久しぶりに辻村作品の続きを読み始めました。
本当なら去年全部読むはずが、6作品くらいしか読めませんでしたからねw
今回は、「ぼくのメジャースプーン」と言うタイトルからは想像できないお話です。
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辻村深月「ぼくのメジャースプーン」
あらすじ
感想 評価8/10
前に読んだ「冷たい校舎の時は止まる」から「子供たちは夜と遊ぶ」の2作で完全に休憩したくなった辻村作品。
途中短編集などを挟んでの、久しぶりの再会が本書となりました。
読み始めから今作はとっつきやすくて、ペース早めに章が区切ってあるので毎晩1章読んでも2週間掛からないです。(これ位なら普段2日あれば読めるけど、辻村ワールドは噛み締めたいのでゆっくり読みます。)
ほのぼのとした小学生の学校生活が語られる物語の序盤から、なんとなく良い空気感でこのあと不幸が訪れるのは信じられないなぁと思ってたら、悲劇はやって来ました。
これって実際にあった話をモチーフにしてるのかどうかは分からないけど、実際にあってもおかしくないような残酷な事件を元に心を閉ざしてしまう女の子。
信じられない位のことを平気で書いて、そのリアルさがまた憎たらしいほどあるんですよね。
そこで主人公にある力があった事に気付いてしまい、それで犯人を自分の力で罰してやろうと言うのがこの物語になってます。
これ小学生であるのが凄い違和感があるのだけど、アキ先生との会話での友達を守る為に自分にできる最善の手段を考える会話はとても考えさせれる訳です。
こう言った話には本当に答えは人それぞれ違うわけで、人は弱いわけで、自分勝手なわけで、話はまとまらないんですが、作者はそこに逃げずに覚悟を決めて書いてます。
この言葉の重さにはとても感動させてれて、最後のぼくの行動がすべてだったんじゃないのかな。
でも、そこは正直驚きのラストでしたね。
作者の言葉の通り素晴らしい作品です。
正直重い内容なんですが、人は命ある限り色んな命を奪って生きているので、その価値を改めて考えながら生きていきたいなと再確認できる本。
ぜひ辻村さんの作品に興味がある方はおすすめです。
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