会話はポップなのに物語は結構スリリング。出てくるキャラも一筋縄ではいかない伊坂幸太郎さんの作品。
ハマる人は次々と読みたくなる要素がたくさんある著者なんですが、当たり外れがあるのも事実。
最初に読んで欲しいハズレのない名作を10作品一挙に紹介します。
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伊坂幸太郎おすすめ小説ベスト10作品ランキング 迷ったらまずこれ
10.死神の精度
<感想>
これは死神の千葉が出てくるへんてこりんな物語。
短編集ながらもちょっとずつ伏線があるので、最後には不覚にも涙しましたよ。
サラッと読めるんだけど、ほんと内容は素晴らしくて最高ですよ。
9.AXアックス
<感想>
殺し屋シリーズ第3弾となる作品。
「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く物語なので、前2作は先に読んだ方がキャラや展開がわかりやすいです。
とにかく恐妻家の殺し屋という設定でもう笑いまくり。
ラストまで目が離せない展開に釘付けでした。
8.サブマリン
<感想>
陣内再び登場。これは面白くないわけがない傑作です。
陣内かっこよすぎます。
「チルドレン」は必ず先に読んでおくのがお勧め。
7.陽気なギャングが地球を回す
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!
<感想>
ギャングというか個性の強い銀行強盗が繰り広げる爽快エンターテイメント作品。
これも会話キーポイントなんですが、それ以上に物語の展開が素敵であっという間に読んでしまえます。
映画の様な物語がとにかく軽快で笑えます。
6.オーデュボンの祈り
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?
<感想>
デビュー作であり、個人的に世界観がすごく好きな1冊。
「しゃべるカカシが出てくる物語です」って聞いて興味を持ったら読んでください。
多分村上春樹さんの影響が濃いんだろうなと思いますよ。
主人公の伊藤や足を引きずる田中は他の作品にもリンクするので、読んでいて「あっ」て思います。こんな楽しみもあるんですね。
5.伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」
<感想>
伊坂さんの中でも、ミステリー色の強い作品がこれ。
完成度も非常に高くて、物語のプロットがとても優れているので本当に無駄がない話ですね。
思わず笑ってしまう様なセンスのいい言葉やキャラの立った存在など、本格派とは違う文学的な面白さもあると思います。
4.チルドレン
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々――。何気ない日常に起こった5つの物語が、一つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。
<感想>
こちらは紹介する中で唯一の短編集。
伊坂作品では多分1、2を争うであろう人気キャラ陣内の出てくるお話です。
とにかくバカっぽいのにアツくて、軽快な会話とテンポの良い物語の展開からは想像できないラストが待っています。
読む人を選ぶかもしれないけど、伊坂ワールドはこんな世界観だよって分かるにはとてもいい作品です。
3.グラスホッパー
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
<感想>
押し屋の出てくる殺し屋達の狂気の面白物語。
これも「押し屋って何?」と思ったら是非読んでください。
要らない知識を入れるよりも、先入観なく読んだ方が絶対に面白いです。
この作品も騙しのトリックがあるので、最後まで見逃せませんよ。
2.ホワイトラビット
<感想>
個人的には伊坂さんの中では、「ラッシュライフ」と並ぶ名作でほんと最高傑作って言って良いほどの完成度です。
前半に沢山散りばめた伏線を後半一気に回収していく感じが、ジェットコースター感覚でスピード感ありノンストップで読みたい名作。
あっと驚くって感じでは他の作品と比べて弱いですが、1冊のミステリーとしては物凄く良い作品です。
1.ラッシュライフ
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
<感想>
個人的にNo.1はこれです。
叙述トリックかは微妙なんですが、時間軸のズレが物語を複雑に絡み合わせて上手く読者を誘導し、それが繋がった瞬間に真相が分かります。
これ何度も読んでいますが、ミステリーの中でもかなりの名作ですよ。
未読の方は絶対読んだ方がいい。
まとめ
この中から順番に読むとしたら並べてる通りに読むのが絶対お勧め。
この次に来るのが、「アヒルと鴨とコインロッカー」「重力ピエロ」「死神の精度」「砂漠」「フィッシュストーリー」辺りじゃないでしょうかね。
ファンになればなる程に深く、面白くなる表情豊かな伊坂先生の作品。
本ってどうしても最新ばかりが目立つのですが、やっぱり生い立ちと成長を知る上で、最初から読むのが好きなんですよね。
代表作を読んで気に入る。→初期の作品を読むってのが定番です。
音楽も同じで、代表作→1stアルバムってのがやっぱり良いんですよね。
人も歴史を辿る事で、深く、もっと好きになることができます。
そんな感じで伊坂作品を紐解いてみて下さいね。