西野亮廣さんが表紙のだったので、気になって手に取って見た「新ヒットの方程式」を読みました。
ここ最近のヒット作は「君の名は」「どん兵衛」「えんとつ町のプペル」など全てSNSが絡んでいるんですが、その裏側には一体どんな方程式があってここまでの爆発的な人気となったか?
それを一つ一つ丁寧に読み取っていく面白い作品でした。
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新ヒットの方程式
著者:物延秀さんとは
006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。
※オフィシャルHPより
あらすじ
TwitterやFacebookから流行が生まれ、新語・流行語大賞に「インスタ映え」がノミネートされるなど、
もはやソーシャルメディア発のヒットは当たり前になってきました。それというのも、スマートフォンの普及率が8割近くになり、ソーシャルメディアの利用者数が年々増え続け、
マスメディアによって支えられていた従来のヒットの構造に変化が起きているからです。では、どうすればヒットを仕掛けることができるのか?
SNSで話題をつくりたい方必見のヒットのお手本をSNS分析の第一人者が徹底解説します。
※Amazonより
感想 評価6/10
ここに並ぶ最近のヒット作や話題のワードは全てSNSが絡んでいます。
一言でSNSと言っても「Facebook」「Twitter」「Instagram」など形式や使われる用途・年代もバラバラなネットワーク。
それをどの様に使ってこのワードが話題となったのかを実に詳しく紐解いて、そのデータを公開しているのがこの作品。
なかなか興味深いものが見えてきます。
君の名はのヒットの秘密
ヒットの要因は、ソーシャルメディア上の膨大な口コミ。
本来制作側の狙いとしては、邦画のアニメのヒットの目安となる20億円を突破すれば位の気持ちで作られた作品。
それが公開3日で12億円を突破し、そこから話題となり1ヶ月でなんと100億円を突破しトータル200億円に迫る勢いでした。
スターウォーズ フォースの覚醒が116億円だった事から、その事の凄さが分かります。
ヒットの引き金はRASWIMPSとコラボ。
映画の口コミをカテゴリー別に表した表がこれなんだそうですが、見事に半数を超えるRADWIMPSの話題性が伺えます。
映画なのに映画の核となる部分以上に音楽を際立たせた結果ですね。
見た人なら分かりますが、見事にバンドの音楽が所々で鳴っていて、その情景をアルバムを聴けば思い出す位に印象的なモノになってました。
コアなファンを持つバンドだけにその口コミ数と拡散力が映画の公開前から話題となり、ファンからの発信で映画の宣伝がなされた訳ですね。
これは「君の名は。」自体のエンゲージメント数ですが、公開前って全く話題となって無かったはずが、100万を超える数値となってます。
これがRADWIMPSの音楽を予告に使い、ジワジワとファンの間で話題を作る事で、派手な宣伝は無くとも「映画を観たい」ファンが公開日から殺到したんですね。
そこからは映画のクオリティが重要となるのですが、あの綺麗なアニメーションの情景や印象的なストーリーが口コミとしてどんどん広がります。
そこからはSNSのスピード感とそれを拾うメディアの拡散力を武器に興行収入が増えていきました。
音楽×二次創作というヒットの方程式。
これは過去にも「アナと雪の女王」やドラマ「逃げ恥」でも話題となりましたね。
音楽が主体となった映画は今までもあったはずなんですが、これがここままでもヒットしたのはほんとに異例でしたね。
内容的には「時をかける少女」の方が面白かったけどw
日清どん兵衛のヒット
これ見て「どん兵衛のヒット」ってなんの話?って思った人も多いと思います。
そんなの聞いた事ないし、いつの話だと全く知らない次元で起こってたんですね。
事の発端は、ラジオでのマキタスポーツさんが言った「どん兵衛は10分待って食べると美味しい」の一言。
これをきっかけに誕生したのが「10分どん兵衛」
普通お湯を注いで、5分待って食べる所を10分待つだけの事。
それが #10分どん兵衛 の誕生でSNS上で瞬く間に拡散されます。
ここまでだとただの話題で終わる所なんですが、日清の公式ではこの10分どん兵衛を知りませんでしたと、お詫び共に試食動画をあげて更なる話題を作り出したんですね。
全く知らない所からの派生を上手く公式が掴んだ事で、それを更なるプロモーションに使った例なんです。
しかもその年の売り上げが、発売以来最多になる位の凄い事になったそうです。
私の知らない所でそんな事が起こってたんだと、ビックリする面白い事例でした。
でも、これは本書にも載ってるキングコング西野さんの言葉を使うと、
口コミをデザインしろ。って事ですね。
日清の場合は全く狙ってない所からの棚ぼた的な出来事を上手く拾う人が居て、それをスピーディーに次の行動に移した事が勝算に繋がったんでしょうね。
ここで次の波を上手く作れるのかが、今の時代に乗れる企業かどうかって事になりますからね。
革命のファンファーレのこの言葉大好きです。
ちなみに「新ヒットの方程式」には第3者から見た西野さんのヒットの作り方や筆者と西野さんの対談も書かれています。
ここだけ注目してたんですが、上記の話を中心にSNSの拡散の作り方・エンゲージメント数の大事さなど凄く勉強になりました。