2020年に読んだ本の中から、印象に残った作品TOP20作品を紹介します。
今年読んだ本の数は160冊オーバーですが、その中で特に面白かった作品や感動した作品をランキングにしましたのでどうぞ。
[ad#co-1]
2020年に読書ブロガーが読んだ160冊からおすすめ小説TOP20紹介
20.佐藤雫「言の葉は、残りて」
評価 7/10
頼朝死去の後に3代目の将軍となった源実朝と摂関家の姫として嫁ぐ事になった信子の物語。ジャンルとしては歴史恋愛小説ですね。
時代が時代なので、家柄による権力争いが酷いのですが、その中で武力よりも言葉の力にどんどん魅了されていく実朝の姿がとても美しく想像出来ました。
作者の言葉のセンスとかも素晴らしいのだけど、多分この時代と実朝が好きなんでしょうね。 ラストはきっと涙無しではいられない切ない気持ちが溢れ出てきます。
19.伊坂幸太郎「逆ソクラテス」
評価 8/10
伊坂さんの作家生活20年目の短編集全5話。
珍しく小学生が主人公の物語ですが、どのお話も授業で教えてくれない大切な事をとても考えさせてくれます。
1話目だけでも元取れた気分になるので、これ超おすすめです。
18.市川憂人「ジェリーフィッシュは凍らない」
評価 8/10
インスタで見て気になった帯で買ってしまった、どんでん返しミステリー。
あの名作である「十角館の殺人」への挑戦って、読まないとダメでしょう。
めちゃくちゃヒントが散りばめられたクローズドミステリーで、ほぼ犯人察してしまうはずなのにあの名前見て「やられたわ…」と一気にページを戻してしまう虚しさ。
展開的に分かった気になってたのにあの青年そこで出てくるんか…と思ってしまう絶妙な上手さがありましたね。
流石にこの展開にはお手上げです。見事なミステリーでした。
17.小川糸「ライオンのおやつ」
評価 8/10
余命を生きる人が入るホスピスを描いた作品。
2020年の本屋大賞2位となった作品です。
読む前から泣ける作品は避けて通りたかったのですが、あまりにも絶賛の嵐だったので読んで見たらやっぱり10回くらい泣いてしまいました。 余命1年とかって言われると命の儚さに失望してしまう立場なのに、今を生きることの大切さをこれだけ伝えられるとね。
自分一人で生きてるって思ってても、誰かに助けられ、自分も誰かにとっての光となる存在で居る事を忘れちゃいけない。
とても素敵な人生を大切にしたいと思える1冊です。
16.雫井脩介「望み」
評価 8/10
映画化した話題作は、めちゃくちゃ面白くて一気読みでした。
生か死か?次に息子に会う時は、加害者か被害者かと言う究極の2択。
もう、300ページを一気に新幹線で読んでしまって、ラストは涙を止めるのが大変だった。(いきなりあの展開は焦ります)
ネタバレになるからあまり言えませんが、雫井さんの大当たりは、めっちゃ揺さぶられるね。
15.彩坂美月「向日葵を手折る」
評価 8/10
450Pで見事に描かれた青春ミステリーです。
田舎の閉塞感と不穏な空気が重々しくて、ミステリアスで先が気になる展開の描き方が上手く、分厚いながらも前半から謎が謎を呼んでページをめくる止まらない。
後半に差し掛かると、一気に事件が動き出し、全体像が見えた頃には登場人物の印象がガラッと変わってしまいます。
事件の真相に儚さを感じながらも最後には、号泣させられた見事な終わり方でした。
14.天祢涼「希望が死んだ夜に」
評価 8/10
ミステリーであり、貧困家庭にある問題点を指摘した社会派小説です。
天祢さん初めて読みましたが、これはハマりそうな読みやすさと見事な物語の構成です。 2人の少女の気持ちにかなり入り込めて、涙流しながら読んでしまいました。
13.寺地はるな「水を縫う」
評価 7/10
家族それぞれの視点で語られる短編でありながら、全ての話が繋がっていて各々の想いが詰まった物語になってます。
男の子が手芸をしたり、女の子がかわいい服を否定したり、母親らしい母親になれなかったり、自分のしたい事を我慢してきた祖母。
普通って言われると、普通って誰が決めたの?多数決?って聞き返したくなるんだけど、そんな言葉を噛み締めたくなる言葉が沢山詰まってます。
そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。
今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、結構気持ちええかもよ。 あんたの言うとおり傘持っていっても晴れる可能性もあるし。
あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。」
それぞれが、それぞれの視点で気づきを与えてくれる家族の物語でした。
寺地さんはお勧めだらけで本当にこれからもっと活躍しそうです。
12.砥上 裕將「線は、僕を描く」
評価 9/10
水墨画を描く絵師を題材にした、壮大なヒューマンドラマ。
とてもライトなタッチで読みやすい小説なんだけど、描いてる命の様がとても力強い作品。
心の再生とか、救いとかってかなり重くなる話を水墨画と対峙する事で、絵と一緒に表現するのが凄く上手かったですね。
11.浜口倫太郎「お父さんはユーチューバー」
評価 8/10
馬鹿みたいに単純で、真っ直ぐで、熱い愛情のこもった親子と親友達の物語。
久しぶりにこんなに真っ直ぐな言葉で、熱い想いを感じる本に出逢いました。
号泣度高すぎて、タオル持ってないと読めないです。
10.ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
評価 10/10
イギリスで国際結婚をした日本人女性ライターさんと、中学生の息子さんとの生活を綴った日々のエッセイです。(小説じゃないけどこれは本当に読んで欲しいから入れた)
イギリスという国に対する赤裸々な日常や問題点など、同じ島国でも移民の少ない日本に住んで居る私たちにはリアルに経験できない様な事が描かれています。
階級社会を見てると未来の日本は、もっとこうなってしまうのかな・・なんて思ってしますね。 宗教に政治になんでこんなに無関心なんだろうと恥ずかしくなる。
多様性を受け入れられる様に、もう少しモノの見方や考え方をフラットにならないとダメだよねって思う。
9.川越宗一「熱源」
評価 9/10
北海道、サハリンを舞台にアイヌ民族の史実を元に描いた壮大な物語です。
明治維新から昭和までの間にアイヌの地に起こった悲劇は、文明のもたらす人間の悲惨な現実。
平穏だった島に勝手に侵略して、誰かの国の民族に生まれ変わる運命って何だろう。
サハリンなんて北海道からすぐそこなのに、こんなにも近い存在の事まで知らないんだと思い知らされる内容でした。
圧倒的な熱量で描かれるので、最後まで本当に熱い熱がこもってました。 日本人なら知っておきたい過去の歴史なので、いつか北海道のウポポイも行ってみたいです。
2019年の直木賞受賞作です。
8.恩田陸「ドミノin上海」
評価 9/10
恩田さんの隠れた名作「ドミノ」の続編。
「偶然は必然である」と言うキャッチフレーズがバッチリ合う、ジェットコースターの様なエンタメ小説です。 上海を舞台にするものの、出て来るキャラは前回の延長線にあり懐かしい感じ。
今回の主役は表紙の通りパンダ。
厳厳と言うこの最高のパンダの描き方によって、この小説の価値がとても上がります。 色んな偶然が必然的に重なり、ドミノの様に倒れていく先にある物語はニヤリと笑えて、最高に楽しい時間でした。
7.小川糸ツバキ文具店」
評価 9/10
鎌倉を舞台にした手紙を代筆する文具店での人と人を繋ぐ、とても優しく、少し不思議な物語です。
日本の四季と鎌倉の素敵な街の情景を思い浮かべながら読んでるだけでも、情緒溢れる良い作品なんだけど、出て来る人達がまた魅力的。
色んな形の手紙を介して想いを伝えるだけでは無く、その人その人の想いと、思い出に寄り添った文章や文字によって構成された手紙が見事なんです。
6.青山美智子「お探し物は図書館まで」
評価 9/10
大人になって人生に迷ったり、小さな頃からの夢を諦めたり、やりたかった事を忘れている人に読んで欲しいと思うそんな本。
迷ってる時って自分以外の周りが輝いて見えたり、嫉妬してしまったりするのですが、そんな時にちょっと冷静になって考え方を改めるのが大事だなぁと。
あの人も、この人も、みんな何か悩みを抱えながら生きてるわけだけど、こんな風に少しでも気づくだけで諦めてた何かに挑戦できるんだね。
見方ひとつで世界が変わる。なんて素敵なんだろう。
5.伊吹有喜「犬がいた季節」
評価 9/10
18歳という人生の岐路。そんなタイミングれ生まれる恋や友情、決意や出発など、誰もが共感するかつての自分がそこに描かれています。
タイトルからして犬の一生を描いてるのかな?最期は悲しいのかな?って感じで読み始めたのですが、犬の物語というよりは、犬が見てきた生徒たちの3年間の物語が6つの短編となっています。
時代感を肌で感じて思い出しながら、とってもとっても愛おしい関係の生徒達の姿を想像して胸を締め付けられる想い。
青春の甘さ、ほろ苦さを感じながらも、大人への階段を登り、一人また一人と前に進んでいく生徒達の姿がとても輝いてましたね。
4.藤岡陽子「手のひらの音符」
評価 10/10
序盤は結構辛い話の連続で、想像したく無い様なシーンもあるのですが、そんな逆境を乗り越えて行く強い絆を持った兄弟の姿が勇気をくれます。
「人にはそれぞれ闘い方がある」という言葉に強く胸を打たれた。
純愛でありながらも、家族とか、仕事とか、バブル時代の裏にある光と闇を描いた作品
3.伊吹有喜「雲を紡ぐ」
評価 10/10
伝統、故郷、家族をめぐる3世代の心の糸の物語。 掛け違えてしまった家族の再生の物語と共にホームスパンを紡ぐ、岩手の美しき情景が浮かんでくるとても美しい小説です。
細かい工程と共に、モノ作りへの拘りがとても細かく描かれていて読んでて面白かった。 こう言ったモノ作りに込めた想いが小説になってまた違う世代、知らない人達に伝わっていくのはとても素晴らしいですね。
父の作る家電だって、故郷や家業を捨てても、心意気だけはそこに詰まってる。
それを黙って使い続ける祖父の姿も素敵です。
決して言葉の多くない祖父でしたが、一言一言に重みがありましたね
2.吉田修一「国宝」
評価 10/10
インスタでずっと気になってた吉田修一さんの記念作品は、事前情報を凌駕するくらいの過去最高の物語。
上下で700Pを超える大作ですが、あっという間に読み切れるノンストップの胸踊る熱い熱い情熱が篭ってましたね。
歌舞伎に興味が無くても、あっという間にこの世界に浸れてしまい、2人の男の生き様にとにかく感動させられました。
自分の中で傑作の最上位に居る「海賊とよばれた男」「容疑者Xの献身」「蜜蜂と遠雷」に並ぶ名作です。
1.ディーリア・オーエンズ「ザリガニの鳴くところ」
評価 10/10
もう今年はこれを超える作品はないだろうと、読み終わった瞬間に思った最高の1冊。
本当に出会えて良かった名作は、5月からずっと頭の中に残っていました。
2019年アメリカで一番売れた小説。
これはミステリーでもあり、少女の一生を描いた壮絶で、とても美しい文学でした。
親に捨てられて湿地で独りで生きる事になった少女の生き様を読者が共に生きていく、そんな錯覚を見せられる。
湿地に広がる原風景はとても雄大で、美しく、儚い動物たちの生命の現実を教えてくれた。
500Pを超える超大作なのに、読んだが最後の眠れない本となってしまい、最後の50P位はずっと涙が止まらない展開。
それなのにラスト2Pで衝撃の真実を知ると・・・。
ここ数年で一番の読書体験をさせてくれた名作です。
まとめ
今年は本当にコロナ渦で娯楽に飢える1年でしたが、お陰でいつも以上に読書は捗りましたね。
インスタの読書アカウントも1万人を超えるフォロワーさんに恵まれ、今まで以上に紹介するのが楽しくなりました。
来年がどうなるかわかりませんが、ゆっくりと100冊くらいは小説読みたいなと思ってますので、また良かったら見にきて下さいね。
お得に本を読むならこれがお勧め
オーディブル
Amazonの月額制の耳で聴く読書「オーディブル」は今イチオシでおすすめです。
- 12万冊の本を聴き放題
- プロの朗読で聴ける
- 移動中や作業中にも耳で楽しめる
- 1ヶ月無料体験できる
発売したばかりの本もすぐ聴けたりするので、月額1500円払っても月に2冊聴けば元が取れるレベルです。
忙しくて本が読めないと言う方に凄くおすすめなんですが、個人的には勉強だったり、小説の再読にもおすすめですね。
最初の30日は無料でお試しできるので、一度体験してみて下さい。
Kindle unlimited
Amazonの月額制の読み放題Kindleunlimitedも使ってます。
こちらは、小説だったり、実用書も多いので、1~2冊お気に入りが読めたら月額980円が安く感じられます。
立ち読み感覚で雑誌の斜め読みしたり、好きじゃなかったら適当に止める事にも罪悪感ありません。
最初の30日は無料で読めますので、ぜひ登録して下さい。(すぐに解約しても30日間無料で使えます)
ブック放題
月額550円で漫画や雑誌が読み放題のサービスです。
立ち読み感覚で楽しめるので、月に2冊ほど読めば元が取れますよ。
お試しで1ヶ月無料で使えるので、ぜひ一度登録してみてください。