東野圭吾さんの2018年の最新作「沈黙のパレード」が発売されました。
待ちに待った大人気シリーズの一つである、ガリレオシリーズの新刊と言う事もありとても楽しみにしていました。
今回は、予想を上回る極上のミステリー物語だったので感想をどうぞ。
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東野圭吾「沈黙のパレード」書評
あらすじ
感想 評価9/10
東野圭吾さんの大人気物語であるガリレオ先生の誕生から早20年。
今作で9作目となる話は6年ぶりの新刊となります。
前回の教え子との事件を最後に、ニューヨークに渡った湯川が帰国した後の物語。
事件の概要
その遺体の1つは、3年前に東京で失踪した女の子でした。
見つかった家は、その女の子を気にしていた男の実家であり、その男を逮捕するが黙秘して男は釈放される。
その男は23年前にも草薙の手により殺人事件の犯人とされていたが、無罪となり釈放されていたのである…。
そんな中たまたま事件の被害者家族の住む街にアメリカ帰りの湯川が住んでいた。
街一番のお祭りのパレードの日に殺される事件の犯人。
容疑者は彼女を愛した普通の人々。
悲しき復讐劇の行方の真相とは、はたして何だったのか?
コナン君ばりに偶然が重なると凄い事になるんだと思うのだけど、今回の偶然は凄いなと感心するほどに面白い始まり方。
事件の背景は、殺人事件の犯人の2つの証拠不十分からの逃れ。
証拠がなく、警察が介入できない殺人犯への当事者たちの凄まじき復讐心が明らかに。
複数の人達が引き起こした事件の真相
複数の人が関わる殺人事件ってそんなにある訳じゃないけども、関わる人が増えれば増えるほどにボロが出やすくなるのが特徴ですよね。
今回も完璧かと思われたアリバイ工作にも穴があり、そこから攻められると人間性の弱そうな人から落とされていく訳ですね。
でも、一人が落ちようが、二人が落ちようが、そんな簡単な事件じゃなかったんですね。
真相はそんなに浅はかな所にはありませんでした。
戸高と新倉ありきでこの事件は成り立ってるものだと思ったら、23年前の事件まで関わってるのか?
あの部屋の住居人 増村が実は、23年前の事件の被害者の兄であったと言う衝撃は素直に驚いた。
そんな偶然があってたまるのかと思うレベルです。
素直にリレー形式で犯行への手順が解明して行くのだけど、手を下したのが実は新倉であったと言う事は判明した時にはなぜ?って言う疑問が浮かんだ。
だって、並木は「娘が殺された真相を聞きたかったはず。」
正直これが知れなかったら、殺す意味が無いよね。
じゃあ何で新倉は殺してしまったかと言うと、実は妻の留美が佐織を殺していた。
これが事件の真相でした…。(実は、まだ先があるのだけど…)
まさかこんな裏まで仕込んであったのかと思うレベルで、驚きの連続でした。
蓮沼が並木に真実を吐いてしまうと、自分が殺した事がバレる恐れがあるので、並木がお店から出れなくなる為に刺客を送り込んだと言う事。
あの腹痛のおばさんは、初来店なのにメニュー知ってるっておかしいとは思ってたけど、こんな裏工作の仕込みがあったんですね。
でも、驚愕なのはこの後にまだ事件の真相が隠されていたんですよ。
本当は、留美が佐織を殺してはいなかったと言う可能性が高いと言う事…。
転倒後に蓮沼が遺体を移動した際に実はまだ生きていて、そこでトドメを刺された可能性が高いと言う犯人志望の後に闇に葬られた真相…。
あれ?結局、蓮沼が犯人なんだね。
これを知って、犯行の供述を変えてしまった新倉夫妻。
最終的にどうなったのかは分かりませんが、嫌な終わり方にはなりませんでした。
今回の物語はすごく組み立てられた、とにかく素晴らしい事件の背景でした。
「さまよう刃」で描いた復讐劇。
「容疑者Xの献身」や「悪意」で描いた見事なミステリーのプロット。
加賀恭一郎シリーズで描いた温かい人間模様。
こんな感じで今までの東野作品を沢山感じながら、ガリレオ先生「湯川教授」の今を感じられる素晴らしさ。
最後のページに刻まれた、「親友の悔しい思いを晴らしてやりたかった」と言う言葉が印象的でした。
それにしても、偶然の招いた感じの描き方でしたが、今回の街の人間模様を思うと食堂と街のお祭りの雰囲気がピッタリ合って非常に楽しめたと思います。
意外性が非常に多くて、とても楽しめる作品で間違いなくガリレオ作品の最高傑作の誕生でした。
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