[2024年版]寺地はるな 全作品一覧を順番にご紹介(新作・おすすめ・感想)

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寺地はるなさんの小説全作品や読んだ感想など紹介します。

登場人物も、物語も優しくて、読後感はとにかく気持ちいいのが特徴な寺地さん。

ちょっと生きにくい現実やモヤっとする言動だったり、人間関係に言葉でメスを入れてくれる作品が多いです。

寺地はるな 全作品一覧を順番にご紹介(新作・おすすめ・感想)

寺地はるなさんとは

1977年佐賀県生まれ。

会社勤めと主婦業のかたわら小説を書き始め、2014年『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。(※Amazonより)

 

1.ビオレタ(2015年)

あらすじ
婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、ひょんなことから雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店だった…。人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。

評価 6/10

恋人に婚約破棄された女性(妙)の再生の物語なんだけど、働き始めた雑貨屋さんが「棺桶」を売ってる風変わりな店主 菫さんのお店。
道端で泣いてた妙に対して、「不幸な自分に酔うのはやめなさい」とパンチのある言葉をかける菫さん。
雑貨屋で棺桶?って思いながら読み始めたのですが、死んでしまった人を入れるわけではなくて、忘れられない記憶や思い出の品を入れる美しい箱です。(ガラスの海は骨壷でしたね)

棺桶を求めやってくるお客も、主人公たちも、みんなどうしようもない感情を抱えている人たちばかりで、一部共感できて、一部クズぽっくて、人間らしいなと思いながら読めました。

モヤモヤと共感が上手く混じった主人公の成長具合が、同じような自分に自信のない人の背中を上手く押してくれそうな気がして心地よかったと思います。

 

2.ミナトホテルの裏庭には(2016年)

あらすじ
祖父から大正末期に建てられた宿泊施設「ミナトホテル」の裏庭の鍵捜しを頼まれた芯輔。金一封のお礼につられて赴いた先は、「わけあり」のお客だけを泊める、いっぷう変わったところだった。さらには失踪したホテルの猫も捜す羽目になり…。温かな涙に包まれる感動作。

3.月のぶどう(2017年)

あらすじ
大阪で曽祖父の代から続くワイナリーを営み、発展させてきた母が亡くなった。美しく優秀な母を目標にしてきた姉の光実と、逃げてばかりの人生を送ってきた弟の歩は、家業を継ぐ決意をする。四季の巡りの中、ワインづくりを通し、自らの生き方を見つめ直していく双子の物語。

4.今日のハチミツ、あしたの私(2017年)

あらすじ
蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる―。「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。それから十六年、三十歳になった碧は恋人の故郷で蜂蜜園の手伝いを始めることに。頼りない恋人の安西、養蜂家の黒江とその娘の朝花、スナックのママをしているあざみさん…さまざまな人と出会う、かけがえのない日々。心ふるえる長篇小説。

5.みちづれはいても、ひとり(2017年)

あらすじ
子供はいなくて、しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で、今は職を探している弓子39歳。男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股はかけない、不倫はしない、独身で休職中の楓41歳。ひょんなことから弓子の逃げた夫を探す、不惑女二人の旅路。

6.架空の犬と嘘をつく猫(2017年)

あらすじ
あんたは社会にとって、なんの役にも立ってない子」そう言われて育った羽猫家長男の山吹。だけど彼が大人になり、みんなの“嘘”が解かれたとき、本当の家族の姿が見えてくる。今大注目の作家寺地はるなが描く、ちょっと変わった家族小説。これは、それぞれが破綻した嘘をつき続けた家族の、素敵な物語―。

7.大人は泣かないと思っていた(2018年)

あらすじ
隣の老婆が庭のゆずを盗む現場を押さえろと父から命じられた翼。ところが、捕らえた犯人もその目的も、まったく予想外で―(「大人は泣かないと思っていた」)。バイト先のファミリーレストランで店長を頭突きし、クビになったレモン。その直後、母が倒れたと義父から連絡が入って…(「小柳さんと小柳さん」)他、全7編。人生が愛おしくなる、魔法のような物語。

評価 8/10

親子、恋人、友情と愛のこもった作品です。

生きるって大変だけど、そんな大変な人生だからこそ誰かと生きていきたいと思う。

最後の「一緒にいられてうれしいなと思って」でモヤモヤした感情が一気に抜け落ちて、ふわっと涙腺崩壊でした。

寺地はるな「大人は泣かないと思っていた」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

8.正しい愛と理想の息子(2018年)

あらすじ
コンビを組む二人は違法カジノで働いていたが失敗ばかり。今度は偽宝石売りでも騙した女に騙され無一文に。切羽詰まったハセは商店街にたむろする老人たちを見て閃いた。これからは、年寄りだ。32歳と30歳。崖っぷち男二人。騙すのは、年寄りだ。さびしさは、利用できる。歪んだ愛を抱え、じたばたする悪党コンビ。注目作家が紡ぐ、泣けるバディ小説!!

9.夜が暗いとはかぎらない(2019年)

あらすじ
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ―?さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。

評価 8/10

1話が2~30ページ程度なのに、寺地さんの描く短編ってめっちゃ印象深いエピソードと言葉で作られてるので、立体感がすごいんですよね。

女性だけじゃなく、赤ちゃんからおじいちゃんまで、どうしてこんなに人の気持ちを代弁できるの?っていつもながらに感心します。

生きるって事に悩んだり、愛する人のために悩んだり、私たちの悩みは常に尽きないけど、そんな心を少しでも軽くしてくれる言葉が詰まってます。

寺地はるな「夜が暗いとはがぎらない」を読んだ感想 心に残った名言

10.わたしの良い子(2019年)

あらすじ
出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。勉強が苦手で内にこもりがちな、決して“育てやすく”はない朔との生活の中で、椿は彼を無意識に他の子どもと比べていることに気づく。それは、大人としてやってもいいことなのだろうか―大人が言う「良い子」って、何?

11.希望のゆくえ(2020年)

あらすじ
突然、失踪した弟。あいつの真実の姿に、僕は辿り着くことができるのだろうか……。弟が放火犯の疑いがある女と姿を消したらしいと、母から連絡があった。僕は彼と交流があった人物に会いに行ったが、弟の印象はそれぞれまるで異なっていた―。弟はどういう人間だったのか。誰のために生きてきたのか。僕たちの声は、弟に届くのだろうか。人生の「希望」とは何かを問う、話題の作家が拓く新境地。

12.水を縫う(2020年)

あらすじ
「男なのに」刺繍が好きな弟の清澄。「女なのに」かわいいものが苦手な姉の水青。「愛情豊かな母親」になれなかったさつ子。「まっとうな父親」になれなかった全と、その友人・黒田。「いいお嫁さん」になるよう育てられた祖母・文枝。普通の人なんていない。普通の家族なんてない。世の中の“普通”を踏み越えていく、6人の家族の物語。

評価 8/10

家族それぞれの視点で語られる短編でありながら、全ての話が繋がっていて各々の想いが詰まった物語になってます。

男の子が手芸をしたり、女の子がかわいい服を否定したり、母親らしい母親になれなかったり、自分のしたい事を我慢してきた祖母。

普通って言われると、普通って誰が決めたの?多数決?って聞き返したくなるんだけど、そんな言葉を噛み締めたくなる言葉が沢山詰まってます。

「明日、降水確率が50パーセントとするで。あんたはキヨが心配やから、傘を持っていきなさいって言う。
そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。
今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、結構気持ちええかもよ。
あんたの言うとおり傘持っていっても晴れる可能性もあるし。
あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。」

それぞれが、それぞれの視点で気づきを与えてくれる家族の物語でした。

寺地はるな「水を縫う」感想レビュー・心残った名言紹介

13.やわらかい砂のうえ(2020年)

あらすじ
砂丘の町で育った万智子は大阪の税理士事務所で働く24歳。顧客のウェディングドレスサロンのオーナー了さんに頼まれ、週末だけお手伝いのアルバイトをすることに。了さんに連れていかれた「あつまり」で万智子は美しくてかっこいい年上の女ともだちに出会う。そんなある日、サロンに早田さんという男性が現れ、人生はじめての「恋」のときめきを感じる万智子だったが…。きれいになるのは誰のためかをぜったい間違えたらあかんで―自分を好きになりたい万智子の、小さな勇気を抱きしめたくなる成長物語。

評価 7/10

自分を好きになれなくて、自信がなくて、他人にも簡単に心が開けない主人公。

俗に言うめんどくさい人って思われるタイプの人間なんだろうけど、めちゃくちゃ心の内面を描くのが上手くて、ハッとされる場面とか、描写が多かった。

女性にはかなり共感する部分があると思うし、男性には過去に見過ごした過ちを反省する部分が沢山あるだろうと思う。

「わたし、なにかが正しいとか、自分はこうする、とかっていう方針はぜったい持っておかないといけないものだと思ってた。今も思ってる」

「でも、それはただ自分が歩くための靴なんだよね。他人を殴るために使っちゃいけないんだって」

寺地さんの心情の細かな表現力と絶妙な言葉選びには本当にハッとさせられます。

寺地はるな「やわらかい砂のうえ」を読んだ感想レビュー 心に残った名言

14.彼女が天使でなくなる日(2020年9月発売)

あらすじ
九州北部にある人口300人の小さな星母(ほしも)島。
そこで育った千尋は1年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。
島には「母子岩」と呼ばれる名所があり、家族・子供・友達のこと……悩みを抱えたひとびとがそのご利益を求めて訪れる。
複雑な生い立ちを抱える千尋は、島の人達とお客さんと触れ合いながら、自らの過去と今を深く見つめていく。
明日への新しい一歩を踏み出す「強さ」と「やさしさ」が心に沁みる、書き下ろし長篇小説。

評価 6/10

島にある民宿が舞台となった5つの短編集で、それぞれに家族や子供に問題や悩みを抱える人達がやってきます。

みんなちゃんとした親になり、良い子に育てたい。という願望を持ってる。

毎回寺地さんの小説を読むと、当たり前だと思わされてたことが全部違和感に感じてしまう。

 

15.どうしてわたしはあの子じゃないの

あらすじ
閉塞的な村から逃げだし、身寄りのない街で一人小説を書き続ける三島天は、ある日中学時代の友人のミナから連絡をもらう。
中学の頃に書いた、大人になったお互いに向けての「手紙」を見つけたから、30才になった今開封しようというのだ――。
他人との間で揺れる心と、誰しもの人生に宿るきらめきを描く、感動の成長物語。

評価 6/10

毎回突き刺さるフレーズの数々で、「うんうん。わかる」と共感の嵐なのですが、今回も流石って思える共感力のある“他人への憧れ・嫉妬・後悔”を綴った田舎町の物語。

誰もが感じる他人への憧れ。

寺地さんってほんとこの辺の感情を上手く描くよなって思う。

ただ最近の話って設定や伝えたい事が似てるので、あまり新鮮じゃなかったのがマイナスです。

 

16.ほたるいしマジカルランド(2021年)

あらすじ
大阪の北部に位置する蛍石市にある老舗遊園地「ほたるいしマジカルランド」。「うちはテーマパークではなく遊園地」と言い切る名物社長を筆頭に、たくさんの人々が働いている。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフ、花や植物の管理……。お客様に笑顔になってもらうため、従業員は日々奮闘中。自分たちの悩みを裡に押し隠しながら……。そんなある日社長が入院したという知らせが入り、従業員に動揺が走る。

評価 6/10

寺地さんの新刊は、テーマパークを舞台とした1週間の物語。

曜日毎に登場人物の視点が変わりながら、その人の抱えてる苦悩や悩みを他の人が気づきをくれる。

社長の優しさや遊園地の存在意義など、感じられることがたくさんあり、そこで働くこと意味とやってくる人の気持ちはやっぱり特別なんだなと。

コロナ時代だからこそ、人に希望とか豊かさの意味を教えてくれる遊園地の物語を描いたのかな?と思ってしまいます。

 

17.声の在りか(2021年)

あらすじ
「こんなところにいたくない」パート帰りの希和が見つけたのは、小学四年生の息子・晴基とそっくりの筆跡で書かれた切実なメッセージだった。本人に真意を問いただすことも夫に相談することもできない希和は、晴基が勝手に出入りする民間学童『アフタースクール鐘』で働きはじめる。マイペースな経営者・要や子どもたちに振り回されながらも、希和はいつの間にか自分の考えを持たない人間になってしまっていたことに気付く。周囲から求められるものでも、誰かからの受け売りでもない、自分自身の言葉を取り戻すためにひとりの女性が奮闘する、大人の成長小説!

評価 7/10

タイトルから、声が出ない人の話かな?と思ってましたが、息苦しい世の中で自分の言葉を失った女性が主人公の物語。

小学生の息子を育てながら、ママ友や夫との会話に本音が出せずに疲れ切った毎日を過ごしている彼女。

そんな彼女の家の近所に出来た民間の学童。

そこを仕切る要さんとの出会いによって、自分の想いに正直になりやがて、本当に伝えたい言葉を取り戻していく物語です。

いやーこの作品も、相変わらず共感の嵐。

日常の中で、心の中に仕舞い込んでしまった本音ありますよね。

人には同調出来ないし、自分の意見もうまく言えない人って生きづらい。

コロナ化において、本音隠してる人もっと増えてると思うし、疲れてる方も物凄く増えてると思う。

この作品読んで、少しでも共感したら、今日から自分変えていけるでしょう。

それくらいの魔法があると良いなと思う作品です。

人間関係って難しいなと思うからこそ、本音の使い方次第で生きるのが楽になるはず。

寺地さんらしい主婦目線の言葉もめちゃくちゃ鋭くて、もっと男性にも届いたら良いのになと思います。

 

18.雨夜の星たち(2021年)

あらすじ
三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。
同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。
他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は「お見舞い代行業」にスカウトされ、移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用をする「しごと」をはじめる。

評価 6/10

今作は他人に興味がなくて、感情を察しない主人公の三葉がお見舞い代行という「しごと」を通して関わり合いをしていく人たちとの日常の物語。

いつもの寺地さんとは違うんだけど、やっぱり寺地さんらしい日常の些細な出来事、言葉、感情をうまく言語化してるんですよね。

「他人の仕事をちゃんとしてるとかちゃんとしてないとか、お母さんが決める権利はないよ」

こういった何気ない一言がとても好きです。

知らない世界を否定したり、自分の思い通りにならないから避難する人って沢山いるけど、それが子どもでもその人の人生なんだから自由にしようよって思う。

見えないものが苦手で、全部はっきり言って欲しい。

これは人によっては難しく感じることもあるけど、ここまで割り切れる性格だと凄いよね。

リルカや姉との関係性とか、毒親の話とか、星崎くんとか、慌ただしく感情を揺さぶられましたね。

ほんと何気ない話なのでピンとこない人も多いかもしれないけど、刺さる人に刺さって欲しい1冊です。

寺地さん読むと人の心や感情を安易な言葉によって簡単に踏みにじれなくなるので、発する言葉にめっちゃ気を使うようになりますね。

 

19.ガラスの海を渡る舟(2021年)

あらすじ
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。

兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。
妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。
正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。
そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。

評価 7/10

今作は、亡き祖父のガラス工房を受け継いだ兄弟の物語。

すごく日常に寄り添った家族の物語と、生と死が淡々と描かれています。

10年間の様子を兄弟二人の目線で進むのですが、最初と最後の印象がガラッと変わったね。

妹の方がとても嫌な感じに思えてましたが、徐々に徐々に兄や周囲の人々に影響されて、理解し、変わっていく。

タイトルの海の通り、広い海の中で彷徨ってる二人が、段々と歩み寄って近づいてくるようなイメージで読み終わりました。

表紙のガラスと海と位置関係が、とても見事に表してるなと本を閉じて思いましたね。

 

20.タイムマシンに乗れないぼくたち(2022年)

あらすじ
人知れず抱える居心地の悪さや寂しさ。
そんな感情に寄り添い、ふと心を軽くする物語

21.カレーの時間(2022/6/8)

あらすじ
僕の祖父には、秘密があった。

終戦後と現在、ふたつの時代を「カレー」がつなぐ
絶品“からうま”長編小説

ゴミ屋敷のような家で祖父・義景と暮らすことになった孫息子・桐矢。カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、半世紀の間、抱えてきた秘密とは――ラスト、心の底から感動が広がる傑作の誕生です。

評価 8/10

「カレーの時間」という、とても美味しそうなタイトルなんだけど、これは生きた時代による価値観をそれぞれの視点で、とても考えさせてくれる1冊でした。

他人なら放っておけばいいお祖父さんも、身内なら頑固でも放っておけないからと、一緒に住むことになった孫。

時代錯誤な行動、発言がもう嫌ってくらいに恥ずかしいのだけど、みんな時代が変わっていく中で譲れない部分、頑固で変われない部分を持ってるんだなと今なら可愛く思えるから不思議。

毎回寺地さんの物語を読むと、いろんな人の視点に物語が変わっていくので、学びが多いです。

 

22.川のほとりに立つ者は

あらすじ
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

評価 7/10

寺地さんの中ではめっちゃ好きになれる話ではないんだけど、ガツンと価値観を正してくれる、学びのある印象深い1冊。

常識なんて、正しさなんて、絶対的な正義はないよね、と改めて思いました。

一方だけじゃなく、いつも多面的に物事を考えさせてくれる気づきの多い作家さんなんですが、人と人の関係においてとても刺さる作品でしたね。

 

23.白ゆき紅ばら(2023年2月)

あらすじ
行き場のない母子を守る「のばらのいえ」は愛と理想を掲げた夫婦が営む。その家に暮らす祐希は、未来のない現実から高校卒業と同時に逃げ出した。幼少のころから一心同体だった紘果を置いて出てきたことをずっと後悔したきた祐希は、二度と帰らないと出てきた「のばらのいえ」に戻る決意をしたがーー。人生の不条理を問い続ける著者の書下ろし長編。

24.わたしたちに翼はいらない(2023年8月)

あらすじ
同じ地方都市に生まれ育ち現在もそこに暮らしている三人。
4歳の娘を育てるシングルマザー――朱音。
朱音と同じ保育園に娘を預ける専業主婦――莉子。
マンション管理会社勤務の独身――園田。
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