2021年読書ブロガーが読んだおすすめ小説TOP15紹介(2021年発売作品のみ)

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2021年に読書ブロガーが読んで特におすすめだった15作品を紹介します。

今回のランキングは2021年に発売した本の中でまとめましたので、最近の本をチェック出来て無いって方の参考になると思います。

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2021年読書ブロガーが読んだおすすめ小説TOP15紹介(2021年発売作品のみ)

15.坂井希久子「雨の日は、一回休み」

あらすじ
おじさんはひどい。でも、おじさんだってつらい⁉
男性は「そうなんだよ」と共感、女性は「こんな人に困ってる! 」と思わず頷く物語。

評価 7/10

5話の短編の主人公は、みんなおじさん。

時代の変化についていけない頑固な頭の方々が、社会からお荷物扱いされながらも必死に生きようとする気持ちの変化が面白く描かれてます。

連作短編なので、先の話に出てきた人が物語の主人公になり、また違った角度で物語を楽しませてくれます。

「全ては巡ってゆくんだよ。今日の俺は、明日のお前かもしれないいぞ」

これは本当に心に刻みたい言葉。

 

14.吉川トリコ「余命一年、男をかう」

あらすじ
幼いころからお金を貯めることが趣味だった片倉唯、40歳。ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。医師は早めに手術を進めるも、唯はどこかほっとしていた――「これでやっと死ねる」。
趣味とはいえ、節約に節約を重ねる生活をもうしなくてもいい。好きなことをやってやるんだ! と。病院の会計まちをしていた唯の目の前にピンク頭のどこからどうみてもホストである男が現れ、突然話しかけてきた。「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」。
この日から唯とこのピンク頭との奇妙な関係が始まる――。

評価 7/10

日々節約して、投資して、毎日の家計簿を見て、アプリで資産を確認するのが趣味という、周りに一人は居そうなくらい現実的で節約思考のアラフォー女性が主人公。

リアルな話からホストを買うファンタジーな世界になるのですが、家族や周りに癖のある人間ばかり居て、いちいち面白くて見事でした。

後半は契約結婚からの恋愛感情が出てくる話で、ちょっとドラマ化しそうな展開です。

 

13.寺地はるな「ガラスの海を渡る舟」

あらすじ
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。

兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。
妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。
正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。
そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。

評価 7/10

今作は、亡き祖父のガラス工房を受け継いだ兄弟の物語。

すごく日常に寄り添った家族の物語と、生と死が淡々と描かれています。

タイトルの海の通り、広い海の中で彷徨ってる二人が、段々と歩み寄って近づいてくるようなイメージで読み終わりました。

表紙のガラスと海と位置関係が、とても見事に表してるなと本を閉じて思いましたね。

 

12.綾崎 隼「死にたがりの君に贈る物語」

あらすじ
全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリ。だが、人気シリーズ完結を目前に訃報が告げられた。奇しくもミマサカの作品は厳しい批判にさらされ、さらにはミマサカに心酔していた16歳の少女・純恋が後追い自殺をしてしまう。純恋の自殺は未遂に終わるものの、彼女は「完結編が読めないなら生きていても意味がない」と語った。
やがて、とある山中の廃校に純恋を含む七人の男女が集まった。いずれもミマサカのファンで小説をなぞり廃校で生活することで、未完となった作品の結末を探ろうとしたのだ。だが、そこで絶対に起こるはずのない事件が起きて――。
著者自身の根源的な問いを内包する、痛切な青春ミステリ!

評価 7/10

400P近い話なんだけど、読み始めたら続きが気になり300P位を一気読みしてしまいました。

ミステリーの部分は、違和感ありすぎて最初の方で感じた予想通りの展開でしたが、見事に裏切られるラスト。

これは、詳しく書けない内容だけど、アツくて美しい物語でした。

 

11.津村記久子「つまらない住宅地のすべての家」

あらすじ
とある町の、路地を挟んで十軒の家が立ち並ぶ住宅地。
そこに、女性受刑者が刑務所から脱走したとのニュースが入る。
自治会長の提案で、住民は交代で見張りをはじめるが……。

住宅地で暮らす人間それぞれの生活と心の中を描く長編小説。

評価 7/10

脱獄のニュースによって繋がりを持った隣人たちが、お互いを知り、干渉しあう事で、各家庭の持つ事情が少しずつ変化していく様が描かれる芥吾川小作家による群像劇。

日常に非日常が飛び込んでくると、人って変われるのかなと思う。

各家庭の闇と光が見えて、切ないながらも最後には希望が詰まってました。

 

10.町田その子「星を掬う」

あらすじ
小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられた――。

ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。

評価 7/10

「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を受賞した町田さんの新刊は凄かった。

前作が重すぎて、読みながら非常に辛かったのですが、今回も元夫のDVや母の周りの人達の悲しき境遇が連鎖してまた辛い展開なんですよね。

それでも、描き方が非常に丁寧で、それぞれの裏にある想いがちゃんと理解できれば、腑に落ちる言葉がありました。

人間の弱い部分をかなりうまく言葉にしていて、そこでぶつかり合う想いがとてもズキズキ響きましたね。

 

9.今村昌弘「兇人邸の殺人」

あらすじ
魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟”として人気を博す地方テーマパークだった。園内にそびえる異様な建物「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在”による無慈悲な殺戮が待ち受けていた。

評価 8/10

「屍人壮の殺人」から続く剣崎比留子シリーズ3作目。

今回も超意外な形でクローズドサークルになる展開で、また意外な本格ミステリーとなって見取り図と睨めっこして楽しめました。

1作目並みのインパクトがあり、それ以上の推理を広げる楽しみのあるミステリー小説でしたね。

シリーズ物なので最初から読むとより楽しめます。

 

8.一穂ミチ「スモールワールズ」

あらすじ
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

評価 8/10

6つの短編がどれも内容が濃すぎて、読み終わってもどの話も2度、3度読んでしまったはじめましての一穂さん。

悲しいエピソードのラストにあっと驚く展開が待っている話や最後がホラー過ぎて恐ろしい話があり、全体を通して感情が目まぐるしく変わる1冊です。

人間は見た目じゃ分からないし、色んな人の力を借りて生きているなぁとしみじみ思います。

最初の「ネオンテトラ」で人の怖さにあっと驚かされましたが、「ピクニック」読んでホラーかと更に怖くなりました。

最後の「式日」読むとまた「ネオンテトラ」を思い出す。

分かる人には分かる仕掛けが全編にあって、読みながらそのワードが出てくると「あっ」と思います。

比喩表現がとても上手いし、湊かなえさんみたいなゾクゾク感があって楽しめますね。

 

7.伊坂幸太郎「ペッパーズゴースト」

あらすじ
中学の国語教師・檀は猫を愛する奇妙な二人組が暴れる小説原稿を生徒から渡される。さらに檀は他人の未来が少し観える不思議な力を持つことからサークルと呼ばれるグループに関わり始め……。

評価 8/10

もう「伊坂さん得意の小説」って感じでスピード感があり、出てくるキャラや言葉に独自のセンスがあって、やっぱりカッコいいね。

展開で言えば殺し屋系の流れに近いけど、テーマはもっと重い話になってます。

それを感じさせない物語のスピード感と、セリフの言い回しやそれぞれの考え方にすごく前向きな気持ちにさせられます。

ニーチェの永遠回帰をテーマにして、前を向けない人に希望を与えてくれるとても素敵な物語です。

 

6.浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」

あらすじ
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

評価 8/10

就活ミステリーって聞くとライトな感じに思えるけどこれは、コロッと騙され、予想外の読後感。

地雷がばら撒かれて、それが爆発してる感じでドカドカやられました。

全体の構成が見事すぎて、あれも、これもが伏線ってことに気づいたら、この作者の凄さが分かります。

スーツ着て、自分を繕ってるのは就活生だけじゃなく、企業もそうなんで、人事担当の本音を聞いてる時のあるある感が面白かった。

人って表裏見せることでこんなにも簡単に印象が変わるのかと思わされるし、やっぱり人間って面倒くさいなといい意味で嬉しかった。

 

5.知念実希人「硝子の塔の殺人 」

あらすじ
雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、
刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、
ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、
圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。 

評価 8/10

序盤からミステリー小説の歴史を紐解いた会話が繰り出されるのですが、ある程度ミステリーを読んでる方ならニヤニヤが止まらない作家やタイトルが並びます。

懐かしいタイトルやタイトル知ってるけどまだ読んだことのない作品まで、事件に絡ませて語られる。

そうやってオマージュ的な作品かと思えば、裏切られる展開が待ってました。
それも1度じゃなく…。

帯が誇張しすぎですが、ある程度ミステリーを読んでる方なら、すごく楽しめる内容となってますよ。

 

4.羊は安らかに草を食み

あらすじ
過去の断片が、まあさんを苦しめている。それまで理性で抑えつけていたものが溢れ出してきているのだ。彼女の心のつかえを取り除いてあげたい――
アイと富士子は、二十年来の友人・益恵を “最後の旅” に連れ出すことにした。それは、益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。大津、松山、五島列島……満州からの引揚者だった益恵は、いかにして敗戦の苛酷を生き延び、今日の平穏を得たのか。彼女が隠しつづけてきた秘密とは? 旅の果て、益恵がこれまで見せたことのない感情を露わにした時、老女たちの運命は急転する――。

評価 9/10

人生最後の旅で知る認知症になった友人の壮絶な人生の物語。

生きるための選択。大事な人を生かすための選択。

11歳の益恵たちの「生きて帰るためには何でもやらなくちゃ」と言う覚悟に想像もできない重さを感じました。

最後のアレは余分だったのだけど、本当に圧倒された1冊。お見事すぎて何回泣いたか忘れました。

読み始めた頃には想像できなかった壮絶さと絶望感を味わいながらも、読み終わってほっとする自分もいました。

「別れる辛さを思うより、この世で出会えたことを喜びましょう」

 

3.正欲

あらすじ
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、
ひどく不都合なものだった――。

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

評価 9/10

テーマは作中何度も出てくる、多様性と言う言葉に込められてます。

分かったつもりでいたはずの言葉も、この作品を読むと何も知らない自分が恥ずかしくなった。

どれだけ俯瞰して見ていたつもりでも、狭い視野しか持ってなかったと。

誰にも言えない苦しみは、時にして色んな問題を生み出してくる。
だけどそれを理解してくれる人が居たのなら‥。

人間の本当の心の底は見えないし、全てを受け入れることは出来ないからこそみんな我慢して生きているよね。

理解できる世界、受け入れる度量、読みながらすごい考えさせられましたね。

 

2.白鳥とコウモリ

あらすじ
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の”告白”、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

評価  9/10

東野圭吾さん98冊目の作品は、罪と罰をテーマに描くミステリー。

522Pの大ボリュームを一気読みさせるストーリーは本当にお見事すぎて、何度も先を考えながら読み直してましたが、結末は全く予想できない結果になりましたね。

白夜行とか容疑者Xの献身が好きな方なら絶対にはまりますよ。

 

1.西加奈子「夜が明ける」

あらすじ
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった……。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。

評価 9/10

西さん5年ぶりの長編小説は、貧困、虐待に過酷な労働環境や人間関係での苦しみまで、現代社会が抱える問題がテーマとなってました。

ページをめくればめくるほど落ちていく暗い夜の闇の中で、途中何度も辛くなってしまう場面もありました。

最後の30ページくらいから、後輩 森さんの言葉で涙が止まらなかった。

読んでる途中は息苦しいし、とても辛いんだけど、この本に出逢えてよかったと思える素晴らしさ。「サラバ」時とは全然違う西さんだけど、やっぱ凄いわ。

 

2021年に読んだ本144冊全て紹介[おすすめ読書・感想]12/28更新

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