんとさよならをしてない。

人と人との繋がりは、出逢いの一点はいつも明確なのに別れの一点はたいてい曖昧で、後で思えば伝えたいことはたくさんあったのに最後にどんな言葉を交わしたのか、思い出せない。

人と人とが別れる時、それが最後になることをお互い知っている別れは、この世にどれくらいあるのだろう。

子供の頃って毎日会えるのが当たり前だと思って過ごしてたから、こんな事考えたことを無かった。

大人になって分かる一期一会の大切さ。

 

序盤は結構辛い話の連続で、想像したく無い様なシーンもあるのですが、そんな逆境を乗り越えて行く強い絆を持った兄弟の姿が勇気をくれます。

人にはそれぞれ闘い方がある」という言葉に強く胸を打たれました。

 

「どんなに遅れてもいいから全力で走ってこい。半周遅れでも一周遅れでもいい。

必死に走って来てバトンを渡せ、って。そうしたら自分も全力で走れるから。

リレーってそういうもんじゃ無いかって、後輩たちに向かって手を差し出した。

バトンを渡した先に何があるかはわからない、諦めるな。

受け取る側にとっては、バトンをもらう時の順位よりも、どんな気持ちでそのバトンが渡されたか、そのほうが重要なんだって」

色んな場面で手を差し伸べてくれた優しい彼。

兄を亡くしながらも、懸命に弟を守り、自分の人生を懸命に生きた強い彼。

27年間の想いの果てにあるラストが、本当に良かったです。

 

独りで生きるのは平気だけど、時々はだれかと触れ合いたいと思った。

同じ景色を見て、一緒に笑ったり泣いたり、幸せを感じたり。

手を握り、体の重みを感じたかった。

でもそのだれかはあなたとしか考えられなくて、不器用で救いようがないと思いながら、自分らしいと思って生きてきた。

ラストに辿り着くためのストーリーだけど、その生き方や気持ちの持ち方に感銘を受けました。

誰もが目に見えるような輝かしい人生を歩んでいるわけじゃなくて、目に見えない部分の苦悩の果てに今があるのかもしれない。

純愛でありながらも、家族とか、仕事とか、バブル時代の裏にある光と闇を描いた作品でした。

マチネの終わりにとか好きな人は、多分合うんじゃないかと思います。

感傷的になるけど、読後感は悪くないし、とても温かい音符に触れられて優しい気持ちになれそうです。

 

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