このミステリーがすごい1位。鮎川哲也賞受賞など、デビュー作にして3冠を獲った話題作を読みました。
超ド級の現代版本格ミステリーで、「この手があったか」と唸らせてくれる手法に驚きを隠せない作品。
これから読む人はネタバレを読まずに素直に読み始めるのがおすすめですよ。
それでは感想をどうぞ。
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今村昌弘「屍人荘の殺人」
あらすじ
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。
合宿一日目の夜、映研のメンバーたちと肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!!
究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!
奇想と本格ミステリが見事に融合する選考委員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!
感想 評価8/10
デビュー作がいきなり3冠達成と言う事で、本屋で大々的に飾られていた話題作。
年末という事で、「本格ミステリーだし読んでみようか」と手に取ってしまったが最後。
夜も眠らずに一気読みしてしまいました。
・大学生
・夏休みのペンションでの合宿
・ミステリー愛好会の明智
初っ端からこんな設定を目にしてめっちゃシンプルに王道かよと早くも期待がw
物語自体はラノベに近い軽さで読みやすいストーリー性と会話やキャラで非常にペラペラと読み進んで行くんだけど、急に訪れたたった一つの出来事を界に思考停止させられた・・・。
これネタバレすぎるので実際に読んで欲しいのだけど、アメリカのドラマや映画で人気のアレです。
全く予想してなかったので一瞬チープなネタものかと思ったけど、あくまでもクローズドサークル(雪山や孤島と同じで閉じ込める設定)をソレによって作ってしまったのだ。
しかも、そこから密室殺人とソレを上手く絡めた今までに無い設定の事件が起きて行くのだ。
特にヒントの出し方がアンフェアではなかったので、ほとんど読み返せば納得できるレベル。
2つ目のエレベーターに関しては実現性が分からないけども…。
これ一見インパクトと奇抜さで終わってしまいそうな物語の構成なんだけど、その後の展開をどっちつかずで上手く進める事で、先が気になって止まらせない巧さがありました。
結構な人数出てくる割には、キャラ設定が分かりやすいし、名前の付け方って結構重要なんですね。
多分本格好きの人間にはネタ的な感じで受け入れられない要素ではあると思うけど、この発想は非常に面白いなあとやられた感が満載でした。
あえて何も書かないのは、本当に何も知らずに読んで貰いたい作品だから。
あらすじだけ読んで興味持ったなら読んで貰いたい作品です。
レビューとか見てしまうと、一気にソレに抵抗感が出るかもしれないのでね。
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